<   2016年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧

 

宮島 重伝建選定へ作業大詰め

世界遺産の島・宮島(廿日市市)の中心部を国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定につなげる作業が大詰めを迎えている。市は月内に保存審議会を設置するなど2016年度内の選定を目指す。ただ地区内には空き家もあり、活用や保存には住民や専門家を含めた官民一丸の連携が不可欠。選定後の円滑なまちづくりへ、市は活動を支える民間団体づくりなど、制度を運用する枠組みの構築を急ぐべきだ。
厳島神社への往来でにぎわう表参道商店街から路地を入った町家通り一帯。都市住宅学会に所属する県内外の大学教授たちや、市の法定外目的税導入を検討する委員が昨秋からことしにかけ、相次ぎ視察した。同団体の有識者は江戸から昭和初期にかけての古民家が残る町並みに感心を示し「各年代の建物がまとまって残る地区は珍しい」「保存へ何らかの財源が必要」との認識を示した。
市が厳島神社の門前町として保存を目指す範囲は、町家通り一帯から大願寺、大聖院にかけての約18ヘクタール。
(中略)地区一帯のまちづくり団体は12団体に上る。空き家再生や移住者探し、改修のアイデアを出す建築士や工務店の集まりなど、各団体が目的ごとに特化し、まちづくりの役割が細分化されているのが特徴。カフェや雑貨、飲食、小規模デイサービス施設など、再生後の活用事例も多彩で、借り主は30~40代が目立つ。
廿日市市は16日に保存審議会を開く。保存計画の策定や保存地区の決定を経て、今秋の重伝建選定を見込む。同室は「歴史を踏まえた宮島らしい民間組織を設けたい」とする。
町家通り一帯でゲストハウスやギャラリーなど5軒の再生を手掛けた建築家で造形作家の福島俊をさん(64)=広島市佐伯区=は、「過疎化が進んで人影のまばらな重伝建もある中、宮島は観光地で生活感が残っているのが特徴」という。
古民家再生には「伝統を踏まえた上で、将来の景観づくりを話し合う場が必要。行政が主導して、窓口となる組織や技術者の育成を急ぐべきだ」と指摘している。
【中国新聞 2016.02.11】

d0328255_228538.jpg

町家通り(2014.12撮影)

d0328255_229575.jpg

大聖院門前(2014.12撮影)



宮島は厳島神社を中心に、港から続く土産物街、秋には紅葉谷公園、子供連れは神社の先にある水族館といったところが観光客の軸線だが、それに並行、あるいは一歩踏み込んだ位置にあるこれらの町並エリアはかつては静かなエリアであった。最近になって、町家通りでギャラリーや喫茶などが注目され、また有識者の視察なども行われ、ようやく注目されてきたという感がある。
重伝建地区となるに十分なものを備えているのはもちろんのこと、選定によりこれまでこの地区を訪ねていなかっただろう観光客層が訪れることによって、活性化にもつながると同時に観光客自身も探訪に深みを増すことになるだろう。
ぜひとも早期に実現してほしいものだ。

[PR]

by mago_emon2 | 2016-02-14 22:18 | 古い町並 | Comments(0)  

御手洗の宝HPで発信

呉市豊町御手洗の住民グループ「重伝建を考える会」が、地元の歴史や人々の営みを伝えるホームページ(HP)を作っている。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)になっている地区の魅力を広めたいと、本年度中の完成を目指している。
生活と暮らし/行事/歴史-などの項目に分け、御手洗のイメージが湧くよう写真をメーンにして紹介する。レイアウトは市内のデザイナーに頼んだ。住民の絆の深さ、潮待ち港として栄えた歴史や伝統行事・・・。10年、20年先を見据え、残したい「地域の宝」を載せる。
写真は、昨年東京から家族で移り住んだ写真家宮川トムさん(34)の担当だ。今月上旬、考える会の女性会員でつくる「さくら部」の活動を取材した。住宅の軒先の格子窓や壁の竹筒にスイセンやトルコギキョウを生ける場面をカメラに収めた。
空き家の多い地区を明るくしようと2003年に始めた取り組みで、会員は毎日40軒余りを回る。古くなった花を自分たちが育てた花と取り替える。部長の鍵谷恒美さん(67)は「情報発信によってもてなしの文化も伝えたい」と喜ぶ。
考える会の尾藤良会長は「単なる観光情報サイトにしたくない。伝統と支える人を紹介し、移住希望者や御手洗ファンの参考になるHPにしたい」と意気込んでいる。
【中国新聞 2016.02.10】

d0328255_2344417.jpg


御手洗は瀬戸内の島にあってはその古い町並としての質量、歴史性ともにトップクラスだ。
重伝建地区となってからは伝統的建物が随分綺麗に整備されたが、それは華やかだった頃の姿を取り戻したということもできる。
その御手洗の魅力をネット発信する取組、重伝建地区を紹介する地元のサイトというのは意外と少ないもので、応援したいものだ。

[PR]

by mago_emon2 | 2016-02-10 23:47 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

鞆の浦町家修理補助事業 福山市1億6900万円計上へ

福山市が、鞆町で進める町家の修理補助事業として、2016年度一般会計当初予算案に、15年度比約3倍の1億6900万円を計上する方針を固めたことが5日、分かった。歴史的な町並み保存の取組を強めるのが狙い。
国の重要伝統的建造物保存地区(重伝建)選定を目指し、市は町中心部の8.6ヘクタールを伝建地区に指定。歴史的な家屋の修繕費の独自の補助を1998年度に始めた。しかし、国の補助が手厚い重伝建選定を待つ住民も多く、修理や修景、応急処置の実績は14年度までの17年間で66件にとどまっている。
このため、市は15年度、県交付金を活用。補助率を従来の50%(上限500万円)から、重伝建の国の補助率を上回る90%(同900万円)に引き上げ、5400万円を予算化した。すると40件の相談があった。市は予算枠を踏まえ、老朽化の度合いに応じ補助対象を11件に絞った。
市は残る29件について引続き検討し、新たな相談にも対応するため、16年度は大幅に予算を増額するとみられる。
【中国新聞 2016.02.06】

d0328255_20591532.jpg


d0328255_205924100.jpg


私が鞆の町を最初に歩いたのは20年くらい前だったと思う。その頃は現在ほど探訪客も多くなく、伝統的な建物も自然に残っていたが、空家率の増加とともに建て替ったり更地になってしまっているところも少なくない。
市のこの動きは、その危機感あってのことだろうが、自治体のできることには限界がある。
やはりできるだけ早く重伝建地区となって、安定した町並の保存を目指してほしいものだ。

[PR]

by mago_emon2 | 2016-02-07 21:03 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

吉舎の観光地歩いて再発見

三次市観光キャンペーン実行委員会のボランティアガイド養成講座の実地研修が、同市吉舎町であった。
受講者と市観光ボランティアガイドグループのメンバーたち計15人が参加。「きさ・よいとこ発見隊」の前田博明副会長(71)たちの案内で銀山街道沿いの古い町並みを歩いた。
参加者は卯建(うだつ)と呼ばれる伝統的な袖壁が残る町家や商店のエピソードを聞き、メモしながら散策。受講者の介護福祉士上野登志江さん(66)=三次市畠敷町=は「何げなく通り過ぎていたが、由緒ある町で驚いた」と話していた。
同市小田幸町の県立歴史民俗資料館も訪れ、ボランティアスタッフのガイドで常設展示を見学した。
【中国新聞 2016.02.02】

d0328255_034342.jpg

「卯建」を持つ商家の残る吉舎の町並

三次の市街地から南東に出外れた吉舎の町。旧吉舎町で古くは大森の銀山とを結ぶ銀山街道が通り、宿駅や中継地でにぎわったところだ。今訪ねても重厚な商家が古い町並を形成している。
ここ数年、吉舎は随分古い町並を意識されているようだ。記事内の上野さんの感想のように、地元の方でも古い町並があるのを知らないという例も少なくなかろう。遠方の客を呼び寄せようと分不相応な計画をするのではなく、まずは地元の人に十分認識して貰うことから始めるべきと、私はこのような記事を見るといつも思う。

[PR]

by mago_emon2 | 2016-02-03 00:38 | 古い町並 | Comments(0)