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酒蔵のまち 保全に課題

東広島市の玄関口、JR西条駅で施設整備が進む。改札の橋上化は終了、南北自由通路やロータリーは年内完成の予定だ。
(中略)市中心部の観光客は増加傾向にある。市観光協会によると、2013年度は案内所に約2万7千人が訪れた。05年度から約1万2千人増えている。同年度に呉市の大和ミュージアムが開館し、酒蔵通りにも立ち寄るケースが多くなったという。
毎週日曜日にJRなどでつくる協議会が開く酒蔵巡りツアーも人を呼び寄せる。6日は京都市から3人が参加。散策や日本酒の試飲を楽しんだ。公務員塚本稔さん(58)は、「古い建物が残り、しっとりとした雰囲気がいい」と評価。一方「歩きにくい道路が弱点。もったいない」と指摘した。
ボランティアガイドの会の徳永京子会長は「もともと住宅と酒造の町。後から観光地になったから足らない面もある」と言う。会ができた17年前、ガイドの依頼は年3件。見学できる酒蔵もなかったという。現在は多くの蔵を見学でき、年400件近く案内する。
課題は少なくない。駅前に観光バス駐車場はなく、酒蔵通りはマンションや駐車場が増え古い町並みが減っている。徳永会長は、「観光について広く話し合う場が必要」とする。
東広島市も酒蔵を観光資源と捉え、動きを強める。本年度、酒蔵通りの側溝をふさいで歩きやすく平らに整える設計に入る。景観保全に向けた住民との協議の場も設けようとしている。
観光関係者の間には共通の危機感がある。本年度中に市と呉市を結ぶ東広島呉道路が全通予定。山陽自動車道から呉に直接行けるようになり、西条に立ち寄る観光客が減る可能性があるというのだ。
つなぎ留めるには一段の魅力アップが欠かせない。市観光協会の上向隆専務理事(58)は「観光イコールまちづくり。東広島に可能性があるからこそ、観光の優先順位を上げ、基本的な整備を急ぎ、将来像をより明確にしてほしい」と要望している。
【「中国新聞」2014.07.13】

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酒蔵通りには上の2枚目の写真のように、酒造家の母屋をはじめとした町家づくりの家など、古い町並を構成する建物もあるが絶対数は少ない。あくまで土蔵等の酒造工場の建物が町並景観の主体となっており、レンガの煙突がアクセントとなっている。
そのように古い町並としては個性的な景観であるため、大事にしていただきたいものである。
この町に関して言えば、観光を前面に出し多くのお客さんに来てもらうことが結果的に町並の保持につながると思う。酒まつりという恒例行事もあるが、利き酒のみならず伝統的な格式ある構えの酒造家のある風景があるからこそ、あれだけの多くの客が祭りに訪れるのは間違いない。
造り酒屋群の形成する町並というと他には伏見くらいしかない貴重なものである。地元の方はもちろん、それを認識されているだろうから、お客さんに来てもらいながら伝統的景観を守ることに傾注してもらいたいものだ。

by mago_emon2 | 2014-07-13 18:01 | 古い町並  

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