<   2014年 10月 ( 6 )   > この月の画像一覧

 

イコモス会長 鞆訪れ「残念」

国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)のグルスタボ・アローズ会長が26日、福山市鞆町を5年ぶりに訪れた。
地元住民の案内で鞆の浦の町並みを散策した。17世紀後半の建築とされる町家や、江戸時代から残る波止などを巡り、写真に収めた。家屋が老朽化し、空き家が目立つ状況に「5年前から改善しておらず残念」と述べた。
散策後に取材に応じ、奈良市であった専門家会合後、「私的に立ち寄った」とした。「自治体や国の支えなくしてまちづくりは進まない。公的組織は現状を直視し、住民と一体となり、鞆の価値を高めてほしい」と求めた。
【中国新聞 2014.10.27】

d0328255_030374.jpg



わざわざ足を伸ばしてまで鞆を視察するということはそれだけ気にかけているということだろう。
改善していないという氏の言葉には重みがある。と同時に私も何度となくこの町を訪ねて、実感するところである。
実態を見ると、古い町並・町家の保存はもちろんのこと、はるか以前から問題となっている町内の交通問題をはじめ、何一つ変わっていない。交通は変わらないというだけで済むが、伝統的な建物は老朽化していくものである。
保存地区として申請しようとする街区に道路改修計画があることが問題とされ、申請しあぐねているといったことを聞いたことがあるが、そうして手を拱いている間に、また1軒伝統的な建物が失われることになろう。
[PR]

by mago_emon2 | 2014-10-28 00:30 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

アンガールズが府中の魅力PR

府中市は、定住促進のプロモーションビデオを作る。お笑いコンビ「アンガールズ」の田中卓志さん(38)と山根良顕さん(38)が出演する。24日に撮影があった。
明治時代の元老舗旅館恋しき、河佐峡、桜ヶ丘団地など、市内の名所や住宅地を2人が訪ねる設定。恋しきの前で「昔からのものがきれいに残っている」などと感心したり、古い街並みが残る上下町の商店街で、同町出身の田中さんが「ここを通って小学校と中学校に通った」と振り返るシーンなどを撮った。
市は11月中の完成を目指す。都市部で開かれる定住希望者向けのフェアなどで活用し、市ホームページでも公開する。市企画財政課は「全国的に市の知名度はまだ高くない。有名人を起用したビデオで注目を集め、人を呼び込みたい」としている。
【中国新聞 2014.10.25】

d0328255_1792913.jpg

d0328255_1793715.jpg

元旅館「恋しき」

私も少し前に府中を再訪していたので、興味深い記事であった。府中市は山陽筋に近く、町の魅力アップそして定住者の増加は十分見込める地区であろう。
地元出身のアンガールズの二人はその風貌はいただけないが、知名度的には十分なものがあり、高いPR効果も期待される。
その内容が流行の商業施設などの情報ではなく、昔ながらの町の個性を前面に出したものとして計画されていることに好感がもてる。
府中の市街に残る古い町並も、近年徐々に地元が意識されているようで、今後に期待したいところだ。
[PR]

by mago_emon2 | 2014-10-26 17:17 | その他 | Comments(0)  

東城散歩ギャラリー10年目

庄原市東城町中心部の歴史ある町並みを生かした「東城まちなみぶらり散歩ギャラリー」が25日に始まる。町内の民家や商店が昔から伝わる秘蔵の品々を披露し、観光客をもてなす取り組み。2005年の1市6町の合併を機に始まったイベントは今年で10年目となる。11月3日まで。

舞台は国道交通省から夢街道ルネサンスの認定を受けた約600mの「街道東城路」周辺。町内約70軒の民家や商店が、軒先や玄関に家財道具やびょうぶ、甲冑などを並べる。
国登録文化財の三楽荘では、リメークした着物や、地元団体による生け花など情趣に富んだ作品を展示する。
(後略)
【中国新聞 2014.10.24】

d0328255_0183691.jpg
d0328255_0184759.jpg

旧旅館三楽荘(昨年のイベント時の様子)


昨年初めて訪ねたこの東城でのイベント、今年で10回目となるそうだ。
この町はそれまでも何度か歩いていたが、普段個人では見ることの出来ない三楽荘の内部をはじめ、造り酒屋などを訪ね歩いているうちに、過疎化で人通りの少なくなってしまった山間部の町の本来の姿を見るような気がして新鮮だった。
毎年少しずつ趣向を変えて催されている様子、末永く続くことを祈りたい。
[PR]

by mago_emon2 | 2014-10-25 00:27 | 町並イベント | Comments(0)  

稲荷山が重伝建に 国宝に旧富岡製糸場

文化審議会(宮田亮平会長)は17日、世界文化遺産の旧富岡製糸場(群馬県富岡市)を国宝に、昭和前期に建てられた名古屋市庁舎や愛知県庁舎(いずれも名古屋市)など9件を需要文化財に指定するよう下村博文文部科学相に答申した。
長野県千曲市の商家町を重要伝統的建造物群保存地区に選定することも求めた。

近く答申通り告示され、建造物分野の重要文化財は計2428件(うち国宝221件)、保存地区は109地区となる。
旧富岡製糸場は明治政府が1872年に建設した製糸工場で、今年6月に近代養蚕農家の原形「田島弥平旧宅」などとともに「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界文化遺産に登録された。答申は「世界の絹文化の発展に大きく貢献した施設で、文化史的に深い意義がある」と評価し、木骨れんが造りの繰糸所など3棟を対象とした。
隣接して立つ名古屋市庁舎(1933年完成)と愛知県庁舎(38年完成)は、タイルを張り巡らせた洋風建築に瓦屋根を載せた造りが共通の特徴で、意匠的に優れていると判断した。
インドの古代仏教建築に似た外観を持つ築地本願寺本堂(東京都中央区)、現存する道路可動橋で最古の長浜大橋(愛媛県大洲市)も重文に指定される。
千曲市の稲荷山地区は、江戸時代に宿場町、その後は商家町として栄えた一帯で、街道沿いに古い家屋や土蔵などが保存の良い状態で並んでいる。(後略)
【「中国新聞」2014.10.18】

※記事タイトルは掲載に際し変更しています

d0328255_9564823.jpg

稲荷山の町並

d0328255_9592910.jpg

築地本願寺本堂

d0328255_1001471.jpg

長浜大橋

重伝建地区は毎年1~3箇所は追加されている。近年はおやっというような場所が選定される事もあるが、この稲荷山は順当なところといえよう。土蔵そして町家は重厚で、その密度も濃く私の町並度も7と高評価を下していた。裏手の土蔵群も見ごたえがある。
築地本願寺本堂、長浜大橋と訪ねたことのあるところが新たに重要文化財となったことも嬉しい。
富岡製糸工場は、以前群馬県を訪ねたとき見学しようかどうか迷ったことがあり、結局古い町並の探訪を優先してパスしてしまったことが悔やまれる。今では落着いて見学することなど不可能だろう。

その他の重要文化財の答申内容(文化庁報道発表、PDF形式)
http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/2014101702.pdf

[PR]

by mago_emon2 | 2014-10-19 10:08 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

みたらい万華鏡 -重伝建20年-

9月8日投稿の記事の御手洗のイベントに行ってきたので、そのレポートを。

d0328255_23502652.jpg


全体的な印象としては自治体主催による本格的なものではなく、地元の有志によるイベントであるらしくささやかであり、またほほえましくなるようで、御手洗らしいイベントだと思った。
遊女屋の遺構である若胡子屋、附近はサイクリングスタイルの人、カメラを持った人、そして地元の人で賑やかだ。若胡子屋の館内では、なつかしの写真展として明治頃の最盛期頃からの貴重な写真が展示されていて思わず見入る。

d0328255_2351389.jpg


d0328255_23511048.jpg


私が一番期待していたのがこの町を代表する町家「鞆田家住宅」の特別公開だ。町家の連続する一角や若胡子屋からは少し外れた位置にあり、通りを挟んで洋風の別棟を持つ。
外部から見えるのはこの母屋・別棟だけだが、実は奥行がとても深く離れや茶室、土蔵などを従え、さらには通りを隔てた洋風の外観のもと芝居小屋「乙女座」は、当家が私財を擲って建てたとのことである。幕末から明治にかけて廻船業を営み、金融業にも手を広げて大きく発展した旧家であった。
当住宅は現在でもお住まいのため、残念ながら内部を撮影することはできなかった。しかし細部にも凝った豪勢な造りには驚くばかりだ、公開見学は地元の方の詳しい解説により行われ、参加者一同どよめきが起る場面も多かった。密談時を想定した隠し階段、一方で中庭を望む優雅な茶室など、島の邸宅とは思えない(こう思うのは偏見ですね)豪勢なものだった。
案内された地元の方でさえ内部を詳細に見たことはないとのこと。お住まいのお宅だから当然だろうし、だからこそ我々が訪ねられるというのはとても貴重なことだ。案内を受けているうちに、撮影ができないことなどどうでも良くなってきた。

d0328255_23524241.jpg


d0328255_23524891.jpg


実は町家公開をはじめとした催しは翌日も開催される予定だったが、台風の接近により中止となった。当日も当初は影響のある予報となっていたためか、今ひとつ人出が少ないようにも見受けられた。
ただ、このイベントは収益等は度外視したものであろうし、今回の重伝建20年イベントとしてに限らず毎年でも開催してほしいと強く思う。
観光客を呼び寄せるように傾倒したイベントでない限り、こうした催し、取組は大歓迎である。


※この記事は、郷愁小路「かわら版」Vol.12のレポートとほぼ同一内容です。
[PR]

by mago_emon2 | 2014-10-15 23:55 | 現場レポート | Comments(3)  

町商工会、活性化探る -上下-

府中市上下町の上下町商工会は、町中心部の商店街の活性化策を探る「白壁のまちなみを活用したまちづくり委員会」を発足させた。福山大、福山市立大の学識者を含む委員15人で構成。学生の協力も得て、空き店舗の活用や景観保存などの計画を来年3月までにまとめる。市とも連携し、来年度以降の具体化を目指す。
上下町は江戸時代、幕府の直轄地として金融業で栄えた。商店街には古い建物も残り、観光客も訪れる。しかし、商工会によると、過疎化に伴い、民家などを除く商店街の111軒のうち、空き店舗は8月時点で約3割の34軒に上った。5年後には4割に増える恐れもあるという。
委員会は、福山大経済学部の小林正和准教授、福山市立大都市経営学部の岡辺重雄准教授、商店街の事業者たちがメンバー。9月下旬の初会合では、「観光客が来る日曜日に閉めている店が多い。意識改革が必要」「高齢化でイベントの維持も難しくなった」などと課題を出し合った。今後、福山大経済学部の学生7人も加わり、商店街で実地調査をする。
商工会の伊藤敏雄副会長(61)は、「若者や町外からの視点も交え、商店街に新しい力を入れるための豊作を探りたい」と話している。
【中国新聞 2014.10.03】


d0328255_21223668.jpg

d0328255_21233544.jpg

上下の町並 ほぼ同じ場所で上:2002年、下:2009年撮影

上下の町の由来はこの記事の通りであり改めて説明するまでもないが、この町はここ10年ほどでかなり景観的に変化している。失礼ながら今では山間の一田舎町にすぎない町である。
この上下では古い町並景観の整備目的で、電線埋設、旧家の改修などかなり大掛かりに修景が行われた。私は当初正直舌打ちしたい気分だったが、もしこのように取組まなければ、地元の人にも意識着目されることもなく、伝統的な建物も徐々に取壊され風情が失なわれていくことになっただろう。特にこのような山間部の過疎地帯にあることもあって、こうするしかなかったのかもしれない。
いや実際、町並を意識し外来客をある程度取り入れることに成功した今でも、空き店舗の増加が止らないというのが中国地方の山間部の実情だ。使われていない建物ばかりでは、活きた町並ではなく博物館に近いものになってしまう。
このような地域では、特にそのバランスを取るのが難しい。大学と組んでの取組、かなりの難題と思われるが今後どのようになっていくか注視したい。
[PR]

by mago_emon2 | 2014-10-04 21:25 | 古い町並 | Comments(0)