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東城の町並み 様式など調査

庄原市東城町の住民グループ「東城路まちなみ協議会」が、町中心部にある古い建物について、建造時期や建築様式などの詳細調査を進めている。調査結果を基にガイドブックの作製を目指し、にぎわいづくりにつなげる。地元住民にも城下町の風情が残る町並みの特徴を再認識してもらう。
町中心部にある約800メートルにわたる商店筋「街道東城路」周辺が対象区域。いずれも国登録有形文化財で、明治時代の町家だった「三楽荘」や、昭和初期の建築様式が残る「ヤマモトロックマシン建物群」が立ち並ぶエリアで、所有者から建物の歴史や概要を聞いている。
調査の指導は、建築物の歴史に詳しい奈良女子大の藤田盟児とゼミ生3人が同町を訪れ、リストアップした民家や商店など約60軒のうち、約20軒を見て回った。建物のデザインや大きさ、窓の格子の形などの特徴から、建築時期を江戸―昭和期の年代に区分した。
藤田教授は「城下町は一般的に画一的な街並みになりがちだが、東城は一棟一棟に特色があって個性的だと感じる。各戸が個性を出しても柔軟に受け入れる土壌があったのでは」と推測している。
協議会は2020年度からガイドブック作りを本格化させる予定でいる。景観部会の樫原節男部会長(63)は「時代の変遷に伴う建物の特徴を記録し、住民や観光客に街並みの魅力をPRしたい」と意気込んでいる。

【中国新聞 2020.02.11】

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東城の町並(旧三楽荘)


東城は交通の不便なところであるが、町並としてかなり良いものが残されている。藤田教授の分析の中で東城の町並の個性に着目されたところは貴重なことだ。商業もしっかりと栄えたことで今のこの町の姿がある。その重厚さ、奥行深さはもっと知られ生かされるべきものと思う。




# by mago_emon2 | 2020-02-11 21:13 | 古い町並  

「重伝建」申請20年度に(宮島の歴史的町並み)

廿日市市が世界遺産の島・宮島の中心部の歴史的な町並みを保全するため、2020年度に国へ重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定の申請をする方針であることが5日、分かった。当初は19年度中の申請を目指したが、持ち越すかたち。今後、建物を耐震補強する際に住民が利用できる補助制度の周知に力を入れ、建物所有者の同意の拡大を図る。
選定を目指すエリアは町家通り一帯から大願寺、大聖院にかけての約16.8ヘクタール。この区域内にある約560戸のうち、江戸時代から昭和初期までに建てられた「伝統的建造物」は185戸に上る。
国の重伝建に選定された場合、所有者が建物を売却せざるを得なくなった際に市が保存を目的に緊急的に買い取ることができる。また、伝統的建造物の所有者は土地の地価税や固定資産税が非課税となる優遇措置もある。併せて、これまで市の単独事業だった建物の修理・保存費用などについて国から補助される。
市は15年度、重伝建選定に向けた条例を制定し、作業を本格化。昨年1月には「19年度中に重伝建に申請」との方針も示し、同6月に保存計画を策定した。しかし、国が「選定には建物所有者の7割の同意が必要」とするのに対し、復元的な改修にコストがかかることなどから同エリアの同意率は約54%と伸び悩み、「申請は住民の機運が高まった時点」とトーンダウンした経緯がある。
市は今後、宮島の今後100年の施策の方向性を示す「宮島まちづくり基本構想」を策定し、島の自然、文化、景観の保全に取り組む。併せて島の歴史的な建造物を守り、後世に残す意義を住民に丁寧に説明し、同意率の引き上げを図る。
【中国新聞 2020.02.06】

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今年度中の申請を目指すという話題はあったが、その後しばらく続報を聞かないなと思うと事情がわかった。
住民は伝統的な町並景観を守るため、すでに十分認識はされているものと思われるが、そのような町での重伝建選定というのがどういったメリットをもたらすのか、案外負担の大きいものであるのかもしれない。
頓挫することだけはないように願いたいものだ。

# by mago_emon2 | 2020-02-08 22:02 | 重伝建保存地区  

西国街道の面影守り生かそう(三原市本町)

三原市本町の住民有志が江戸期の西国街道の面影を残す町並みを残そうと、住民による自主ルール作りを進めている。民家や商店の改築時に外観を落ち着いた色調にしたり、建物の高さを制限したりすることでレトロな雰囲気を残し、まちのにぎわい復活を目指す。
JR三原駅に隣接し、約1270人が住む本町エリア全域が対象。2018年から計6回開いたワークショップの参加者が、景観のガイドラインを作り、高齢者や観光客に配慮した路地の整備などをテーマに提案書をまとめた。
景観を守る案として、新築や増改築の際に屋根や外壁を黒、白基調とする/勾配のついた屋根にする/しっくい壁や木の格子を覆っているトタン板を外す―などの方法を例示。メイン道路の本町通りや宗光寺小路では、国の事業を活用した電線の地中化を目指す。
市の協力を得るため、本町連合町内会の帯賀信義会長(86)たちは24日、天満祥典市長に提案書を提出。天満市長は「住民の熱意に応え、市も一緒に盛り上げたい」と応じた。
本町エリアは20年前に比べ人口が2割減り、高齢化率40%以上、空き家率14%と空洞化が進んでいる。一方、太平洋戦争で空襲を免れたこともあり、県立広島大の調査によると、戦前の建物が約270軒も残る。最近では古民家の所有者が解体を思いとどまり、活用策を探る動きもある。
提案書作りに携わった住民は近く、本町まちなみづくり協議会(仮称)を結成し、景観ルールの住民全体の合意形成を図る。三原城天守台跡を望む高台からの眺めを保つため、6階以上の高層建築を建てないよう努めるルール作りも目指す。
帯賀会長は「景観ルールに沿った建物の改修が一例でも始まれば、地域の機運が高まるはず。10年後を一つの目標に、街が美しく変わったと実感できるようにしたい」と話している。
【中国新聞 2020.01.26】
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三原・本町(西町)の町並(2005年撮影)

この界隈は少しずつではあるが地元が認識され建物や町並の保存に動かれているように感じていたが、ようやく具体化してきたようだ。しかし、記事にあるような整備方法は常套的なやり方ともいえ、ややもすると人工的に整備された感じになり、何処にでもある保存されたような町並になりがちなので、その辺は慎重に計画していただきたいものである。


# by mago_emon2 | 2020-01-26 20:53 | 古い町並  

被覆支廠 広島県意見公募に2232人

広島県は17日、広島市内最大の被爆建物「旧陸軍被覆支廠(ししょう)」(南区)で実施した意見公募に、延べ2232人が応じたとの速報結果を明らかにした。県が「2棟解体、1棟の外観保存」とした安全対策の原案への賛否は、反対60%、賛成34%、その他6%だった。
県議会総務委員会で、1カ月間の意見公募の最終日だった16日の午後5時現在の集計として報告した。その後に電子メールや郵送で届いた分があるほか、内容が一言一句同じ意見では一部を除外したケースもあるとしており、最終的にはさらに増える見通しだ。
速報によると県の原案に対する賛否の延べ人数の内訳は、反対1332人、賛成767人、その他133人。反対の中には3棟の全棟保存を求める意見をはじめ、3棟全ての解体を主張する声もあったという。
応じた人の住所別は、広島市57%、広島市を除く県内24%、県外19%。広島市は反対52%、賛成41%と賛否の差が小さい。県外では反対が89%と、賛成の7%を大きく上回った。反対の割合を年代別で見ると、60代が70%で最も高く、20代が47%で最も低かった。
総務委員会で、県財産管理課の足立太輝課長は「これまでで最多の意見をいただいた。内容を精査し、できるだけ早く公表したい」と述べた。その上で、賛否の数の多さで県の結論が決まるものではないとして「多数意見も少数意見も方針決定で参考にする」と強調した。
【中国新聞 2020.01.18】
被覆支廠 広島県意見公募に2232人_d0328255_21394325.jpg

被覆支廠の話題が続くが、やはり個人的には最近の一番の関心事だ。
地元で反対・賛成の差が少ないことは、案外なことだった。しかし財政的な事情、全棟保存に要する費用とのバランスなどは地元では報道されているところであり、県の原案もやむなきことという意見も一定数あるようだ。
私もその辺の事情はわきまえているので原案通りの結論に至っても飲み込むつもりではあるが、単に予算上の理由や安全性が確保できないから解体するというのではなく、広く援助を求めてはどうか。
それを経ても目途が立たないというのであれば、まあ仕方ないところだろう。
この建物の歴史的、建築的価値は他の建物では代えられないものであり、壊されれば大変多くのものが喪失してしまう建物だ。


# by mago_emon2 | 2020-01-18 21:50 | 伝統的建造物  

県民意見の公募きょうから実施(旧陸軍被覆支廠)

広島県は16日、旧陸軍被覆支廠の安全対策の原案について県民の意見を広く募る「パブリックコメント」を実施すると発表した。募集期間は17日から来年1月16日まで。県は意見を踏まえて来年2月、最終的な方向性を定める。
県は今回、意見を募るための記入用紙を用意した。県が所有する3棟のうち1棟のみを保存し、2棟を解体するとした県の原案に対する賛否や、建物を保存した場合の活用策について、選択式と記述式の計15問を用意した。自由に意見を書ける欄も設けている。
意見を受け付ける手法は県ホームページ(HP)での回答、電子メール、郵送の3種類とした。訪問や電話では受け付けない。県は意見を内容によって整理し、県の考え方を後日、HPで発表する。
記入用紙はHPのほか、県庁と8カ所の県総務事務所で入手できる。県財産管理課☎082(513)2305=平日のみ。
【中国新聞 2019.12.17】

旧陸軍被覆支廠の続報。県民の意見とあるがHPを見ると他県民からの意見も広く受け付けている。
私も早速意見を書きこんだところだ。
関心が高まって、多くの意見が集まることを期待したい。

県民意見の公募きょうから実施(旧陸軍被覆支廠)_d0328255_22544907.jpg



# by mago_emon2 | 2019-12-17 22:55 | 伝統的建造物