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カテゴリ:伝統的建造物( 36 )

 

大正期の面影 翁座活用調査

府中市は11月、同市上下町の芝居小屋「翁座」の本格的な保存、活用に向けて調査を始める。国内でも数少ない大正期の木造芝居小屋としての「価値」に注目。2022年度の完成を見据え、市文化財への指定を視野に、復元や観光利用に向けた改修をする。
市は、耐震調査と改修設計を目的に、19年度一般会計予算に1千万円を計上した。その後、有識者や観光協会でつくる市の活用検討会のメンバー藤田盟児・奈良女子大教授から8月に「文化財としての価値が高く元の姿に戻すべきだ」との評価を受け、改修計画を変更。市の文化財指定と観光活用を視野に入れ、改修すると決めた。
当初予算を20年度に繰り越し、建設当時の構造や工法の調査費340万円を19年度補正予算に盛り込んだ。20年度は改修の設計や活用方法を検討し、21年度に工事を着手する考え。歌舞伎や落語、芝居、地元住民の集まりなどでの利用を想定し、調査結果を踏まえて具体的な改修規模を判断する。
翁座は、地元有志の出資で1925年に完成。2階建てで、かつては歌舞伎公演や映画上映があり、娯楽の拠点として親しまれた。回り舞台や花道、桟敷席のほか、奈落が今もある。白壁の町並みが残る上下の中心部を代表する木造建築として、現在は住民有志でつくる上下まちづくり協議会が管理。天領上下ひなまつりや見学会などで利用している。建物維持のため修繕を重ね、受け継ぐ先を探していた町内の所有者から昨年12月、市が寄贈を受けた。
市観光課の浅野昌樹課長は「国内でも数少ない木造の芝居小屋を再生し、文化財としての価値を向上させることで観光振興にも役立てたい」としている。
【中国新聞 2019.10.05】

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翁座の建物と内部(2016年撮影)

翁座は何度か内部を見学したことがある。一回はガイドの方も居られ、回り舞台や奈落、その他多くの構造や仕掛けなどを説明してもらった。
芝居小屋の建物がほぼ原形どおりに残る例は非常に珍しい。ただ現状では公開される日が限定されていることが少々残念である。
聴くところによると消防法等の基準に適合できていないため、常時公開はできないと云われていた。
今回調査・活用に向けて具体的な計画が示されたことは大きな前進だろう。多くの人に知ってもらえるよう動いてもらいたいものである。

by mago_emon2 | 2019-10-06 10:14 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

飲食店に限らず活用探るーテナント撤退 府中の「恋しき」

府中市府中町にある旧料亭旅館の複合施設「恋しき」の主力テナントの飲食店撤退から、3カ月近くがたつ。地元企業や市などが出資する運営会社は、新たなテナントを探すが進展は見えない。本格的な日本庭園も備える国の登録有形文化財の建物は、市を代表する観光資源であるとして、飲食店に限定せずに活用策の検討を始めた。
旅館として明治初期に創業した恋しきは、3階建ての母屋と5棟の離れ、庭園からなる。運営会社は、情緒ある空間を生かし、市民や観光客の憩いの場を活用のコンセプトとしている。2018年度は約2万7千人が利用した。
しかし3月末、母屋で12年から営業していた主力テナントの和風レストラン・宴会場は不採算を理由に撤退。運営会社は、複数の飲食関係の業者に入居を打診したが「具体的に何も決まっていない」という。現在、母屋は活用されておらず、離れで観光案内書が営業し、回廊式の日本庭園は一般開放されている。
府中商工会議所会頭で、運営会社の北川祐治社長は「人が集う仕組みを考えていかなくてはいけない」と強調。廃業した旅館からリニューアルした07年以降、複数の業者が営業してきた飲食店にこだわらずに活用を模索するという。
運営会社はテナント賃料を主な収入源として施設を維持、管理している。店撤退による収入源を受け、恋しきの支援として市は、庭園の維持管理に150万円の補助を決めた。森川祐司観光戦略推進担当部長は「恋しきの維持は大前提。地域振興を図るためにも、市も積極的に関わっていく」とのスタンスだ。
井伏鱒二や吉川英治や文豪も滞在し、戦後は地元企業の商談の場などとして活用されてきた施設。北川社長は「府中の宝であり、残すもの。再び魅力ある施設にしたい」と話す。
【中国新聞 2019.06.27】
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4月の飲食店撤退との記事の続報。
文化財級の価値のある貴重な建物が遊んでいるのはもったいない。
家屋でも空き家になり管理が行き届きにくくなると一気に傷みが生じやすくなる。それは文化財の建物とて同じことだ。
市が買い取って公的に管理し、あくまで建物を公開し見てもらうよう整備してもらいたいと個人的には思うところだ。小さな喫茶室を設けるのもよいだろう。
飲食店として営業している時に一度利用したことがある。そのとき離れは法事客が使われていたようだが、そのような臨時での貸切扱い利用にも応じる施設にしてもよいだろう。


by mago_emon2 | 2019-06-27 21:52 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

府中の「恋しき」主力の飲食店不採算で撤退

府中市府中町にある複合施設「恋しき」の主力テナントの飲食店が3月末、不採算を理由に撤退した。施設は明治初期創業の旧料亭旅館で、国の登録有形文化財として市中心部にある。地元企業や市などが出資する運営会社は、施設の活用方法の見直しも含め対応を検討する。
店は木造3階建て母屋内の和風レストラン・宴会場。唯一の飲食施設として、福山市内で飲食店を手掛ける夢笛(福山市)が2012年11月から営業していた。同社は「地域の憩いの場を目指してきたが営業継続が困難になった」と説明。運営会社は「再び飲食店をテナントとして募るのかも含め、活用方法を検討する」とした。離れの貸し出しや回廊式の日本庭園の無料開放は続けるという。
恋しきは井伏鱒二や吉川英治ら文豪も滞在し、戦後は社交場としても利用されたが1990年に廃業。運営会社が建物を買い取り、2007年に複合施設として再オープンした。観光振興に力を入れ始めた市も、歴史的価値がある中心部の拠点の一つに位置付ける。
市商工労働課の近藤和成課長は「文化財であり貴重な地域資源。市としてできる支援を検討する」としている。
【中国新聞 2019.04.05】

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内部が飲食店として利用されていた「恋しき」(2016.11撮影)

この建物はかなり前から保存活用の方法が検討されていて、飲食店が入った後に利用したことが一度ある。
もっとも本当の目的は館内を見学することであり、そのためには食事の予約を入れる他なかったわけである。
その数年前、一度だけ忙しくない時間帯に店の方にお願いしてざっと建物内を見せてもらったことはあるが・・。
古い建物の店舗としての再活用。この建物に限らず多くの事例が見られるが、例えば自治体などが買い取って一般公開するなどといった場合と比べると、その建物本来の原形が保たれる確率は低いものになると云わざるを得ない。
ましてやテナントとしてのこのような営業では、当然のことながら利益が残らなければ手放してしまうわけで、当然それは建物の保存云々とは別のことになってしまう。
実際ネットで少し見てみると、レストランとして利用されるにあたり内部の原形が改変されてしまったことへの嘆きの声もあった。
残念というよりこれを機会に建物の魅力をちゃんとした形で伝えることの出来る施設に生まれ変われる良い機会になるよう、私は願いたい。


by mago_emon2 | 2019-04-07 21:06 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

旧千葉家住宅に休憩所

海田町は14日、県重要文化財の座敷棟がある旧千葉家住宅(中店)の敷地内に休憩所やイベントスペースを設ける計画を明らかにした。観光地化を進める旧西国街道沿いにあり、東隣に建設中の海田公民館と一体で賑わいの拠点としたい考え。織田幹雄記念館も入る公民館がオープンする2020年4月までの完成を目指す。
休憩所は老朽化した同住宅の納屋を取り壊した跡に整備する。平屋で縦約4メートル、横約14メートル。中に観光情報コーナーも設ける。隣接する新たな海田公民館との間をイベントスペースに活用。地面に自然石を施し、演奏会などの会場として使えるようにする。
昭和初期の台所が残る同住宅の「角屋」も改修する。かまどや土間などを復元して体験学習の場にするとともに、和室も新たに造り茶道教室などの会場として利用を促す。
町は実施設計を経て、6月に開会予定の町議会定例会に建設費を含んだ予算案を提出する方針でいる。
同住宅は旧西国街道沿いにあり、宿場町だった同町の宿駅の要職を務めた千葉家の旧宅。主屋や角屋、座敷棟、庭園などで構成する。1774年建築の座敷棟は県重要文化財に、庭園は県名勝に指定されている。2011年、町に寄贈された。
【中国新聞 2019.02.15】
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千葉家住宅

千葉家住宅は旧海田宿にあって脇本陣(大名通行などの重要通行時、本陣に次いで主な宿泊業務を担当)を務め、建物も往時のまま残されている。数年前から日を定めて公開されており、何度か訪ねたことがある。庭園も見事で常時公開されないものかなと思っていた。
最近通りかかっても公開されている姿を見ないし、少々心配になっていたが、このような新たな動きがあるとのこと。
ただ、観光地化、賑わいの拠点といった言葉が目に付くことが気になる。そういったことに重点を置いた施策だと、結果的には同じような施設になってしまいその土地その歴史固有のものが淡くなってしまいがちなものだ。
そのような結果を招かないことだけは願いたい。


by mago_emon2 | 2019-02-16 21:47 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

翁座 次代へと寄付

府中市上下町の喫茶店経営、田中善江さん(85)が所有する木造の芝居小屋「翁座」を市に寄付した。大正末期に完成した小屋は、歌舞伎公演や映画上演など娯楽の拠点として親しまれたが、工場として一時使われるなど時代の荒波にももまれた。一家で守ってきた施設が、地域のシンボルとして末永く残ることを願う。
翁座は地元有志が出資し、京都の南座を参考にして1925年完成した。回り舞台や花道、升席などを備え、舞台や花道に通じる床下に「奈落」もある。
戦後すぐ、映画などの興行が仕事だった父の多郎さんが小屋を取得した。歌舞伎のほか、舞台には高田浩吉、鶴田浩二ら著名な役者も登場。映画「君の名は」の上映時には長蛇の列ができた。地域に欠かせない娯楽の場だった。幼少から日本舞踊を舞う田中さんも「100回どころではない」ほど舞台に立った。(以下略)
【中国新聞 2019.01.09】

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翁座(2016.10に公開されたときの様子)

昨年9月の続報。
前回記事:
https://machiissue.exblog.jp/27104158/
それにしても、喫茶店経営の個人所有だったことには少々驚いた。
市が引き継ぐことで、この建物の貴重さ、魅力が身近に人々の眼に触れられるようになることを願うばかりだ。


by mago_emon2 | 2019-01-10 21:59 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

瀬戸田の堀内邸 宿として再生 21年に開業

尾道市瀬戸田町にある明治初期に建てられた「堀内邸」を活用した宿泊施設が、2021年に開業する見込みとなった。市が、ホテルの経営やコンサルティング業を営むナル・デベロップメンツ(京都市)と土地建物の売買契約を結んだ。瀬戸内しまなみ海道の中心部にある立地を生かし、地域への滞在時間の延長を目指す。
海外からの来訪者を含め、サイクリストなど幅広い観光客を対象とした宿泊施設を予定する。地元客も利用できる入浴施設の整備も検討している。
市は11月、土地2287平方メートルと母屋など11棟延べ1123平方メートルを、ナル・デベロップメンツに2630万円で売却する契約を結んだ。同社の早瀬文智代表取締役は「瀬戸田はしまなみ海道のほぼ中間にあり、滞在拠点として理想的」と説明。具体的な活用策は「建物を調査して計画を詰める」とする。
ナル・デベロップメンツは、瀬戸内7県の地銀などでつくる瀬戸内ブランドコーポレーション(広島市中区)から、堀内邸の紹介を受ける事業を提案。瀬戸内ブランドコーポレーションは共同提案者として、情報発信などで提携する方針。
堀内邸は瀬戸田港に近い「しおまち商店街」沿いに立つ。製塩業や海運業を営んだ堀内氏が1876年に建てた。17年に堀内氏の子孫から寄付を受けた市が、活用する民間業者を公募していた。
瀬戸田港には、19年1月から「サイクルシップ・ラズリ」が尾道との定期航路に就航する。市政策企画課の坂本里美課長は「生口島全体の活性化につなげたい」と話している。
【中国新聞 2018.12.26】

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堀内邸(右)

堀内邸に関する1月の続報で、具体的な動きについて明らかになった。宿泊施設という用途は前回も示されていたので、構想通り順調に進められているようだ。本格的な実現を待ちたい。
ただ、こうした民間業者の企画はややもすると一過性のものに終り短命に終わることも少なくないやに感じている。そうならないように願いたいと同時に、宿泊者以外の一般の訪問客にも貴重な建物の内部を見学できるように整備していただきたいものである。


by mago_emon2 | 2018-12-27 21:58 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

被覆支廠 平和学習拠点に

広島市内で最大級の被爆建物「旧陸軍被覆支廠(ししょう)」(南区)について、建物の一部を所有する広島県が大規模な改修案をまとめたことが4日、分かった。敷地内に新たな建物を建てて見学者が被爆証言などを聞く場所とするほか、車両の出入り口や駐車スペースも新設する。活用策が長い間、宙に浮いていた被爆建物は、被爆の実態を伝える平和学習の拠点としての役割が明確になる。
県の改修案によると、見学者用の建物は、最も北側にある1号棟と、すぐ南隣の2号棟の間に建てる。広さ約130平方メートルの平屋で、説明用のスペースやトイレなどを備える。現在は市民団体が屋外で催している「被爆証言を聞く会」の会場としたり、修学旅行で訪れた小中高生が利用したりすると想定する。
車両の出入り口は、1号棟と2号棟の間やその周辺にあるれんがとブロック製の塀を撤去して設ける。駐車スペースは、1号棟の北側に数台分を確保。車で訪れる人たちを受け入れる環境を充実させる。
併せて、1号棟を集中的に補修する方針も盛り込んだ。6月以降、専門家の意見を聞きながら進めてきた工法調査に基づき、雨漏りするなど劣化が激しい屋根や外壁を補強する。雨水を敷地の外に流すための排水路も新たに整備する。
一連の事業費は概算で3億8千万円を見込み、着工から完了までの工期は1年半程度と想定している。改修案を具体化するための財源の確保などが順調に進めば、2020年度には新たな姿を見せることになる。
被覆支廠の見学は現在、事前予約が必要。近年は被爆の爪痕を残す倉庫群に学ぼうと、主に修学旅行生の訪問が増加している。市民団体「旧被覆支廠の保全を願う懇談会」の中西巌代表(88)=呉市=は「声なき被爆者である建物の歴史を広く知ってもらうための大きな一歩だ」と歓迎する。
被覆支廠は、旧陸軍兵の軍服や軍靴を製造する施設として1913年に完成した。県は00年、ロシア・エルミタージュ美術館の分館誘致の候補地と位置付けたが、06年に断念。その後は活用方針を示せないままだった。
【中国新聞 20018.12.05】

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旧陸軍被覆支廠

声なき被爆証人であるとともに、建造物としても貴重な存在であるこの旧被覆支廠。外来客の訪れが多い地区でもなく、また目立たない位置にあることからまだまだ知られていない建物群である。一般の見学客を受け入れるには、構造強度など数多くの問題を解決しなくてはいけないようで、私もまだ一度も内部を見学したことがない。
このような古い建造物の保存は、それに至るまで非常に時間がかかることが少なくない。原形を出来るだけ崩さず、迅速に一般公開に向けて動いていただきたいものだ。


by mago_emon2 | 2018-12-06 22:38 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

府中市、「翁座」取得へ

府中市は11日、上下町にある大正末期に建てられた木造の芝居小屋「翁座」の取得交渉をしていることを明らかにした。白壁の町並み一帯の代表的な建物の一つ。保存と地域活性化への活用を図る。
市議会総務文教委員会で示した。市は「歴史的な価値があり、重要な観光資源。保存活用のために取り組む」と説明。建物と土地のそれぞれの所有者と交渉中で、2018年度末までの取得を目指す。取得後は耐震、防火対策を実施して活用する方針。
白壁の町並みの北端にある翁座は、地元有志の出資で大正末期に着工し、1927年に開場した。回り舞台や「コ」の字の2階桟敷席、縁が丸みを帯びた天井などを備える。かつては歌舞伎が上演され、戦後は映画館としても使われた。上下高演劇部員だった俳優の故平幹二朗さんも足しげく通ったという。
現在はまちづくり団体が管理し、天領上下ひなまつりなど地域の行事に活用している。市は「地域のランドマークの一つで地域振興を考える上で欠かせない施設」としている。
【中国新聞 2018.09.12】

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翁座は全国的にも貴重な芝居小屋建築で、回り舞台や「すっぽん」などの仕掛けがそのまま残り、また観客席も往時のまま保存されている。この小さな町に残ることは非常に価値のあるものだ。ただ消防法上の問題が解決されていないとかで、常時公開はならずイベント時の特別公開を待つしかないのが現状。もっと多くの人に接してほしい、そしてまたここで芝居が復活してほしいものだ。

上下の地元の方々の古い町並や建物の貴重さをとても認識しておられる姿勢は、いつも感銘を受けている。市の管理になることで、それらの実現に向けての具体的な動きを期待したい。

これは2016年秋の町並イベント時の様子。専属の係員による説明もありよく理解できた。










by mago_emon2 | 2018-09-12 22:09 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

旧日銀広島支店の復元工事 3度目も入札不調

広島市が被爆建物の旧日本銀行広島支店(中区)を、1950年代の復旧工事後の姿に復元して博物館にする事業で、4日に実施した入札が不調だったことが分かった。入札不調は3度目で、建設業に広がる人手不足の影響を受けた。予定していた2019年度の完成は困難な見通しで、市は事業内容やスケジュールの再検討を迫られている。
旧日銀広島支店は市重要文化財。復元工事では文化的価値を高めるため、被爆時にガラスが刺さった跡が残る壁などを保存し、後で取り付けた天井板や床材を撤去したり、壁を塗り直したりする。市は4日、文化財補修の実績がある大手ゼネコンなど11社を対象に指名競争入札をしたが、応札がなかった。
17年10月の最初の入札では1社が応札したが、再入札を含めて予定価格を上回った。18年3月は応札がなかった。市などによると、20年東京五輪の関連行事による人手不足に加え、リニア中央新幹線に関わる談合事件などで大手ゼネコンの指名停止が相次ぎ、入札への参加業者が減ったことも影響したとみられる。
工期は当初、17~19年度の3ヵ年だったが、18~19年度の2ヵ年に変更している。今回の不調で、さらなる見直しは必至となった。
市文化スポーツ部は「すぐに入札をやり直しても状況は変わりそうにない。時間をかけ、工事内容や事業の進め方などを再検討したい」としている。
旧日銀広島支店は1936年建設で、鉄筋3階地下1階延べ3214平方メートル。爆心地の南東約380メートルにある。改修後は2、3階部分に海外移民の歴史などを紹介する博物館を設けるほか、国重要文化財への指定を目指す。
【中国新聞 2018.09.08】


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日銀広島支店の外観及び内部(2010年撮影)


旧日銀広島支店、被爆建物としても近代洋風建築としても非常に価値があり、しかもそれらを代表する建物といえるだろう。
建物自体は公開されており、時折企画展なども行われているが、十分活用されているとも、また貴重な建物として認知されているとは今ひとついえないものがある。
建築・土木業界の現場作業員の人手不足は近年深刻で、入札不調という言葉はあちこちで耳にする。
しかしこの業務では市はもしや、予定価格を低く見積していやしないだろうか。
それに大手業者でないと施工不可能な工事内容なのか。
その辺りの詳細が不明なだけに、もどかしいことである。

by mago_emon2 | 2018-09-08 22:30 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

吉原家住宅の公開休止

尾道市向島町にある国重要文化財「吉原家住宅」で、日曜・祝日に14年間続いてきた定期公開が、6月から休止となった。築380年を超える豪農屋敷を後世に伝えようと、ボランティアで案内を担った住民グループ「吉原家住宅を守る会」が、メンバーの高齢化で解散した。
吉原家は江戸期に近隣5村の庄屋を世襲で務めた。母屋は1635年築。かやぶき屋根の寄せ棟造りで、はりや柱に異なる木を使っている。1991年、納屋などとともに国重文に指定された。
守る会は2004年、住宅の歴史を広く伝えようと発足。第39代当主の吉原久司さん(68)=同市向東町=の許可を得て、日曜・祝日に門と住宅の鍵を開け、訪ねる人を案内してきた。しかし、20人以上いたメンバーは高齢化などで8人に減少。活動が難しくなり、今年5月27日の公開を最後に解散した。
ゴールデンウィーク時には、県内外から毎日10人以上が訪れたという。守る会メンバーだった藤田久登さん(88)は「解散は残念だが、住宅の歴史的価値を次世代が伝え続けてほしい」と願う。
吉原さんは「母屋の屋根に傷みが出ており、補修を検討する。見学希望の相談には個別に応じたいと話している。
【中国新聞 2018.06.02】


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吉原家住宅


この吉原家住宅は昨年訪ねており、この時もボランティアガイドの方に詳しく説明いただき充実の訪問となった。
拙サイトでもその時の模様を掲載している。
 http://www.kyoshu-komichi.com/jyuyobunkazai15.html

厳かな外見はもちろん、外見内部も収穫したものを貯蔵しておく地下室など非常に貴重な文化財といえるのだが、ガイドの高齢化により公開そのものも中止してしまうとは寂しいことだ。
ガイドする係員無しで受付だけといった形でも難しいのだろうか。
やはり重要文化財の建物は、公開され見学できる状態にしてほしいものである。


by mago_emon2 | 2018-06-03 16:25 | 伝統的建造物 | Comments(0)