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府中市、「恋しき」取得へ

府中市は29日、同市府中町の旧料亭旅館の複合施設「恋しき」の取得と活用に乗り出す方針を明らかにした。各界の著名人がかつて利用するなど文化的価値が高いと評価。一方で築100年以上の母屋や離れは老朽化が進み、現在の運営会社では維持管理が進められないと判断した。建物と土地の取得、修繕にかかる事業費は計2億1200万円と見込む。
市と運営会社によると、母屋や離れの屋根瓦が破損して一部で雨漏りが発生。土塀が崩れるなど修繕が必要な箇所がいくつもあるという。昨年春に飲食店が撤退して以降、母屋にテナントは誘致できていない。維持管理費は年700万円前後で、運営会社は将来的な修繕費もかさむとして2月に市へ売却を打診した。
市は、恋しきを歴史的、文化的な価値がある市民共有の財産と評価する。8月末に取得し、指定管理者を選定した上で来年1月の運営開始を目指す。地域イベントや、市民や事業者をもてなす迎賓館などの利用を引き続き想定する。
さらに、識者や地域団体などで構成する活用検討委員会(仮称)を設置。宿泊施設としての再生や建物の長寿命化策を検討する。
※以下略

(記事内解説)恋しき 1872年(明治5)年に旅館として創業。敷地約2500平方メートルに和風の木造3階建て母屋と離れ5棟、約900平方メートルの日本庭園がある。2004年に国の有形文化財に登録された。犬養毅や井伏鱒二たち政治家や文化人が訪れ、戦後は社交場にもなったが、1990年に廃業。運営会社が07年に観光と商業の複合施設としてオープンした。
【中国新聞 2020.05.30】


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恋しき(外観・母屋の内部・中庭と離れ)2016年


「恋しき」については、昨年6月にテナント撤退との記事があって以来、具体的な進展はわからなかった。
私は飲食店時代に一度だけ利用したことがあり、建物としても十分な価値があるものと思った。テナントとして利用されるにあたり、既に内部の意匠は随分手を加えられ原形部分が少なくなってしまったやに聞くが、外観のみならず歴史的な価値を考えると、安易になくしてしまうわけにはいかない建物だ。
今回市が取得に乗り出したことは、建物にとっては瀕死の状況の中救いの手が延べられたように感じる。
今の諸情勢を考慮すると、民間会社が会食・イベント会場として新たに展開していくのは難しいといわざるを得ない。市はその価値を十分認識されているようなので何とか軌道に乗せ、実現していただきたいものである。

by mago_emon2 | 2020-05-31 20:19 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

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