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歴史的町並み活用策を議論 東城でワークショップ

庄原市は10日、東城町の市東城支所で、同町中心部の歴史的な町並みの保存・活用策や、景観のルールづくりなどを議論するワークショップを始めた。来年8月末をめどに景観と地域活性化についての計画をまとめる。
対象エリアは、国土交通省から夢街道ルネッサンスの認定を受けた「街道東城路」周辺の約18ヘクタール。エリア内の自治会、商店、建築士などの各団体、市職員たち約30人が参加した。
この日は市都市整備課の三浦義和課長が「地域資源を活用して活性化に結び付けていけるよう、皆さんと一緒に議論したい」とあいさつ。その後、4グループに分かれて約1時間かけて町並みを散策し、地域の特色や強み、問題点などを模造紙にまとめた。
メンバーからは「建物の高さがそろっているので景観が良い」「空き家が増えている。どう対処するか」などの意見が出た。
東城町川西の屋根工事業酒井康博さん(58)は「町並みと言っても地域によって特徴が異なる。どうまとめていくか、しっかり考えたい」と話していた。
市は本年度にあと3回、来年度3回のワークショップを開く。
【中国新聞 2015.11.11】

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東城の町並

東城は城下町を起源とした貴重な古い町並が今なお残っている。
この町並でいつも感じるのが、町の人の町並に対する意識の高さだ。重伝建地区は別として、一番住民が熱い思いを注ぎ込んでいる町並だろう。
実際、質量ともに古い町並として保存活用するに十分なものがある。
交通の便の悪いところにあるのが、逆に功を奏するのではないかとも思う。
多くの外来客がなだれ込むことはなく、観光地化という方向性に向うことは考えにくいからだ。
今後の動きに注視し続けていきたい町並である。

# by mago_emon2 | 2015-11-12 23:28 | 古い町並  

鞆の浦 魅力と保護探る

世界遺産候補地を審査する国際記念物遺跡会議(イコモス)のスグタボ・アローズ会長を招いたシンポジウム「歴史的港町 鞆の浦の魅力と可能性」が10月31日夜、福山市東桜町、県民文化センターふくやまであった。まちづくりの専門家たちを交え、同市鞆町の課題などについて議論した。
アローズ会長は「鞆には自然の影響を受けた文化的な景観があり、重ねられた歴史が地域社会の中で生きている」と評価。一方で「正当な保護がされていない。守るものを研究で見極める必要がある」と指摘した。
法政大学工学部の陣内秀信教授(建築史)は「地元の人が鞆の価値を理解して、楽しむ仕組みをどうつくるかが重要だ」と強調。日本総合研究所の藻谷浩介主席研究員は「橋がなく不便な島などに若い人が流れ込み、ビジネスを始めている。交通を便利にして栄えた所はない」と考え方の転換を促した。
シンポは、同市の市民有志が企画し約530人が参加した。開会前に鞆町を視察した世界各国のイコモス委員も「美しい町に賛辞を送りたい」などと感想を述べた。
【中国新聞 2015.11.02】

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こういう会が開催されるのは、鞆の魅力と歴史的価値が高いことを証明しているが、指摘の通り正当な保護がなされているとは私も到底思えない。町並にしても重要伝統的建造物群保存地区に匹敵するものがあるのに、未だに道路整備と抱き合わせなどといって選定への動きは捗っていないようだ。
「交通を便利にして栄えたところはない」というのは実際あちこちで例をみることができる。ここの架橋計画に際して、和歌山県の和歌浦の例が引き合いに出される。架橋により通過点になってしまったそうだ。
架橋計画は白紙にはなったが、以後代替案の検討は進んでいるのか、その点が気掛かりである。

# by mago_emon2 | 2015-11-03 16:46 | 鞆の架橋計画と町並保存  

神辺宿・歴史まつり(速報)

いつか訪ねないと、と思っていたこの催しにようやく訪れることができた。
その一番の目的は、「神辺本陣」が一般公開されることだ。普段も申し込めば見学できるが、これまではまたいつかと外観だけで通り過していた。本陣とは大名行列の時の主要な宿泊施設。その建物が今に至っても残っているというのは、とんでもなく貴重なことだ。

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神辺本陣とその内部

この「神辺宿・歴史まつり」の模様もあわせて、『郷愁小路』本編の「かわら版」で近日レポート予定です。

# by mago_emon2 | 2015-10-18 22:08 | 現場レポート  

可部の町めぐり2015

10月11日、恒例の「可部の町めぐり」が安佐北区可部の町並一帯で行われた。

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秋の恒例行事として定着した感があり、地元の人また市内各地の人が町のことを再発見できる有意義なイベントと思う。
既に以前取り上げ、また郷愁小路本編でも紹介しているので今回はイベントそのものについては詳しく書かないが、メイン会場の一つ旭鳳酒蔵では、地酒の試飲、そして酒蔵を使ったミニコンサートが行われた。
今回はチェロ奏者秋津智承氏によるもので、久々に聴く弦楽器の音色は陶酔するようだった。
その他当地で名産品として知られた山繭織の再現、また地区の団体によるフラダンスやカラオケなどの実演も催されていた。

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一方で、今回何度目かのこのイベントレポートになるので、負の印象ものことにも触れたい。
写真の仮囲いされた旧家は、しばらく空家だったがとうとう取壊し目前といった様子だった。ここ以外に、ここ数年で更地になった箇所も見られ、古い町並の連続性が失われつつある。
イベントの参加者もそれに気付いた人が少なくないと思う。このイベント開催によるその現象の歯止め効果など期待できないと思うが、意識付けのきっかけにはなるだろう。そういう意味でも続けてほしい。
また、伝統的な建物や会場が旭鳳酒蔵などの北部と、少し離れた南部に分離した形になっていることもあるが、歩いて移動中も通行する車が多く落着いて街歩きがしにくい。ここは思い切って開催中の通行止めまでは難しいにしても、せめて一方通行規制でもできないものだろうか。
イベントが行われる道筋は渋滞気味の国道の迂回路にもなっているが、可部バイパスの開通によりそれも緩和されてきているのではないだろうか。
末永く続けてほしいからこそ、そう思うところだ。

# by mago_emon2 | 2015-10-14 21:56 | 現場レポート  

島で商売 お試しイベント

地方で暮らしたい、島で商売したいと考える人にお試し体験をしてもらう「広島小商いメッセin海の街」が11月6~9日、呉市の大崎下島である。豊町御手洗の空き家で商品販売やワークショップができるイベント。移住促進や雇用の場づくりに向けた一歩にしたいと件が計画した。

「小商い」の拠点となるのは潮待ち館。常盤町にある木造2階建ての旧観光案内所だ。空き家になっており、住民が1階を店舗に改装している。住民組織「重伝建を考える会」の事務所も置く予定。飲食物の提供や宿泊もできる施設にしようと検討を重ねる。
現時点で県外を含めて書店や雑貨店など20以上の団体・個人が参加を決めている。御手洗で飲食店などを営む井上明さん(36)は昨年からことしにかけ、県の要請で東京に出向いた。御手洗の暮らしを伝え、メッセ参加を呼び掛けるためだ。
江戸時代には港町として栄えた御手洗には歴史ある建物が残り、1994年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれた。ただ高齢化、過疎化が進み、空き家が増えている。井上さんは「仕事を創出し、地域課題に一緒に取り組む人に来てほしい」と望む。
メッセでは、利き酒や御手洗が舞台の映画上映も企画している。県地域力創造課は「まずは御手洗に来て、地域について知ってほしい」と願っている。
【中国新聞 2015.10.09】

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御手洗の「風待ち館」

御手洗の町並では昨年秋にも、旧家の公開を核としたイベントが行われており、資源としての町並・旧家を活用しようと意識されている。今回は県主導の動きであり、期待したいところだが、果たして定住して生活を続けるほどの商業資源が御手洗にあるだろうか?
あるだろうかというより、あるように発掘し誘致しないといけない。
離島や山間部は例外なく過疎が進行し、建物や習俗など貴重な伝統も廃れてしまう、という話題もあちこちで聞かれるが、ここはその例外になってほしいものだ。

# by mago_emon2 | 2015-10-10 21:22 | 町並イベント