カテゴリ:鞆の架橋計画と町並保存( 27 )

 

重伝建選定 今秋目指す

福山市の枝広直幹市長は12日、鞆町の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定に向け、必要とされる地区の保存計画を7月末に策定後、すぐに国に選定を申請する方針を明らかにした。今秋の国の文化審議会での重伝建決定を目指す。
枝広市長は記者会見で、「保存計画の告示を受けて間髪入れずに選定を申し出る。遅れると大切な議会を逃す可能性がある」と述べた。伝統的建造物群保存地区(伝建地区)の保存計画は、伝建地区保存審議会が10日、市教委に答申した。7月末の市教育委員会議で議決、告示される見通しとなっている。
重伝建選定について「鞆地区の価値を大きく上げる」と強調。一方、地元住民に生活制約の不安があることについては、説明を重ねて住民の不安を取り除く考えを示した。
文化審議会は例年、重伝建選定に関する文部科学大臣への答申を10月と5月の2回している。市教委は文化庁などと協議し、10月の答申に間に合うように申し出る方向。文化庁は「選定の申し出があれば、客観的に、公平に手続きが進む」としている。
【中国新聞 2017.07.13】

昨日の市教委への答申の記事の続報。
毎年いつの間にか重伝建選定を受けるところが増えているように思うが、そのプロセスは簡単なものではないことを感じる。
鞆の場合、長年障害になってきた道路改修計画とともに、住民感情という点も小さくないようだ。


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by mago_emon2 | 2017-07-13 22:53 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆の伝建保存計画を答申

福山市鞆町の伝統的建造物保存地区(伝建地区)の保存審議会が10日、地区内の建築物や門、塀など約280棟を守る保存計画を市教委に答申した。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の選定に必要な保存地区と保存計画の二つが定まった。市教委は文化庁などと協議し、早期の重伝建選定の申し出を目指す。

伝建地区は町中心部の8.6ヘクタール。舟運による商業地として栄えた港町の特徴を残す。計画では、江戸期から昭和30年代までの町家や土蔵など281棟、船をつなぐ石や石灯籠など85件を伝統的建造物に特定した。
伝統的な建造物の場合は原則、建造物の歴史を踏まえて修理や復元。それ以外の新築や改築も、木造で瓦を使うなど景観向上に努める。修理や修景は助成対象となる。町並保存センターを整備し、情報発信や修理・管理の相談窓口を担う。地区住民による保存会も設立する方針。
鞆港埋立て・架橋計画の撤回で課題とされる道路整備については、「歴史的な形状や幅員の維持に努め、交通の円滑化と安全性の確保を図る」とした。車両の進入を一部制限することなどを検討する。
審議会は2002年に一度、保存計画を答申したが県道拡張の都市計画を廃止できず、告示できなかった。市教委は近く、答申を伝建地区内の住民に説明し、7月下旬の教育委員会議に諮問する方針。可決後に保存計画は告示される。
審議会の鎌田輝男会長は「重伝建選定の申請につなげ、住民の協力を得ながら町並みを保存していきたい」と話した。市教委文化財課は「なるべく早く選定の申し出ができるようにしたい」としている。
重伝建は現在、全国で114カ所。中国地方には竹原市竹原地区、大田市大森銀山など15カ所があり、廿日市市宮島も選定を目指している。
【中国新聞 2017.07.11】

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3月末に示された重要伝統的建造物群保存地区への動きは、『5月中に答申を受け、6月に告示』という計画であり、それより若干の遅れが生じているものの、概ね順調といえるのではないか。
それにしても住民の総意を同じベクトルに向けようとするのはいかに難しいことか。新聞記事をはじめとしたこの鞆の問題をずっと見てきて感じることだ。


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by mago_emon2 | 2017-07-11 22:14 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

生活道整備か景観保存か 架橋撤回 知事、鞆で説明

鞆港埋め立て・架橋計画の撤回について、鞆小で開かれた2日の湯崎英彦知事による地元説明会。住民からは架橋計画の賛否そのままに、湯崎知事への批判と評価の声が飛び交った。生活道路の整備か、景観や町並みの保護か―。相いれない形で、それぞれの思いが色濃くにじんだ。

「命の道を断ち切った。代わりになる生活道路を身をもって考えてほしい」。鞆港西側の平地区の住民たちは、狭い道幅や地域の衰退など、生活道路に関わる課題を指摘。架橋計画を撤回した理由説明に、納得できないとする意見が続いた。
代替として示す山側トンネル案について、商店経営武内孝之さん(40)は町内の交通量が減ればコンビニなどの経営が厳しくなると懸念し、「地元の生活を何も理解していない」と憤った。途中退席した無職男性(72)は、「トンネル案の安全対策が聞きたかった。昔から鞆で生活する住民の声を聞いていない」と不信感をあらわにした。
架橋反対派の住民を中心に、計画撤回を「知事の英断だ」と理解を示す意見も相次いだ。県の事業案に多くの部分で賛同という無職平田由紀さん(58)は「鞆の景色や町並みという財産を、次世代にそのまま渡したい」と受け止めた。
約2時間半、対立し続けた意見に、戸惑う人も。鞆町育ちの大学生女性(21)は「住民側の時が止まっている。もっと未来のことを話し合う場であってほしかった」と肩を落とした。飲食店経営の箱井琴子さん(65)は「架橋賛成、反対どちらの意見も分かる。住民同士がいがみあっていても前に進まない」と懸念を口にした。
【中国新聞 2017.04.03】
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鞆の町並の南西端付近。平地区はこの先にある。


鞆の町中にある県道の幅員の狭い区間。一言でいえば、これさえなければ一連の架橋埋立て計画に対する論争が生じることもなかったわけだ。
この狭小区間の影響をまともに受けるのが、鞆地区の中心の南西側にある平地区。一方で観光ホテルなどもある東海岸地区などは、賛成でも反対でもないという住民も少なくないのではないだろうか。
この知事訪問を控えた3月29日の記事にも取上げられている。
そこには、平地で将来の架橋を睨んで宅地や畑が県に買収された歴史も紹介されている。古くからの港町・漁師町であり、代々の住民の先祖からの思いもあるだろう。
地元のしがらみ的なものを全て汲むのは当然無理がある。住民一戸一戸の負う歴史、思いは一つとして同じものはないだろうし、全住民が満足する解決策はあるはずはない。
ただこのまま手を拱いていてもいいはずは無い。
そしてこの論争によって、古い町並の保存が遅れに遅れていることが何よりも気がかりだ。
今年になって、ようやく重い舵が切られたようだが・・。


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by mago_emon2 | 2017-04-03 21:50 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆の伝建保存計画諮問

福山市教委は27日、同市鞆町の伝統的建造物群保存地区(伝建地区)の保存計画を、学識経験者や地元住民たち15人でつくる保存審議会に諮問した。計画は、港町の繁栄の歴史を物語る建造物などを保存し、将来に伝える目的で策定。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定に向けた重要なステップとなる。
伝建地区は町中心部の8.6ヘクタール。江戸時代の町家などの歴史的建造物と港湾施設があり、商業都市として栄えた港町の特徴を残す。計画案では、地区内の主屋や土蔵、門塀など280棟を保存すべき伝統的建造物の候補とした。石灯籠や船をつなぐ石、石垣などの工作物も定めた。
町並み保全のため、建設行為の許可基準を設ける。伝統的建造物を修理する場合は原則、建物の歴史を踏まえて復元。それ以外の建物の改築の場合も、屋根や壁を町並みと調和させる修景基準を設定した。修理と修景は助成対象となる。
ほかに、保存・管理の相談窓口となる施設の整備、所有者の組織「町並み保存の会」の設立などを記載している。
審議会は2001年度に一度、保存計画を答申したが、県道拡張の都市計画を廃止できず、告示できなかった。会長に就いた福山大の鎌田輝男名誉教授は「重伝建としての価値は十分にある地区。保存計画をまとめ、国の選定につなげたい」と話した。
今後、審議会を2回ほど開いて計画内容を詰めるとともに、地元住民の意見も聞く。市教委は5月中に答申を受け、6月に告示する方針。
【中国新聞 2017.03.28】

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今年になって、町並保存の側面で鞆はようやく本格的前進を始めた。
もちろん重伝建選定が達成できればそれがゴールではないが、鞆の場合、選定に匹敵する建物群の質と量は十分満たしており、町並の保存という面では大前提といえるので、まずはそこを足掛かりにし、貴重な伝統的建物が失われるのを食い止めてほしいものだ。
ぜひとも、本年中に実現してほしい。


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by mago_emon2 | 2017-03-28 21:52 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆の伝建保存計画策定

福山市教委は17日、同市鞆町の伝統的建造物群保存地区(伝建地区)の保存計画の策定を始めると明らかにした。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の選定の申し出に必要な計画で、6月にも計画を告示する方針。町家の傷みが進む中、重伝建選定も見据えて町並みの保存を急ぐ。
伝建地区は8.6ヘクタール。地区内の約600棟のうち、昭和初期以前に建てられた伝統的建造物がおよそ半数という。江戸時代の建築物も約100棟あり、全国有数の多さを誇る。
保存計画では、町並み保存の基本的な方針を示し、伝統的建造物を特定。保存整備の方法や助言措置などを定める。市教委は3月、学識経験者や地元住民たち15人でつくる保存審議会に計画を諮問。答申を受け、6月に告示する予定という。町家を修理したり、周囲に合わせて修景したりする際の基準が明確になる。
伝建地区は2008年3月、地区を貫く県道の拡幅計画の廃止と合わせて都市計画決定した。同時期に保存計画を作るのが一般的だが、鞆港埋め立て、架橋計画による道路課題の解決と合わせて、重伝建を目指していたため進まなかった。
市議会文教経済委員会で示した。市教委文化財課は「住民の生活に関わるので地元には丁寧に説明したい。重伝建は国や県と協議して進める」としている。
同町で町並み保存を訴えてきた保命酒店主の岡本純夫さん(65)は「対応は遅れたけれど、保存計画の策定は一歩前進。町家の所有者も老いていくので、重伝建の選定を急いでほしい」と要望する。
【中国新聞 2017.02.18】


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2月11日付記事の続報。重伝建地区選定に向けて具体的な動きを始めたようだ。
この保命酒店主の言葉のように、町家も所有者も高齢になりこのあたりで一定の保存基準とそれに伴う補助を得ないと、古い町並としての鞆は失われていく一方だ。
埋立ての計画、道路整備計画が決定しないために町並保存が棚上げとなる事態がずっと続いていたことは大いに問題だった。
それが解決した今、市のみならず住民、そして訪れる客も含めて伝統的建物・町並の貴重さを認識して、保存に向けて梶を切ってほしいものだ。


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by mago_emon2 | 2017-02-19 14:34 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆の保存計画策定へ

福山市教委が、歴史的な町並みが残る同市鞆町の伝統的建造物保存地区(伝建地区)の保存計画策定に着手する方針を固めたことが10日、分かった。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定の申し出に必要な計画で、早期選定を目指すとみられる。
伝建地区は8.6ヘクタールで、昭和初期以前に建てられた伝統的建造物が約300棟あり、うち約200棟は江戸・明治期の建築。老朽化が進む中、市は計画策定に踏み切るとみられる。
保存計画では、町並み保存のための基本的な方針を示し、伝統的建造物を特定。保存整備の方法や、所有者が行う建物修理への助成などを定める。計画ができると、伝統的建造物を回収する際に使う屋根や壁の材料などの基準が、より明確になる見通し。
市教委は本年度内にも市伝建地区保存審議会に、保存計画を諮問。文化庁や広島県教委の指導・助言も受けながら、夏までには計画の告示を目指す方向という。
市は2008年3月、伝建地区の都市計画決定と同時に、建物に影響を与えかねないとして、地区内で予定されていた県道拡幅計画の廃止に同意。交通対策の鞆港埋め立て・架橋の推進と、重伝建選定を目指してきた経緯がある。県が12年に架橋計画の撤回を表明した後は、市は重伝建選定を急ぐとする一方、住民の意向を慎重に判断する姿勢を見せ、計画策定は進めていなかった。
【中国新聞 2017.02.11】

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鞆の町並の重伝建保存地区への動きは、40年近く前、重伝建制度が始まった頃にまで遡る。それを妨げていたのが架橋計画。建造物の保存を目指す地区に、それを壊す計画(架橋以外に現況道路の拡幅案があった)があっては矛盾するという理由である。
架橋計画の撤回後、一気にその動きが高まるものと見ていたのだが、何故だかそれ以後重伝建への動きのみならず様々な動きが停滞しているように感じていた。
選定には住民の意識の高まりももちろん必要だが、自治体の動きも欠かせない。その両方が揃わないと進めない。
これまで市が細々ながらも伝統的建物の維持保存を行ってきたが、町並全体としての保存は、もう待ったなしの状況に差し掛かっている。
近いうちに選定されるものとの安心感を得るにはまだ早いが、かなり前進しているというのは間違いなかろう。
続報を期待したい。


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by mago_emon2 | 2017-02-11 21:56 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆町発信拠点整備へ

福山市は鞆町で、歴史的な町並み保存の拠点施設にするために購入した、古い商家の再生を本格化させる。近く、敷地内で倒壊の危険のある土蔵などの解体に着手する。策定中のまちづくりビジョンとも整合を図りながら、本年度中にも活用策の議論を始める見通し。
国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)を目指す市の伝建地区(約8.6ヘクタール)の中央部にある。木造2階建ての主屋(延べ214平方メートル)は明治期に建てられ、現存例が少ない跳ね上げ式の板戸「ブチョウ」が残る。市は保存対象の主屋の修理に先駆け、来年3月までに土蔵や戦後に建築した工場など計4棟を解体・一部解体する。11月、約990万円で発注した。
市が施設を購入したのは2011年度。12年度に応急処置をして以降、国の補助を受けられる重伝建選定をにらみ、整備を見送ってきた。だが、建物の老朽化が進む状況を踏まえ、本年度当初予算に解体費と、施設の基本・実施設計費(2200万円)を計上した。
市は、町並み保存に関わる情報提供や観光案内の拠点として活用を想定。11月末、ビジョン策定に向け開いた住民意見発表会では、修理修繕の相談窓口や、祭りで引き回す布団だんじり「チョウサイ」の保管展示などのアイデアが出た。
市文化課は「ビジョン策定状況を踏まえ、活用策を練る」とする。市は15年度から、町並みの保存を進めるため、伝建地区内の歴史的な町家の修理の補助率を高めている。
【中国新聞 2016.12.15】

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市が町並保存の拠点にするために旧家を購入していた件は知っていたが、具体的な活用の話が聞こえてこなかった。この記事を読むと、重伝建地区となることを前提にしていたことがわかる。
なかなかそれが叶わないので、しびれを切らして手を打たざるを得ない状況になったのか。
それにしても、鞆の重伝建地区選定を妨げているものは何なのか、詳しく知りたいものである。


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by mago_emon2 | 2016-12-15 23:09 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆まちづくり 提案多彩

福山市鞆町の住民たちがまちづくりについて提案する意見発表会が26日、同町の鞆公民館であった。同町のまちづくりビジョン策定のための住民ワークショップ(WS)の一環で、小中学生を含む12組が発表した。
鞆中3年岡本結花さん(15)は、同中生徒で将来も鞆に住みたいのは1割にも満たない半面、約9割が鞆が好きというアンケート結果を紹介。「若者も町の伝統を引き継ぎたいと思っている。頼ってほしい」と呼びかけた。
空き家増加を課題として挙げる発表が目立った。鷲野太平さん(23)は、鞆町西部の平地区に地域密着型の宿泊施設の導入を提案。「観光客と住民をつなぐたまり場になれば、ファンが増える。空き家紹介の窓口にもなれる」と発表した。
住民たち106人が参加。他に、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の選定を急ぐべきだ/住民同士で支え合う鞆での暮らし体験が移住につながる―などの提案があった。次回のWSは来年1月に開く予定。
【中国新聞 2016.11.27】

以前記事内で見たワークショップは定期的に開催されているようだ。地味ながら、この動きが特に町並保存に向けて大きな舵を切るきっかけになることを期待する。
昨日、県の東部に住まわれ鞆の事情にも精通されているある方と話をする機会があったが、地元の方は景観保存、町並保存よりやはり鞆の現状の大きな課題である道路事情などに関心が高いと。
既に多くの観光客があり知名度も得ているから、改築への補助がありながら縛りもある重伝建選定については、二の次のことなのだろうか。
橋梁計画没後のトンネル案も、クリアーしなくてはならない課題が多く計画が進んでいないそうで、町並共々遅々として進まぬというのが実情だ。このワークショップの積み重ねが、果たしてそれを後押しするものになるだろうか。


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by mago_emon2 | 2016-11-28 23:00 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆港の雁木 大規模修復へ

広島県は年内に、福山市鞆町の歴史的な港湾施設である階段状の石積み「雁木」の復元に着手する。長年の潮にさらされて傷み、下部の砂利や土が抜け出して崩壊の恐れがあるため。市教委によると、鞆港の北側と東側の雁木の大掛かりな修復は、幕末から明治とされる築造以来、初めて。
県東部建設事務所によると、本年度は北側(46メートル)の復元を始める。長さ1.5メートル前後の石材約210個を取り外し、下部の状況を確認。土が抜けるのを防ぐシートを敷き、石材下の流出した砕石を補充、石材を築造当時の状態に敷き直す。
応急的な補修に使われてきたコンクリートは剥がし、なくなっている石材は、笠岡市の北木島産の石材で補う。工期は2017年7月までを見込む。続いて、隣り合う東側(68メートル)を復元する。工事に合わせて、市教委と県教委が細部の構造を確認し、発掘調査をする。
鞆港西側にある1818年築造の大雁木(42メートル)は1989年に修復を終えた。県は防災対策の一環で、雁木の背後に、台風や津波時に起こす起伏式ゲートを整備する方針だが、工事時期は未定としている。
鞆港の雁木は00年、常夜灯などとともに市と県が埋蔵文化財に位置付けた。市教委は、鞆港ほど連続して残っているのは全国で例がないとする。県東部建設事務所は「多くの人が注目している。文化財としての価値を守りながら安全な施設に復元し、後世に残したい」とする。
【中国新聞 2016.10.21】

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雁木の残る港の風景。石積には所々ゆがみの見られる箇所がある(2013年撮影)

雁木は地域によっては雪道でも歩道を快適に歩けるための木製の構造を差すが、ここではこの写真のような船着場に設けられた階段状の石積のことをいう。町並とともに港湾的な遺構も質量ともに優れたものがあり、改修保存されるのは喜ばしいことだ。それも外観上は極力原形を保持するように工夫されるようで、期待したい。
雁木をはじめとした港の風景があることで、古い港町の町並の価値も高まるものだ。


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by mago_emon2 | 2016-10-21 21:56 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

鞆まちづくり新局面

福山市鞆町の鞆港埋め立て、架橋計画が白紙に戻った後の同町のまちづくりが、枝広直幹市長の誕生で新局面を迎えた。広島県との連携強化による課題解決に期待がある一方、「地元の多様な意見を聞いて」と求める声もある。地域の将来像を共有し、まちづくりを加速させるか、住民が注目している。
9月に就任した枝広市長は、開会中の市議会本会議で「交通処理や防災対策はまちづくりの根幹」とし、県事業の早期実現に向けて地元との橋渡しに努めるスタンスを説明した。さらに「(架橋の代替案の)山側トンネル案は、しかるべき時期に件から住民に具体的な説明をし、議論をしていただきたい」と延べた。
湯崎英彦知事が約30年来の架橋計画を撤回して4年余り。この間、架橋推進を掲げていた羽田皓前市長との間に溝が生じ、トップ同士の対話がほとんどできなかった経緯がある。一方、枝広市長は9月の就任直後に湯崎知事と面会。鞆のまちづくりを含む課題について、定期的に意見交換していくことで合意した。
市議会からは、連携のスピード感を評価する声が上がる。一方で「市長の交代であたかも前に進む錯覚だと困る。地元と意見交換をし、鞆に寄り添ってもらいたい」との注文もあった。
まちづくり前進の鍵となりそうなのが、市が2017年度中の策定を目指すまちづくりビジョンだ。市は5日、ビジョン策定のための2回目の住民ワークショップ(WS)を開く。枝広市長は海外出張のため参加できないものの、「将来を見据えたビジョンを、住民との合意を元に策定していきたい」と強調する。
住民との徹底した対話と、道路や防災の事業を担う県との連携―。両方のバランスが求められる。
【中国新聞 2016.10.01】

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市長の交代は確かに鞆の町にとって色々な面で好材料だろうが、鞆のような昔ながらの港町には地元民のさまざまなしがらみというか複雑な感情が交錯し、全町民納得という形に着陸するのは難しい。ただそれぞれの機嫌をとって具体的な手を拱いているようだったら、結局これまでと同じことになるだろう。
この問題に関しては私はあくまでよそ者であり、政治の力に委ねるというようなことも私は言いたくない。
ただ交通問題の解消と文化財、古い町並の保存。これが両立する形で早い解決を迎えてほしいと願うだけだ。


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by mago_emon2 | 2016-10-05 23:03 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)