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鞆の伝統的建物保存

ベンガラ色の町家が並ぶ道を観光客が行き交う。福山市鞆町の中心部。澤村船具店を守る澤村道子さん(78)は店の前にある倉庫を見てつぶやいた。「大好きな鞆の町並みを残したい。でも正直、複雑なんですよ」
倉庫は、「17世紀後半の建築で国内最古の2階居室町家」とされる。2013年、国重要文化財の価値があると専門家に評価された。以来、観光客や研究者が次々と訪れる。
その倉庫は傾きが目立つ。構造的な不安も大きい、8年前に夫に先立たれた澤村さんにとって、修理は経済的にも精神的にも大きな負担だ。「先祖からの預かり物だから守りたいけど・・・。自分の非力さが情けない」受け継いだ「価値」は、誇りに思うものの、悩みの種でもある。
市は鞆の町並みを守るため、市が定めるエリアの伝統的建造物の修理や修景、応急処置をする場合、所有者に補助してきた。実績は16年間で63件。補助率は最も高い修理で50%(上限500万円)だった。市は15年度、補助率をかさ上げ。修理で90%(同900万円)とし、町並み保全を加速させる。
(以下略)
【「中国新聞」2015.02.21】
投稿にあたってタイトルを新聞記事の見出しと異なるものとしています。
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突き当りの建物が澤村船具店

自治体レベルで町並全体を保存しようとしても限界がある。最大50%、500万でどれだけの建物に現役だった頃の活力を注入できるだろうか?特に50%というのが問題で、高齢化も進んでいるそれら伝統的な家屋の家主の経済力を考えると、古い町並の維持は相当な高いハードルに阻まれているといわざるを得ない。
幸い市はその問題の深刻さに気付いたのか、大幅にハードルを下げるようだが、それでもまだ限界があるだろう。
やはり最大の解決策は、国選定の重要伝統的建造物群保存地区になることである。
もうはるか前に重伝建になっていても不思議ではない質量を保持しているのは専門家はもちろん、私?のお墨付きである。
補助枠が大幅に緩和される一方、町並景観に即しない外観に改築することに対しての制約が加わるので、住民にとって窮屈に感じるかもしれないのだが。。。
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by mago_emon2 | 2015-02-21 22:22 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

「二楽閣」跡地 人集う場に

江津市江津町の江津本町地区にある豪商の別邸「二楽閣」の跡地を、整備して観光スポットにしようと、県立大(浜田市)学生と地元住民が取組んでいる。地区を一望できる地域財産の復活を目指す。
二楽閣(敷地約千平方メートル、木造一部3階建て)は戦国時代に地域を治めていた都野氏の山城「亀山城」があった高台(標高30メートル)に1900年ごろ、地元の廻船問屋、飯田家が別邸として建てた。石垣の上に土塀を巡らせた赤瓦建築。宿や料亭などの迎賓館の役割も担っていた。
赤瓦が並ぶ同地区の町並みを一望できるが、50年代後半に無人になってから荒廃。建物は取り除かれ、現在は石垣と外壁の一部だけが残っている。
同地区の住民約600人でつくる「本町地区歴史的建造物を活かしたまちづくり推進協議会」の黒川聡会長(71)は「二楽閣は地域の大切な財産。きれいにしたかったけれど、これまでは人手が足らなかった」と話す。
整備は2014年8月、まちづくりを学ぶ同大の学生有志6人が県の助成金30万円を受けて同地区で合宿を開き、二楽閣を訪ねたのがきっかけ。3年倉田敏宏さん(21)は「赤瓦の載った立派な外壁が美しく、荒れたままにするのはもったいないと思った」と振り返る。
学生が同会に協力を呼び掛け、昨年12月に初めて草刈りを実施。1月にも約20人で約3時間、外壁や石段を掃除した。今月26日に3回目の清掃をした後、活用策を話し合うという。
「将来はイベントスペースや展望台にしたい」と倉田さん。黒川さんも「若者の力と力を合わせ、多くの人が集う地域の財産に生まれ変わらせたい」と意気込んでいる。
【「中国新聞」2015.02.08】

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江津本町の町並(2014.05撮影)

江津は港町として古い歴史を持っており、古くからの町の江津本町地区には古い町並が残り、また明治時代以来の銀行の建物を核に景観整備も行われている。地味ながらもしっかりと地元が意識されている姿を応援したいと思っていた。この記事から、協議会組織も置かれ取組まれていたことを知りそれだけでも収穫だ。
二楽閣のことは知らなかった。建物が残っていればと思うが、塀などを生かして展望スペースにするだけでも違うと思う。石州の赤瓦の展望台となれば大きな価値がある。

小さな町並ではあるが、この町は最初訪ねた時から今後どうなるのかなと気になる町並であった。それは地元の方の町並に対する愛情が感じられ、よい方向に変わっていく予感を抱かせてくれたからだ。
昨年訪ねた時、旧郵便局付近はまだ一部景観整備の工事中であった。この記事を読んで、次の再訪が楽しみになった。
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by mago_emon2 | 2015-02-09 23:31 | 古い町並 | Comments(0)  

ひな人形と重文の共演

江戸期に建てられた保命酒蔵など9棟からなる福山市鞆町の太田家住宅。国重要文化財の建物の大広間や土間、酒造、庭などに数百体のひな人形が飾られている。「鞆・町並ひな祭」(2月21日~3月22日)に先駆け、1日から公開される。
人形は廿日市市の井上恵子さん(64)のコレクション。高さ約1mの日本最大級の享保雛、武者の顔をした五人ばやしなど30年以上かけて集めた珍しい品がそろう。
井上さんは2003年以降、太田家住宅で毎年趣向を変えて飾っている。近くの鞆の浦歴史民族資料館でコレクションを展示した際に、鞆の町を気に入ったのがきっかけだ。井上さんは「貴重な屋敷を生かした企画。建物と人形の両方を味わってほしい」と話している。
【「中国新聞」2015.02.01】

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太田家住宅(左)

近年、古い町並の早春の企画として、旧家で昔飾られ、そして保管されている雛人形を訪問客のために展示するという取組が各所で行われている。それがあたかもブームのようになっている点に私は少し抵抗感を抱いていた。
とはいえ、旧家ゆえに大切に保管されたがため文化遺産ともいえる貴重な人形も珍しくない。中には江戸期にまで遡るものもあって驚かせる。
雛人形を目的に訪ねられた人たちに古い町並のことにも少しは関心を傾けてもらえる接点になればと、そのように願う。

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雛人形の展示イメージ
(注)撮影地:竹原市

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by mago_emon2 | 2015-02-01 19:41 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(2)