竹原市観光協会は10月1日、JR竹原駅前に、JR西日本レンタカー&リース(兵庫県尼崎市)から受託してレンタカーの営業拠点を設ける。当面は試験的に1人乗りの電気自動車(EV)2台を置く。町並み保存地区や大久野島(忠海町)、湯坂温泉郷(西野町)など、広域に散らばる市内の観光スポットの周遊を促すのが狙い。
駅前の市観光協会案内所内に営業所を設け、12月28日までは、トヨタの「コムス」2台を配して1日3千円で貸し出す。電動バイク2台も置く。利用状況を見て継続するかどうかを判断する。それ以外の車種は予約時に希望を聞き、JR西日本レンタカー&リースの別の営業所から運ぶ。
同駅を利用する観光客の大半は、約1キロ先の同市本町にある国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の町並み保存地区を目的地にする。3駅先の忠海駅の対岸にあって、「ウサギの島」として知られる大久野島、賀茂川沿いにある湯坂温泉郷などを一緒に巡るケースは少ないため、同協会が対策を練っていた。
営業時間は午前8時半~午後5時。現在請け負っている電動アシスト自転車の貸し出しも継続する。同協会は「多くの人に利用してもらい、観光消費額の増加にもつなげたい」としている。
【中国新聞 2019.09.18】
忠海地区の町並竹原の重伝建地区だけを訪ねて終わりだと滞在時間も短く、要はお金を落としてくれないのはやはり市にとっては悩みの種であることは確かだろう。他の地域と併せた広域周遊型の訪問客を市内に留める効果もあるだろうし、興味深い試みではあると感じる。
忠海地区にしても大久野島だけでなく、竹原の重伝建地区ほどではないが訪ねる価値のある古い町並が残っている。
ただ一人乗りの車両のみだけではなく、軽自動車辺りを常駐させても小グループの需要に応えられるのではと思うものの、一方でレンタカーの拠点性としてはちょっと弱い気がする。ローカル線上の中小観光都市に過ぎないわけだから。
まずは需要を探ってみてというところか。続報を楽しみにしたい。