カテゴリ:鞆の架橋計画と町並保存( 29 )

 

イコモス会長 鞆訪れ「残念」

国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)のグルスタボ・アローズ会長が26日、福山市鞆町を5年ぶりに訪れた。
地元住民の案内で鞆の浦の町並みを散策した。17世紀後半の建築とされる町家や、江戸時代から残る波止などを巡り、写真に収めた。家屋が老朽化し、空き家が目立つ状況に「5年前から改善しておらず残念」と述べた。
散策後に取材に応じ、奈良市であった専門家会合後、「私的に立ち寄った」とした。「自治体や国の支えなくしてまちづくりは進まない。公的組織は現状を直視し、住民と一体となり、鞆の価値を高めてほしい」と求めた。
【中国新聞 2014.10.27】

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わざわざ足を伸ばしてまで鞆を視察するということはそれだけ気にかけているということだろう。
改善していないという氏の言葉には重みがある。と同時に私も何度となくこの町を訪ねて、実感するところである。
実態を見ると、古い町並・町家の保存はもちろんのこと、はるか以前から問題となっている町内の交通問題をはじめ、何一つ変わっていない。交通は変わらないというだけで済むが、伝統的な建物は老朽化していくものである。
保存地区として申請しようとする街区に道路改修計画があることが問題とされ、申請しあぐねているといったことを聞いたことがあるが、そうして手を拱いている間に、また1軒伝統的な建物が失われることになろう。
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by mago_emon2 | 2014-10-28 00:30 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

英語で鞆ガイド 初挑戦

福山市鞆町の鞆中3年生16人が21日、鞆の浦を訪ねた観光客に、地元の歴史や魅力を伝えるガイドをした。英語での案内にも初めて挑戦した。
6班に分かれた生徒は常夜灯や対潮楼など5カ所で待機。観光客に声を掛け、鞆にまつわる伝説の紙芝居を披露したり、保命酒の種類を説明したりした。外国人には地図や写真を交え、英語で鞆の浦の魅力をアピールした。
フランスから観光で訪れた建築家ミッシェル・ルッソメールさん(53)は、「小さな漁村に古来の建物が並ぶ風景が美しい。年の離れた中学生に案内されるのも新鮮」と一緒に写真に納まっていた。
同中は4年前から1,2年で鞆の歴史や文化を調べ、3年でガイドに立つ学習を続ける。本年度から英語の案内も練習し、説明文も自分たちで練った。弁天島の花火大会をPRした柏原玲那さん(14)は、「片言でも分かる範囲で鞆の魅力を伝えられた」と満足そうだった。
【「中国新聞」2014.08.22】

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「対潮楼」からの眺め

鞆中生徒による外来者に対しての取組は以前より行われているようで、私もここで取り上げたことがある。
地元の中学生がわが町の歴史を調べ、訪れた人に案内することで、若年層に鞆の町について関心を持ってもらうことにつながる。さらにそれが鞆の町並、文化の保存に発展していってくれたらと願う。

鞆の記事は架橋問題絡みの政治的なドロドロしたものも多いが、時折このような記事を見ると微笑ましくなるものだ。そのためにも、重伝建地区選定を踏まえた早期の決着が待たれる。
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by mago_emon2 | 2014-08-22 23:02 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆の町家保存で連携

広島県が福山市鞆町の鞆港埋立て・架橋計画を撤回して2年の節目が近づく中、県と市は20日、歴史的な街並み保存に向け、力を合わせることをあらためて確認した。具体的には、市が16年前に設けた、町家の保存修理に対する補助制度の拡充。補助率引き上げへ、一般からの寄付を募って県が設ける「まちづくり基金」を充てることを決めた。
県庁での協議には、双方の幹部職員計20人が出席した。非公開で約1時間話し合い、終了後に高垣広徳副知事と佐藤彰三副市長が取材に答えた。
国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定に向け、市は古い家屋の維持修繕費の補助を1998年から続けている。補助率50%で、上限は500万円。県、市とも「建物の所有者負担を軽くする必要がある」とし、財源を新たに確保するため、基金の活用を申し合わせた。
補助率をどこまで引き上げるかは、継続協議とした。住民からは、「80%とされる重伝建に近い補助額にしてはどうか。架橋で市と共同歩調を図ってきた県の一つの責任の取り方だ」との声がある。また、県が本年度予算化した交通渋滞と高潮対策の現地調査の予定も報告されたという。
高垣副知事は、「市は具体的な取り組みを求めてきた。その期待にある程度応えることができたのではないか」と述べた。一方で、佐藤副市長は、「まだ議論の入口に入ったばかり」とした。
【「中国新聞」2014.06.21】

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町中心部に残る大柄な商家の建物

鞆には、観光客の多く訪れる港周辺だけでなく、少し山側に入った町の中心部にも多くの伝統的な建物が残っている。以前から書いてきているが、架橋問題で右往左往しているうちにどんどん老朽化し、または無住となり傷んでしまって建て替えまたは取り壊しという例も少なからずあるようだ。
架橋問題の撤回により重伝建への申請受理には問題ないと思うのだが、やはり離合困難な道路が保存地区の中心を貫き、その代替案を検討中ということでそれが障害になっているのだろうか。
そのような中で、県と市が独自の補助制度に取組み、町家、町並の保存に対して機能するのであれば、特に重伝建にこだわることもないだろう。
ただ、町並の質量からいうと重伝建級であることは間違いなく、選定が先送りになり続けていることにはもどかしさを感じる。早い選定を願いたいものだ。
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by mago_emon2 | 2014-06-22 14:52 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆関連4億7900万円 (関連)2014.01.25「鞆まちづくり調査に予算」

福山市は18日発表した2014年度当初予算案に、広島県が12年6月に鞆港埋立て・架橋計画を撤回した鞆町のまちづくり関連費を4億7900万円計上した。市鞆支所の現地建て替えに向けた解体など5事業。住民の生活利便性の向上を図る。
(中略)観光振興の一環で、仙酔島と結ばれる市営渡船場の雁木を改修する。演歌「鞆の浦慕情」を歌うAKB48岩佐美咲さんを押し出した観光PRにも取り組む。
鞆のまちづくりをめぐっては、件も交通処理、防災対策、まちづくり基金の在り方を検討する調査費を予算案に計上した。羽田市長は18日の記者会見で、「県の調査やそれを踏まえた事業に住民意見が反映されるように市も具体的な役割を果たしたい」と述べた。
一方で、湯崎英彦知事が町民全体を対象に架橋撤回後のまちづくりの説明会を開く意向を示していることについて羽田市長は「知事と架橋賛成派団体との3度の懇談は折り合う気配がまったくなく、説明会を開ける環境にない。知事自らの言葉で鞆への熱い思いを語り、機運を醸成することが前提」と話した。
(「中国新聞」2014.02.19)

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「まちづくり」と「架橋撤回」がなぜセットなのか、私は鞆の問題を思うときとにかくこの1点が未だにどうしても理解できない。
保存地区への選定にあたって、架橋など景観を損ねる計画があることがネックになるということを聞いたことがある。しかし県・自治体レベルでの取組は可能なはずである。この4億数千万の予算、記事を読む限りでは町並そのものの保存にはほとんど差し向けられていないように思われる。
岩佐美咲さん、私はよく知らないが、メディアで最近この曲のことが時折紹介されているのを見る。そのことで鞆の知名度が全国的に高まっているだろうことは想像がつく。
上げ潮の時期なのに、実態としてこのようなゴタゴタが未だに内在しているのは嘆かわしいというほかない。
このコーナーであまりこんなことは言いたくないのだが、とにかく行政の先送り体質によって文化が振り回されたり色あせてはならない。
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by mago_emon2 | 2014-02-20 01:46 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆まちづくり調査に予算

広島県が鞆港埋め立て・架橋計画を撤回した福山市鞆町のまちづくりについて、2014年度当初予算案に交通、防災対策などに関する調査費を計上する方針を固めたことが24日、分かった。渋滞対策として電線の地中化などを検討する。県が架橋の代替案とする山側トンネルについては架橋推進派の住民との溝が埋まっておらず、関連予算の計上を見送る。

調査費は主に「交通」「防災」「基金」の3分野。交通分野では、道路が狭く、車がスムーズに通行できない町中心部の交通環境を改善するため、電線の地中化や駐車場の整備などを検討する。
山側トンネルに架橋推進派の住民の理解が得られない中、地元で合意が得られる事業を先行させる狙いがあり、調査に着手する。
防災分野では、高潮時に浸水被害が出ていることを踏まえ、現在の護岸施設の問題点などを調べる。県が12年6月に架橋計画を撤回した際、同時に示したまちづくり計画に盛り込んでいた「まちづくり基金」の創設も検討。江戸時代の面影をとどめる鞆町の景観を守る資金を全国から募り、活用する仕組みを探る。予算額は調整中という。(後略)

【「中国新聞」 2014.01.25】


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この写真は町の幹線道路で離合が困難な箇所も多い。ここに地元住民や観光客の車も入り混じって混雑が常態化している。
少しでも緩和させるため、電線を埋設するという。それは町並景観の向上にもつながるため賛成するところであるが、渋滞に対しては、微々たる改善にしかならない。
私は鞆の古い町並や港の景観のことが気になっているから関心があるのであって、もちろんこの案件については外野である。早くトンネルを掘削して町並保存も渋滞解消もかなえばよいと思うのだが、そこには地元にしかわからない様々なしがらみや感情が渦巻いていて、私などが口を挟む余地はない。

だから余計でも、この問題が平行線を辿り続けるのはもどかしく苛立たしいものだ。

町並を守るための資金を募るといっても、どんな方法で?また活用とは具体的にどうするのか。まだあまりに曖昧すぎるので、私は今の段階では期待しないことにする。
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by mago_emon2 | 2014-01-25 23:51 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆の魅力PR 中学生が奮闘

福山市の鞆中の生徒が、観光振興に向けた活動を広げている。宿泊客の記念品にしてもらおうと、鞆の観光名所や祭りを描いた絵はがきを鞆町内のホテルに寄贈。2年生10~12日に修学旅行で訪れる鹿児島県内で上映する町並みのPR画像の制作も進めている。
はがきは全校生徒59人が描き、うち常夜灯やお手火神事などを題材にした8作品を計150枚印刷。生徒が11月末、同町の鞆シーサイドホテルで阿部平和(よしかず)支配人(38)に手渡した。阿部支配人は「クリスマスの宿泊客にプレゼントしたい」と喜んだ。
PR画像は特産保命酒の店や、商家を再生させた高齢者福祉施設などをバックに、2年生17人が地元住民とAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を踊る姿を収録した。修学旅行先の鹿児島市内の水族館などで上映し、江戸期の風情を残す町並みの魅力を伝える。
2年瀬良大喜君(14)は、「絵はがきをもらった人や映像を見た人が家族や友人に鞆の魅力を伝え、鞆を訪れる人の輪が広がってほしい」と期待している。

(「中国新聞」2013.12.06)
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鞆の住民の方はこうして町並や町の歴史を意識され活動されている。
それに遅れをとっているのが行政。架橋問題で町並や旧家の保存が置き去り状態となっていることは由々しきことである。
この映像にAKBは??と思うが、まあ中学生らしい微笑ましい記事。
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by mago_emon2 | 2013-12-06 23:07 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆のまちづくり停滞

 江戸期の風情を残す福山市鞆町で、まちづくりの動きが停滞している。広島県が昨年6月、鞆港埋め立て
・架橋計画を撤回後、計画推進を求めてきた住民との溝を埋められていないためだ。狭い県道の混雑や駐車場不足の対策は、住民との合意がいまだ見通せていない。
(中略)昨年6月、計画撤回の理由について県は「港の景観を変える架橋は観光面で中長期的にマイナス」などと説明。山側トンネルを核とするまちづくり案を示した。これに架橋を求めてきた住民は反発。県は推進派団体の住民と10月までに3回懇談したが、議論は平行線が続く。
(中略)観光客増加に見合った整備が進まない町内では、行楽日に混雑が目立つ。休日だった4日も幅員が平均4mの町中心部の県道で観光客の車がうまく離合ができないケースが頻発。10台以上の車列が向き合ったまま進まず、歩行者や自転車も通行に困った。計約200台分の駐車場は連休時にしばしば空きを待つ列ができる。
 さらに400棟以上が残る江戸期から戦前までの建物も老朽化が進む。住民数は50年前の約1万3千人から約4500人まで減り、修理がなされない空家も増加。今年春にも戦前の町家が1軒取り壊された。
(「中国新聞」2013.11.09)

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私が最近鞆を訪ねたのは9月だが、その時も連休中とあって旧市街中心部を車で抜けようとして、離合の困難さから車が数珠つなぎとなり5分ほど停滞したままであった。伝統的な町家や店舗もあり、散策路でもあるのにこの状況では、住民や観光者の不便はもちろん、イメージの低下にもつながる。
一方で町家はどんどん消えていく。映画などで話題になりそれを種に訪ねる人も多いが、その根底にはやはり古い町並と古い港湾施設の遺構がある。架橋埋め立て、いやトンネルと平行線で延々と議論しているのではなく、まずはそれらの保存を架橋問題と切り離してすすめるべきである。
私自身も何年も前から何度も言っているが、どうしてそれに取組まないのか不思議でならない。
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by mago_emon2 | 2013-11-09 23:52 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆中生 観光客を招く

福山市の鞆中3年生14人が22日、観光客として訪れた鹿児島県出水市の農家4戸の家族と、同市職員計11人に鞆町内を案内した。昨年11月に修学旅行で訪れた際、民泊の受け入れ先だったのが縁。生徒が持参した手作り資料で鞆の観光スポットをPRし、今回の訪問につながった。
生徒は鞆公民館で11人に歓迎のあいさつをし、4班に分かれてガイド。鞆港の高さ約11メートルの常夜灯前では、「港に残る常夜灯で日本一の大きさです」とアピールした。福禅寺対潮楼も訪れ、江戸期に朝鮮通信使が島々を望む景色をたたえた史実を紹介した。
出水市の畜産業前田淳子さん(53)は「生徒から聞くまで鞆という町があることを知らなかった。港の歴史や心地よい潮風にとてもひかれた」と喜んだ。
(「中国新聞 8月23日)

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(対潮楼からの海景)

この対潮楼の写真を撮影した時、受付の方と少しお話しする機会があった。当時(2007年)は埋立て・架橋計画の賛成・反対派とのせめぎあいが延々と続き、幸いにもこの方は反対派であったので、地元の人にしかわからない様々な問題も聞かせてもらった。

直接海岸が遠ざかると海風が入らなくなり夏がしのぎ難くなること、橋が架っても通過点になるだけで観光客・探訪客の増加につながるとは思えないこと。

鞆のことを少しでも他地域の方に認知していただきたものだ。架橋問題について直接関心をもっていただくことまでは必要なく、鞆という美しい港町が残っていることを認識されるだけで十分である。この中学生による話題は地味ながらも、それに貢献するものだ。このような取組はぜひとも続けてほしいものだ。
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by mago_emon2 | 2013-08-24 23:14 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆まちづくり 議論停滞

広島県の湯崎英彦知事が、福山市鞆町の鞆港埋立て・架橋計画の撤回を表明し、25日で1年。県はこの間、反発する架橋推進派との溝を埋められずにきた。宙に浮いたまちづくりに、反対派住民からも不満の声が上がる。5月、知事と羽田市長はほぼ1年ぶりに会談。ようやく緒に就いた行政の模索を、住民は注視している。
(「中国新聞」6/25朝刊 見出し記事より)

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鞆の町の中心部8.6ヘクタールは、重要伝統的建造物保存地区の選定に向けての伝建区域に決定され、市はそれを目指してきた。しかし、それは鞆港の埋立て・架橋が前提となっていた。その計画が崩れた今、港の景観は保持される一方、江戸期から明治にかけての建物も多く残る古い町の残影は年々淡くなっている。町内にも町並保存はまった無しとの危機感は強いというが、事実ここ10年ほどで18棟もの伝統的建造物が取り壊されたのだという。
確かに町の中心を走る道路は狭く、離合不可能な箇所も多い。散策者も危険な思いをすることがある。しかしそれがなぜ町並保存の障壁となるのか。代替案の山側を迂回するトンネル案の推進を願いたいものだ。


※鞆の話題は私の最も関心のある事柄でもあり、今後も時々取上げていく予定です。
<関連サイト>
http://www.kyoshu-komichi.com/tomo.html
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by mago_emon2 | 2013-07-04 23:43 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(2)