府中市は10月1日、旧料亭旅館の複合施設「恋しき」(同市府中町)を取得する。観光客の本格的な受け入れに向け、活用策を協議する検討委員会を12月に発足。2年後をめどに指定管理者を選ぶ。保存と活用を進めて、かつて各界の著名人が利用した施設のにぎわい復活を目指す。
恋しきは、施設自体と同市の歴史や文化、観光資源をPRする目的で、資料の保存や展示、貸店舗、貸室として利用する。庭園の開放や宿泊、催しも想定する。入館は無料。1日の使用料は母屋全室5万円、同個室4千円、同大広間2万円、離れ5千円と定めた。
施設の管理は市観光協会に委託する。委託費は年約600万円を想定。検討委員会は、建築に詳しい専門家や観光協会、地域団体など15人前後で構成し、宿泊や飲食営業、母屋の改修などを話し合う。
国登録有形文化財でもある恋しきは、1872(明治5)年に旅館として創業。3階建ての木造母屋と離れ5棟、日本庭園からなる。現在の運営会社では将来的な修繕を含めて維持管理が続けられないと判断し、市が土地と建物を1億8600万円で買い取る。
恋しきの設置と管理に関する条例案は、18日の市議会本会議で可決された。市観光課の浅野政昌樹課長は「かつて料亭旅館としてにぎわった恋しきを観光・交流人口の拡大や中心市街地のにぎわい創出につなげたい」としている。
【中国新聞 2020.09.23】
恋しき(2016年撮影)
「恋しき」は以前から内部を見学させてもらったり、会食に利用したこともあることから動きに着目している。
市が引き取る間に、有力な管理者が現れればよいが、以前食事処として活用されていた時に、もとの姿からかなり変わってしまったやに聞くので、このまま市が管理した方が良いようにも思う。
しかし、それでは財政的な問題もあるだろうから、難しい問題ではある。