「二楽閣」跡地 人集う場に
二楽閣(敷地約千平方メートル、木造一部3階建て)は戦国時代に地域を治めていた都野氏の山城「亀山城」があった高台(標高30メートル)に1900年ごろ、地元の廻船問屋、飯田家が別邸として建てた。石垣の上に土塀を巡らせた赤瓦建築。宿や料亭などの迎賓館の役割も担っていた。
赤瓦が並ぶ同地区の町並みを一望できるが、50年代後半に無人になってから荒廃。建物は取り除かれ、現在は石垣と外壁の一部だけが残っている。
同地区の住民約600人でつくる「本町地区歴史的建造物を活かしたまちづくり推進協議会」の黒川聡会長(71)は「二楽閣は地域の大切な財産。きれいにしたかったけれど、これまでは人手が足らなかった」と話す。
整備は2014年8月、まちづくりを学ぶ同大の学生有志6人が県の助成金30万円を受けて同地区で合宿を開き、二楽閣を訪ねたのがきっかけ。3年倉田敏宏さん(21)は「赤瓦の載った立派な外壁が美しく、荒れたままにするのはもったいないと思った」と振り返る。
学生が同会に協力を呼び掛け、昨年12月に初めて草刈りを実施。1月にも約20人で約3時間、外壁や石段を掃除した。今月26日に3回目の清掃をした後、活用策を話し合うという。
「将来はイベントスペースや展望台にしたい」と倉田さん。黒川さんも「若者の力と力を合わせ、多くの人が集う地域の財産に生まれ変わらせたい」と意気込んでいる。
【「中国新聞」2015.02.08】
江津本町の町並(2014.05撮影)
江津は港町として古い歴史を持っており、古くからの町の江津本町地区には古い町並が残り、また明治時代以来の銀行の建物を核に景観整備も行われている。地味ながらもしっかりと地元が意識されている姿を応援したいと思っていた。この記事から、協議会組織も置かれ取組まれていたことを知りそれだけでも収穫だ。
二楽閣のことは知らなかった。建物が残っていればと思うが、塀などを生かして展望スペースにするだけでも違うと思う。石州の赤瓦の展望台となれば大きな価値がある。
小さな町並ではあるが、この町は最初訪ねた時から今後どうなるのかなと気になる町並であった。それは地元の方の町並に対する愛情が感じられ、よい方向に変わっていく予感を抱かせてくれたからだ。
昨年訪ねた時、旧郵便局付近はまだ一部景観整備の工事中であった。この記事を読んで、次の再訪が楽しみになった。
by mago_emon2 | 2015-02-09 23:31 | 古い町並