カテゴリ:古い町並( 34 )

 

白壁の町並み 愛する会設立

府中市上下町の白壁の町並みで暮らす住民たちが、「上下の町並みを愛する会」を立ち上げた。町並みが地域資源であることを再認識し、美化活動などに取り組む。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の選定を目指すまちづくり団体とも連携していく。
住民や店舗を構える人たち84人が会員になった。町並みは、なまこ壁や格子窓など明治期から昭和期の面影を多く残す。江戸時代の柱やはりを使う建造物も目立つ。事務局は「歴史的な町並みを次世代につなげていくためには住民による組織は不可欠」と説明する。
白壁の町並みは約110軒の民家や店舗で構成。空き家・店舗は24カ所とここ10年に倍増し、解体されて空き地になった場所もある。重伝建を目指す住民グループ「上下まちづくり協議会」は町並み外のメンバーも多く、設立を呼び掛けた。
25日夜に設立会議があり、魅力を高める活動の展開や活性化事業の支援、住民同士の交流など活動方針を確認した。伊藤敏雄会長(65)は「昔はにぎやかだった。住みよく、住んでみたいと思われる街にしたい」と話した。
【中国新聞 2018.07.27】

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上下の町並(2015年撮影)

上下の町並が重伝建選定に向けて動いていることは、昨年の記事で知ることができた。(上下観光 住民盛り上げ)。
まだまだ実態としては、町並を求めて外来客の訪れが目立つとは言い難いが、定期的なイベントや建物の公開など、地元主体で様々な取組をされている姿からその熱心さ、地元の方々の熱い思いを感じる。
会の名前に象徴されるように、町そして町並を愛する方々が多いのだろう。
その結実であるべき重伝建選定を目指してほしいと思う一方、集客に注力する余りの改変は避けていただきたいところだ。


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by mago_emon2 | 2018-07-27 22:26 | 古い町並 | Comments(0)  

都市景観大賞で優秀賞(三次「歴史的街並み地区」)

三次市の「三次町歴史的街並み景観形成地区」が2018年度の国土交通省の都市景観大賞都市空間部門での大賞(1地区)に次ぐ優秀賞(3地区)に選ばれた。住民と行政が一体となった歴史的な街並みづくりや地区内での祭りの開催などによる、にぎわい創出が評価された。
同地区のすぐそばには来春、妖怪博物館が開館する予定で、市は「受賞を励みに多くの観光客を呼び込みたい」と意気込む。
同地区は、みよし本通り商店街を中心とした計約1.4キロに石畳が敷かれた約9.2ヘクタールのエリア。明治、大正時代に建てられた昔ながらの町家や、伝統的な防火壁「卯建(うだつ)」のある住宅などが立ち並ぶ。
地元では1994年、まちづくりに着手。商店主たち地元住民が毎年春祭りを開くほか、三次町歴みち協議会を設けて市と連携して、地区内での建物の補修や増改築時には景観に配慮するよう調整や指導を続けている。市は石畳の舗装や電線の地中化、灯籠を設置した。三次地区自治会連合会も、13の小路を生かした町歩きをしやすいよう、マップや石板を制作した。
こうした一連の取り組みが「地域住民と行政が一体となって、道づくり、街づくりを進めてきた。活発な活動も街のにぎわい創出に大きく貢献している」と国に評価された。
市都市建築課は「歴史的な街並みの中に生活と観光が共存している強みを今後も一層磨いていきたい」としている。
【中国新聞 2018.06.21】
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三次町の町並(2008年撮影・石畳調の舗装は施工済)


三次の古い町並は駅から川を隔てた旧三次町にある。初めて町並探訪の目的で訪ねた頃からすると、見違えるように町並が整備された。
地元三次の方々が強く意識され、守るべく努力を積み重ねて来た結果であると感謝したい。
ただ、私が感じるだけかもしれないが、今施工されている石畳調の舗装は今ひとつ町並を引き立たせる効果には乏しく、せめて地道を思わせるカラー舗装に出来なかったものかと思う。
また妖怪博物館とやらが計画されているということはこの記事で初めて知ったが、この町並資源の魅力を、どのような形で伝えようとしているのか。核心がぶれるのではないかと危惧感を抱いてしまう。
この取組が観光客の集客に重きを置くばかりに、あらぬ方向に曲折してしまわないことを切に願いたい。


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by mago_emon2 | 2018-06-23 21:12 | 古い町並 | Comments(0)  

酒蔵通り一帯を調査へ

東広島市教委は、西条酒蔵通り一帯の街並み調査に乗り出す。地区内にある築50年以上の日本家屋を中心に構造や分布、完成時期を把握。街並みの成り立ちを明らかにして重要伝統的建造物保存地区(重伝建)を目指すかどうかの基礎資料とする。
西条酒蔵通りはJR西条駅南の東西約1.2キロ、南北300~500メートル。通りを含む西条地区では明治、大正期の土蔵など既に73件が国登録文化財になっている。これまで酒造関連施設で調査がされてきたが、一般家屋は対象外だった。
調査では、歴史的なたたずまいを残る木造家屋30~50軒を対象に想定。柱の間隔を測って平面図を作ったり、建築時の状況を聞き取ったりするほか、水路や塀、石造物についても調べる。結果を参考に、街並み全体として保護するかどうかの可能性を探る。
市教委文化課は「調査は街並みの保存方針を判断するため。結果によっては重伝建の指定を目指すことも検討したい」としている。
夏ごろに有識者や市民を交えた委員会を設け、調査は外部の研究機関に委託して進める方針。2019年度末の完了を予定する。
【中国新聞 2018.05.10】
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西条の町並を重伝建に。
正直なところ少し突拍子ないようにも思えるが、酒蔵地区だけが注目されがちなこの界隈、旧山陽道沿いでもあり宿場や町家・商家の面影も少なくない。その貴重さをどこまで詳らかにできるか、その結果によっては案外重伝建級の価値もあるのかもしれない。
もちろん、私も知らないことが沢山ある。重伝建以前にまず調査結果を楽しみにしたい。


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by mago_emon2 | 2018-05-10 23:28 | 古い町並 | Comments(0)  

街道東城路 美装化へ

庄原市は2018年度、同市東城町中心部の街道東城路一帯で、市道の美装化に乗り出す。城下町の風情が残る町並みに配慮したアスファルト舗装を施し、魅力ある景観づくりを進め、地域の賑わい創出を狙う。
対象区間は、国登録有形文化財の三楽荘や市まちなか交流施設「えびす」などが立ち並ぶ市道2路線の計560メートル。春や秋には観光客でにぎわう日がある一方、住民の生活道路でもあり、日常的な車の通行量は多い。道幅は5~7メートルで、歩行者と車の距離が近いことが懸念されている。
市はこれまでの灰色の舗装から、車道を周辺の建物に合わせて茶色にし、歩道を灰色にして区別することで、歩行者が安心して散策できるようにする。18年度からの3年間で、美装化と、市道沿いのグレーチングの入れ替えなどをする。総事業費は約1億5千万円を見込む。
また、街道東城路のうち南側の県道部分についても、県に同様の舗装をしてもらうよう、調整を進めているという。
【中国新聞 2018.04.25】

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東城の古い町並。2枚目は三楽荘


東城は県北東部、景勝地帝釈峡などで知られるが中心部には見応えのある古い町並もある。もっと知られても良いレベルの町並だが、地元の意識は高く時折町並を舞台としたイベントも開かれている。
この舗装改修計画もその表れだろう。
ただ、美装化とあるようにややもすると人工的な色合い、古い町並に不自然な雰囲気を与えることにもなるため、計画は慎重に行ってほしいものだ。


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by mago_emon2 | 2018-04-25 22:25 | 古い町並 | Comments(0)  

酒蔵通り 景観整備

東広島市は2018年度、JR西条駅前の酒蔵地区を東西に走る市道、西条本通線(西条酒蔵通り)を美装化する工事に着手する。一部区間で電線を地中化し、側溝をブロックで覆う。散策する観光客や住民が安全に歩ける環境を整え、趣ある景観を守る狙い。今春に施工を始め、22年度の完了を目指す。

通りは旧山陽道にあたり、酒蔵群が集まる地区のメイン通り。生活道として車通りも多いが、道幅が5~7メートルほどと狭く、歩行者や車が擦れ違いにくい区間もある。
市都市整備課によると、駅前の幹線道ブールバールから東へ約200メートルの区間で電柱6本を撤去し、ケーブル類を埋める。また、その区間を含む約480メートルでは、側溝を舗装用のブロックで覆って車道と区別し、歩行者のスペースを確保する。
市は4~5月中に工事を始める方針。総事業費は5億4700万円。このうち18年度分の事業費として、市議会定例会に提案中の一般会計補正予算案に2億4600万円を盛り込んだ。
通りの美装化は、住民でつくる「酒蔵地区まちづくり協議会」が03年に市へ提案するなど長年の課題だった。市は15年度から調査や設計を進めていた。都市整備課は「観光客がまた来たいと思えるような落ち着いた景観を整え、地区の活性化につなげたい」としている。
【中国新聞 2018.03.17】
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電線を埋設して電柱をなくし、路面を美装化する。
私個人的な感想を言わせてもらうと、それがややもすると景観整備事業としてある意味画一化の方向に走るやにも思えるのだが、一体どのような出来形になるのか、期待半分危惧半分で見守ることにしたい。


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by mago_emon2 | 2018-03-18 22:07 | 古い町並 | Comments(0)  

景観に統一感 にぎわい再び(三原市)

広島県は、統一感ある景観づくりで賑わいを取り戻す住民活動を市町と支援する「魅力あるまちなみづくり支援事業」のモデル地区に、三原市本町の「本町西国街道地区」を選んだ。かつての城下町に文化的価値の高い寺社が点在。住民主体の祭事が続いている点も踏まえ、観光客の増加が見込めると判断した。県市は担い手となる住民組織の来年度発足を目指す。
大正地区は、JR三原駅北西に位置する本町1~3丁目の約26ヘクタール。地区を東西に貫く市道の本町中央通りは、江戸期に西国街道として栄え、古い町家が今も残る。通りの北側には、国の重要文化財の山門がある宗光寺などの寺社が斜面に沿って立つ。
早春の「おひな祭り」や夏の「三原半どん夜市」を地元住民らが開いている。ただ、商業施設の郊外への進出などで近年は人通りが減少。景観づくりを機に活気を取り戻したいと、市が県の公募に応じた。県市は今後、電線の地中化や道路の石畳化など景観づくりに向けたハード事業の指針を決めるため、住民組織がワークショップを開いたり専門家を招いたりする経費を折半して負担する。
市は住民組織の設立に向けて調整中。市都市開発課は「町家や寺社は祭りやイベントの舞台ともなっており観光客を呼び込むポテンシャルがある。住民主体の活動をいかに持続させるかを考えたい」としている。
同事業は2014年に開始。これまでに宮島口(廿日市市)東城(庄原市)忠海(竹原市)の3地区を選定し、計2千万円を支出している。宮島口と東城はハード整備の指針がまとまった。
【中国新聞 2017.11.22】


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三原の町並 この近くに「西惣門跡」がある(2004年撮影)


三原市の城下町及び街道沿いの町並は、特に駅の北東側の造り酒屋を中心とした地区が国道バイパスの建設にあたり拡幅され、ほぼ壊滅している。さらにこの記事で触れられた北西側も、質量的に余り残っているとはいえない。私も当分の間、再訪していない町並だ。
しかし少ないながら残る商家の建物や寺社を取り込んで歴史の町をアピールする余地は残されていると思う。
ただ、観光客の取り込みといったとこに傾注しすぎると、結局は余り個性のない画一化されたものになりがちなので、その辺はバランスを持った取組としてほしいものだ。
しばらく注目しておきたい。


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by mago_emon2 | 2017-11-23 10:22 | 古い町並 | Comments(0)  

3階建て以上木造住宅減る(大崎上島木江)

 大崎上島町木江港周辺に集まる3階建て以上の木造住宅が、徐々に姿を消している。かつて造船の町の歓楽街としてにぎわった名残をとどめ、観光名所にもなっているが、9棟まで減った。老朽化や住民の高齢化で管理が難しくなっている。
 町によると、木江港では江戸末期から帆船が潮待ちし、造船業でも栄えた。大正期までに旅館や宴会場が並ぶ歓楽街になった。海と山に挟まれて平坦地が少ない事情から、木造3階建てが多く建てられたという。
 戦後、鉄鋼船が主流になると、潮待ちする船が減り、歓楽街は活気を失った。その後、建物は民家として活用され、1980年代には15棟が残っていた。
 郷土史に詳しい町住民課の秋山英雄さん(54)は「木造3階建て以上が群集して残ったのは全国でも珍しい」と説明する。一帯の写真は町の観光パンフレットも飾る。
 しかし、どの建物も築100年前後になった。昨年までに10棟になり、ことしさらに、1棟が壊された。住んでいた70代の男性は「屋根や壁の補修に年間100万円余りかかった。行政の補助はなく、維持が難しかった」と振り返る。
 現存する3階建て8棟と5階建て1棟のうち、居住者がいるのは3棟。他の2棟は倉庫、4棟は空き家だ。
 町地域経営課の森下隆典課長は「歴史ある町並みを守りたいが、保全に向けた町民運動などがなければ、個人の財産に公金を投じるのは難しい」と話している。
【中国新聞 2017.10.31】
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木江の路地 木造3階建が対峙する一角もある(2016.01撮影)

木江の集落は余り全国的には知られていないものの、その外観の独特さは特筆すべきものがある。
島の集落だったから大規模に開発され破壊されることなく、良くぞ残っていると私は思っているのだが、木造3階建の減少は私も実際眼にしてきたところである。
ここに載せた写真のような路地風景は他ではまず見られないもの。
一軒壊されると、連続した町並景観に風穴が開いて、かなり異なったものになる。

記事に掲載されている森下課長の言葉は、重伝建地区などとして公の保存が行われていない古い町並の現実そのものである。






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by mago_emon2 | 2017-11-01 22:51 | 古い町並 | Comments(0)  

上下観光 住民盛り上げ

白壁の町並みが残る府中市上下町で、住民による観光振興の取り組みが活発化している。誘致に成功した外国人ツアーが継続的に訪れ、建造物の補修など江戸から昭和にかけての面影がある景観の形成も進む。一方で、市による観光振興の方向性は明確でなく、市のビジョンを求める声もある。
英国の旅行会社が企画したツアーは昨夏以降、8回訪れた。寺や旧商家の見学、剣道体験などがコースだ。「人はフレンドリーで景観もいい。日本に来た意味が上下にあった」と英国から7月に訪れた弁護士デービット・コフィーさん(50)。上下ガイド協会会員が付き添い、英会話ができる住民、小中学生もガイドに加わる。客にも好評で10月までに4回が予定される。
ツアーは、県と住民有志でつくる上下まちづくり協議会が旅行会社を招いたことがきっかけ。「外国人を呼び水に、日本人も増えれば」と協議会は活路を求める。
協議会は県や市の補助金を使い、なまこ壁や格子窓が残る町並みの景観整備にも力を入れる。2015年以降、地域のシンボルでもある教会、大正時代建設の芝居小屋などを改修。今後も明治時代の警察署跡や民家の外観の修繕などを進める計画だ。協議会は、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定を目標に挙げる。
住民を突き動かすのは危機感だ。町の人口はこの5年で600人減り、現在は約4600人。白壁の町並みを成す約800メートルの商店街約130軒のうち、空き家や空き店舗は11増えて32軒に。行事がなければ地区は閑散とする。長い伝統があった同町の矢野温泉の唯一の施設は、昨年末で休館した。
5月、協議会の呼び掛けで商工会や市など8団体で活性化連絡会が発足した。主催者が異なる行事も多く、足並みがそろっていなかった地域に連携を強める動きも出てきた。
住民主導で取り組みが進む中、「住民団体でできることには限界がある」と協議会の柿原延孝事務局長は言う。「市による地域振興のビジョンが見えない」との声も地域から漏れる。
市産業振興課は「上下町には他の地域にはない価値がある」と観光資源の豊かさを認める。「町並みをどう生かすか、市の方向性をはっきりさせないといけない」とするものの具体策は見えない。重伝建についても慎重な姿勢を示す。
どう地域振興につなげるか。市の手腕が問われる段階にきている。
【中国新聞 2017.08.20】

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上下の町並(昨年のイベント時の様子)

古くは石見銀山で産出される銀の輸送上重要な町として位置づけられ栄えた上下町。現在でも重厚な古い町並を残しており、またイベント開催なども活発に行われ、地元の方々の意識は高い。
ただ市との温度差を感じるとのこと。現在は府中市の一部ではあるが、このような記事を見ると合併による弊害がこんなところに現れているのではないかと、勘ぐりたくなる。
また取組自体も、余り観光色に染まったものにならないように願いたいところだ。重伝建地区を目指すなら尚更だ。
私が見る限りは、今の状況はかなり良い方向に持っていけていると言う印象ではある。やはり地元と市が足並を揃えるという部分が課題か。


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by mago_emon2 | 2017-08-23 23:03 | 古い町並 | Comments(0)  

宮島 町並み保存へ助言役

世界遺産の島・宮島(廿日市市)の町並み保存を加速させようと、市は広島工業大の森保洋之名誉教授(72)を宮島まちなみ・まちづくりアドバイザーに任命した。島中心部で国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定を目指す中、宮島の町家にも精通する建築計画の専門知識を施策に活用していく。
森保氏は1月から週一回登庁。建築指導課の机に着いて職員の相談に応じ、会議への出席も重ねる。今月2日には、関係職員14人を集めた勉強会を開催。町並み保存の対象地域にある建物の修理基準などを定めるガイドラインの必要性を説き、学識者や先進地の住民など助言を求める人材を紹介した。
森保氏は、広工大が宮島に構える学習センター「宮島こもん」の世話人などを歴任。島内のまちづくりや景観に詳しく、住民とも率直な意見交換ができる関係を築いている。宮島の町並みの魅力を「質素で落着いたたたずまい」と指摘し、「町家を良い形で修理し保存していけるようにアドバイスしていきたい」と話す。
市は、江戸期からの民家が点在する町家通り一帯など約18ヘクタールの重伝建選定に向けた条例を2015年に制定。担当職員を宮島に常駐させるなど取り組みを進めている。市建設部の向井敏美・都市建築担当部長は「宮島に詳しい専門家が身内になった。遠慮なく助言を求め、良いまちづくりを進めたい」としている。
【中国新聞 2017.02.07】

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宮島の町並保存に関しては、今からほぼ1年前にもその動きを伝える記事があった。大学教授などの学識者の視察などが行われたという内容だった。
http://machiissue.exblog.jp/22881128/
外部による調査段階だった昨年に対し、今回は具体的な保存の実務に関する人事に関してだ。選定後をにらんでの動きだろう。
実際町家通りを中心として、重伝建地区に匹敵する古い町並が保持されているが、観光客に認知されているとは言いがたい。団体客の往来の多い地区と同じような賑わいなる必要は無いが、その貴重さを理解していただける個人客を中心にもう少し知られるところとなってほしいものだ。



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by mago_emon2 | 2017-02-08 21:35 | 古い町並 | Comments(0)  

街道の趣 どう守る

江戸期から昭和初期の古民家が残る広島市安佐北区可部地区の旧雲石街道一帯の景観保全が曲がり角を迎えている。出雲、石見両街道が合流する交通の要衝として栄えた往時の町家は改修費がネックとなり、空き家になったり解体されたりして景観は年々変化する。
情緒ある通りを守るためには地域全体の機運の高まりが欠かせない。

JR可部駅から北へ約600メートル。かつては人通りでにぎわった同街道の「折り目」は日中、国道183号線の抜け道としてひっきりなしに車が行き交う。昔のたたずまいが年々失われる中、江戸時代から続く入江呉服店の一角が8月下旬、カフェサロンに生まれ変わった。
「古民家が取り壊され、町の趣を失っていく流れに一石を投じたかった」と同店代表の入江乙彦さん(72)。町家の特徴である卯建を修繕し、店内は天井を剥いで木組みの梁を見せるよう改修。古民家の風情を生かしたカフェに改修し、コンサートも毎月開く。

街道沿いの古民家の保全活動に取り組む住民グループ「可部夢街道まちづくりの会」によると、昭和初期には「折り目」を中心にした南北1.5キロに計281軒があったとみられる。しかし、2004年の調査では江戸から昭和初期に建てられた古民家は50軒に。15年3月には37軒に減った。多くが取り壊され、鉄骨建て住宅やアパート、駐車場に姿を変えた。
住民も手をこまねいていたわけではない。まちづくりの会は10年、沿道の14自治会・町内会に呼び掛けて景観保全のための実行委員会を結成。家屋の新築・改修時に切り妻屋根や格子窓を採用することや木製の郵便受けの設置など、住民が自主的に取り組む約40項目のガイドラインを示した。ただ、一定の成果はあったものの、街道全体では思うような効果が出ていない。

最大の壁は古民家の改修費だ。まちづくりの会が古民家の所有者に意識調査をしたところ、「解体せずに古民家の風情を残してリフォームしたいが、経済的な負担が大きい」との声が多かった。このため、昨年6月、市に要望書を初めて提出。改修の補助金や空き家バンクの創設を求めた。
これに対し、市は町並み保全の気運がさらに盛り上がることを前提に「補助金制度を含めた支援の在り方を検討したい」と答えた。まちづくりの会の梶川暢之会長(82)は「期待した即効性のある返答ではなかった。時間をかけているうちに、どんどん古民家が減ってしまう」と嘆く。
まちづくりの会は毎年、街道沿いの古民家や商家約30~40カ所を開放し、餅つきや琴の演奏会を開くイベント「可部の町めぐり」を開催するなど、人の呼び込みには一定の成果を上げてきた。ただ一方で、古民家の所有者の世代交代が進む中、景観保全に向けた地域の動きは盛上がりに欠けている面も否めない。
可部地区は戦後、大型店の進出や住宅団地の開発が進んだ一方、昔の面影を残す街道の景観は高い評価を受けている。住民が話し合う場を設けて地域の財産を見つめ直し、景観保全の気運を高めて行政を巻き込んだ取り組みにしていけるか。地域の底力が問われている。
【中国新聞 2016.10.06】

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「折り目」付近の風景。伝統的な建物が残る一方、下のように取り壊され撤去された旧家も見られる。(2014年撮影)
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可部地区の町並は、「可部の町めぐり」開催時をはじめ何度も訪ねているが、古い建物が年々少なくなっていることに私も危惧を抱いている。
自治体による古い建物の保全に対する補助。これは規模や形は自治体により様々だろうが、補助が行われている例は地方の小都市に至るまであちこちで眼にする。
市はそのような事例に携わった実績もなく、曖昧な返答しかできなかったのだろう。古い町並といえるのはこの可部地区くらいしかないからだ。

記事にあるように、イベントは古い町並・旧家の知名度を上げるには有効だ。しかし、では実際伝統的建物の保持という具体的な話になると、公の補助がなければ各家の持主の判断に任せるほかない。残さねばならないという思いはあっても、経済的その他の理由で個人が行える範囲は非常に限られている。
早く公費補助が受けることができる日が来ることを祈りたい。

例年10月に行われる「可部の町めぐり」は、今年も16日(日)に予定されている。
http://www.kominka-hiroshima.org/1644

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by mago_emon2 | 2016-10-08 15:43 | 古い町並 | Comments(2)