旧街道の活性化 老舗新社長誓う(可部・旭鳳酒蔵)
1989年から社長を務めていた父親の泰司さんが6月30日、肺炎をこじらせて64歳で死去。長男の浜村さんが7代目の社長に昇格した。同社は江戸時代の1865年創業。地下水に恵まれた可部は古くから醸造業が栄え、戦後は旧街道沿いに蔵元が4軒あったが、久保田酒蔵(同区)など2軒になった。
旭鳳酒蔵は、旧街道沿いで散策客に楽しんでもらう住民主催のイベント「町めぐり」に毎年協力し、蔵元コンサートを開くなどしてきた。浜村さんは「人とのつながりが大切と父に教わった。地域との絆を強める姿勢はこれからも変わらない」と強調する。
同地区の住民グループ「可部夢街道まちづくりの会」の調査によると、旧街道には昭和初期、南北約1.5kmに民家や商家が計281軒あったと推定されるが、ことし3月には同社を含む37軒しか残っていないという。風情ある町並みが損なわれる懸念が広がる中、梶川暢之副会長(81)は「可部の老舗。若社長らしく、旧街道のまちづくりにも新風を吹かせてほしい」と期待している。
【中国新聞 2015.09.19】
旭鳳酒蔵(2014.10撮影)
酒蔵コンサートの様子(2011.10撮影)
旭鳳酒蔵は、可部の旧街道沿いにあってランドマーク的な建物だ。そして記事にもあるように最近恒例となっている秋の町めぐりイベントに際しては、土蔵を利用したミニコンサート、酒の試飲などが行われ主な会場の一つとなっている。
古い町並や伝統的建物の保存、まちづくりといった取組に関しては、地元の年配者、または学識者などが主導になる印象が強く、実際そのような例が多い。
将来にわたり、町並に新しさを取り入れながらも歴史を感じるものにしようとするなら、一度きりの対策では不十分だ。年配者ばかりの動きでは、一度はそのような気運が高まっても、次の世代にどのようにその精神を伝えるかといったことも問題になってくるだろう。
町並の中心的存在といえる造り酒屋、この若い社長に大いに期待したいところだ。
by mago_emon2 | 2015-09-23 15:35 | 老舗・伝統産業