カテゴリ:古い町並( 29 )

 

景観に統一感 にぎわい再び(三原市)

広島県は、統一感ある景観づくりで賑わいを取り戻す住民活動を市町と支援する「魅力あるまちなみづくり支援事業」のモデル地区に、三原市本町の「本町西国街道地区」を選んだ。かつての城下町に文化的価値の高い寺社が点在。住民主体の祭事が続いている点も踏まえ、観光客の増加が見込めると判断した。県市は担い手となる住民組織の来年度発足を目指す。
大正地区は、JR三原駅北西に位置する本町1~3丁目の約26ヘクタール。地区を東西に貫く市道の本町中央通りは、江戸期に西国街道として栄え、古い町家が今も残る。通りの北側には、国の重要文化財の山門がある宗光寺などの寺社が斜面に沿って立つ。
早春の「おひな祭り」や夏の「三原半どん夜市」を地元住民らが開いている。ただ、商業施設の郊外への進出などで近年は人通りが減少。景観づくりを機に活気を取り戻したいと、市が県の公募に応じた。県市は今後、電線の地中化や道路の石畳化など景観づくりに向けたハード事業の指針を決めるため、住民組織がワークショップを開いたり専門家を招いたりする経費を折半して負担する。
市は住民組織の設立に向けて調整中。市都市開発課は「町家や寺社は祭りやイベントの舞台ともなっており観光客を呼び込むポテンシャルがある。住民主体の活動をいかに持続させるかを考えたい」としている。
同事業は2014年に開始。これまでに宮島口(廿日市市)東城(庄原市)忠海(竹原市)の3地区を選定し、計2千万円を支出している。宮島口と東城はハード整備の指針がまとまった。
【中国新聞 2017.11.22】


d0328255_10211526.jpg
三原の町並 この近くに「西惣門跡」がある(2004年撮影)


三原市の城下町及び街道沿いの町並は、特に駅の北東側の造り酒屋を中心とした地区が国道バイパスの建設にあたり拡幅され、ほぼ壊滅している。さらにこの記事で触れられた北西側も、質量的に余り残っているとはいえない。私も当分の間、再訪していない町並だ。
しかし少ないながら残る商家の建物や寺社を取り込んで歴史の町をアピールする余地は残されていると思う。
ただ、観光客の取り込みといったとこに傾注しすぎると、結局は余り個性のない画一化されたものになりがちなので、その辺はバランスを持った取組としてほしいものだ。
しばらく注目しておきたい。


[PR]

by mago_emon2 | 2017-11-23 10:22 | 古い町並 | Comments(0)  

3階建て以上木造住宅減る(大崎上島木江)

 大崎上島町木江港周辺に集まる3階建て以上の木造住宅が、徐々に姿を消している。かつて造船の町の歓楽街としてにぎわった名残をとどめ、観光名所にもなっているが、9棟まで減った。老朽化や住民の高齢化で管理が難しくなっている。
 町によると、木江港では江戸末期から帆船が潮待ちし、造船業でも栄えた。大正期までに旅館や宴会場が並ぶ歓楽街になった。海と山に挟まれて平坦地が少ない事情から、木造3階建てが多く建てられたという。
 戦後、鉄鋼船が主流になると、潮待ちする船が減り、歓楽街は活気を失った。その後、建物は民家として活用され、1980年代には15棟が残っていた。
 郷土史に詳しい町住民課の秋山英雄さん(54)は「木造3階建て以上が群集して残ったのは全国でも珍しい」と説明する。一帯の写真は町の観光パンフレットも飾る。
 しかし、どの建物も築100年前後になった。昨年までに10棟になり、ことしさらに、1棟が壊された。住んでいた70代の男性は「屋根や壁の補修に年間100万円余りかかった。行政の補助はなく、維持が難しかった」と振り返る。
 現存する3階建て8棟と5階建て1棟のうち、居住者がいるのは3棟。他の2棟は倉庫、4棟は空き家だ。
 町地域経営課の森下隆典課長は「歴史ある町並みを守りたいが、保全に向けた町民運動などがなければ、個人の財産に公金を投じるのは難しい」と話している。
【中国新聞 2017.10.31】
d0328255_22414714.jpg
木江の路地 木造3階建が対峙する一角もある(2016.01撮影)

木江の集落は余り全国的には知られていないものの、その外観の独特さは特筆すべきものがある。
島の集落だったから大規模に開発され破壊されることなく、良くぞ残っていると私は思っているのだが、木造3階建の減少は私も実際眼にしてきたところである。
ここに載せた写真のような路地風景は他ではまず見られないもの。
一軒壊されると、連続した町並景観に風穴が開いて、かなり異なったものになる。

記事に掲載されている森下課長の言葉は、重伝建地区などとして公の保存が行われていない古い町並の現実そのものである。






[PR]

by mago_emon2 | 2017-11-01 22:51 | 古い町並 | Comments(0)  

上下観光 住民盛り上げ

白壁の町並みが残る府中市上下町で、住民による観光振興の取り組みが活発化している。誘致に成功した外国人ツアーが継続的に訪れ、建造物の補修など江戸から昭和にかけての面影がある景観の形成も進む。一方で、市による観光振興の方向性は明確でなく、市のビジョンを求める声もある。
英国の旅行会社が企画したツアーは昨夏以降、8回訪れた。寺や旧商家の見学、剣道体験などがコースだ。「人はフレンドリーで景観もいい。日本に来た意味が上下にあった」と英国から7月に訪れた弁護士デービット・コフィーさん(50)。上下ガイド協会会員が付き添い、英会話ができる住民、小中学生もガイドに加わる。客にも好評で10月までに4回が予定される。
ツアーは、県と住民有志でつくる上下まちづくり協議会が旅行会社を招いたことがきっかけ。「外国人を呼び水に、日本人も増えれば」と協議会は活路を求める。
協議会は県や市の補助金を使い、なまこ壁や格子窓が残る町並みの景観整備にも力を入れる。2015年以降、地域のシンボルでもある教会、大正時代建設の芝居小屋などを改修。今後も明治時代の警察署跡や民家の外観の修繕などを進める計画だ。協議会は、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定を目標に挙げる。
住民を突き動かすのは危機感だ。町の人口はこの5年で600人減り、現在は約4600人。白壁の町並みを成す約800メートルの商店街約130軒のうち、空き家や空き店舗は11増えて32軒に。行事がなければ地区は閑散とする。長い伝統があった同町の矢野温泉の唯一の施設は、昨年末で休館した。
5月、協議会の呼び掛けで商工会や市など8団体で活性化連絡会が発足した。主催者が異なる行事も多く、足並みがそろっていなかった地域に連携を強める動きも出てきた。
住民主導で取り組みが進む中、「住民団体でできることには限界がある」と協議会の柿原延孝事務局長は言う。「市による地域振興のビジョンが見えない」との声も地域から漏れる。
市産業振興課は「上下町には他の地域にはない価値がある」と観光資源の豊かさを認める。「町並みをどう生かすか、市の方向性をはっきりさせないといけない」とするものの具体策は見えない。重伝建についても慎重な姿勢を示す。
どう地域振興につなげるか。市の手腕が問われる段階にきている。
【中国新聞 2017.08.20】

d0328255_22554882.jpg
d0328255_22552359.jpg
上下の町並(昨年のイベント時の様子)

古くは石見銀山で産出される銀の輸送上重要な町として位置づけられ栄えた上下町。現在でも重厚な古い町並を残しており、またイベント開催なども活発に行われ、地元の方々の意識は高い。
ただ市との温度差を感じるとのこと。現在は府中市の一部ではあるが、このような記事を見ると合併による弊害がこんなところに現れているのではないかと、勘ぐりたくなる。
また取組自体も、余り観光色に染まったものにならないように願いたいところだ。重伝建地区を目指すなら尚更だ。
私が見る限りは、今の状況はかなり良い方向に持っていけていると言う印象ではある。やはり地元と市が足並を揃えるという部分が課題か。


[PR]

by mago_emon2 | 2017-08-23 23:03 | 古い町並 | Comments(0)  

宮島 町並み保存へ助言役

世界遺産の島・宮島(廿日市市)の町並み保存を加速させようと、市は広島工業大の森保洋之名誉教授(72)を宮島まちなみ・まちづくりアドバイザーに任命した。島中心部で国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定を目指す中、宮島の町家にも精通する建築計画の専門知識を施策に活用していく。
森保氏は1月から週一回登庁。建築指導課の机に着いて職員の相談に応じ、会議への出席も重ねる。今月2日には、関係職員14人を集めた勉強会を開催。町並み保存の対象地域にある建物の修理基準などを定めるガイドラインの必要性を説き、学識者や先進地の住民など助言を求める人材を紹介した。
森保氏は、広工大が宮島に構える学習センター「宮島こもん」の世話人などを歴任。島内のまちづくりや景観に詳しく、住民とも率直な意見交換ができる関係を築いている。宮島の町並みの魅力を「質素で落着いたたたずまい」と指摘し、「町家を良い形で修理し保存していけるようにアドバイスしていきたい」と話す。
市は、江戸期からの民家が点在する町家通り一帯など約18ヘクタールの重伝建選定に向けた条例を2015年に制定。担当職員を宮島に常駐させるなど取り組みを進めている。市建設部の向井敏美・都市建築担当部長は「宮島に詳しい専門家が身内になった。遠慮なく助言を求め、良いまちづくりを進めたい」としている。
【中国新聞 2017.02.07】

d0328255_21245451.jpg

宮島の町並保存に関しては、今からほぼ1年前にもその動きを伝える記事があった。大学教授などの学識者の視察などが行われたという内容だった。
http://machiissue.exblog.jp/22881128/
外部による調査段階だった昨年に対し、今回は具体的な保存の実務に関する人事に関してだ。選定後をにらんでの動きだろう。
実際町家通りを中心として、重伝建地区に匹敵する古い町並が保持されているが、観光客に認知されているとは言いがたい。団体客の往来の多い地区と同じような賑わいなる必要は無いが、その貴重さを理解していただける個人客を中心にもう少し知られるところとなってほしいものだ。



[PR]

by mago_emon2 | 2017-02-08 21:35 | 古い町並 | Comments(0)  

街道の趣 どう守る

江戸期から昭和初期の古民家が残る広島市安佐北区可部地区の旧雲石街道一帯の景観保全が曲がり角を迎えている。出雲、石見両街道が合流する交通の要衝として栄えた往時の町家は改修費がネックとなり、空き家になったり解体されたりして景観は年々変化する。
情緒ある通りを守るためには地域全体の機運の高まりが欠かせない。

JR可部駅から北へ約600メートル。かつては人通りでにぎわった同街道の「折り目」は日中、国道183号線の抜け道としてひっきりなしに車が行き交う。昔のたたずまいが年々失われる中、江戸時代から続く入江呉服店の一角が8月下旬、カフェサロンに生まれ変わった。
「古民家が取り壊され、町の趣を失っていく流れに一石を投じたかった」と同店代表の入江乙彦さん(72)。町家の特徴である卯建を修繕し、店内は天井を剥いで木組みの梁を見せるよう改修。古民家の風情を生かしたカフェに改修し、コンサートも毎月開く。

街道沿いの古民家の保全活動に取り組む住民グループ「可部夢街道まちづくりの会」によると、昭和初期には「折り目」を中心にした南北1.5キロに計281軒があったとみられる。しかし、2004年の調査では江戸から昭和初期に建てられた古民家は50軒に。15年3月には37軒に減った。多くが取り壊され、鉄骨建て住宅やアパート、駐車場に姿を変えた。
住民も手をこまねいていたわけではない。まちづくりの会は10年、沿道の14自治会・町内会に呼び掛けて景観保全のための実行委員会を結成。家屋の新築・改修時に切り妻屋根や格子窓を採用することや木製の郵便受けの設置など、住民が自主的に取り組む約40項目のガイドラインを示した。ただ、一定の成果はあったものの、街道全体では思うような効果が出ていない。

最大の壁は古民家の改修費だ。まちづくりの会が古民家の所有者に意識調査をしたところ、「解体せずに古民家の風情を残してリフォームしたいが、経済的な負担が大きい」との声が多かった。このため、昨年6月、市に要望書を初めて提出。改修の補助金や空き家バンクの創設を求めた。
これに対し、市は町並み保全の気運がさらに盛り上がることを前提に「補助金制度を含めた支援の在り方を検討したい」と答えた。まちづくりの会の梶川暢之会長(82)は「期待した即効性のある返答ではなかった。時間をかけているうちに、どんどん古民家が減ってしまう」と嘆く。
まちづくりの会は毎年、街道沿いの古民家や商家約30~40カ所を開放し、餅つきや琴の演奏会を開くイベント「可部の町めぐり」を開催するなど、人の呼び込みには一定の成果を上げてきた。ただ一方で、古民家の所有者の世代交代が進む中、景観保全に向けた地域の動きは盛上がりに欠けている面も否めない。
可部地区は戦後、大型店の進出や住宅団地の開発が進んだ一方、昔の面影を残す街道の景観は高い評価を受けている。住民が話し合う場を設けて地域の財産を見つめ直し、景観保全の気運を高めて行政を巻き込んだ取り組みにしていけるか。地域の底力が問われている。
【中国新聞 2016.10.06】

d0328255_15403795.jpg
「折り目」付近の風景。伝統的な建物が残る一方、下のように取り壊され撤去された旧家も見られる。(2014年撮影)
d0328255_15395630.jpg

可部地区の町並は、「可部の町めぐり」開催時をはじめ何度も訪ねているが、古い建物が年々少なくなっていることに私も危惧を抱いている。
自治体による古い建物の保全に対する補助。これは規模や形は自治体により様々だろうが、補助が行われている例は地方の小都市に至るまであちこちで眼にする。
市はそのような事例に携わった実績もなく、曖昧な返答しかできなかったのだろう。古い町並といえるのはこの可部地区くらいしかないからだ。

記事にあるように、イベントは古い町並・旧家の知名度を上げるには有効だ。しかし、では実際伝統的建物の保持という具体的な話になると、公の補助がなければ各家の持主の判断に任せるほかない。残さねばならないという思いはあっても、経済的その他の理由で個人が行える範囲は非常に限られている。
早く公費補助が受けることができる日が来ることを祈りたい。

例年10月に行われる「可部の町めぐり」は、今年も16日(日)に予定されている。
http://www.kominka-hiroshima.org/1644

[PR]

by mago_emon2 | 2016-10-08 15:43 | 古い町並 | Comments(2)  

酒蔵地区景観向上に着々

東広島市は、市の顔ともいえるJR西条駅南側の酒蔵地区の景観向上策を相次いで打ち出す。歴史的建造物の修理などに補助金を出し、道路の側溝を覆う美装化を施す。趣ある町並みを守る気運を高め、課題だった通りの歩きにくさを解消する。
酒蔵地区には明治や大正期に造られた酒蔵や煙突などが集まる。酒蔵関係施設のうち42件は8月、国登録有形文化財になった。
市はこれらの外観を原状に戻すための修理や町並みに調和した改修をする場合、半額を補助する制度を近く新設。所有者からの申請受付けを始める。
(中略)美装化は、酒蔵地区を通る旧山陽道で観光客の往来も多いメイン通りで計画する。計画では来年度、埋設されている上水道管の更新から取りかかり、2018年度に本格着工する。工期は一部区間で検討している電線地中化に取り組む場合は最短で5年、取り組まない場合は同3年と見込んでいる。
美装化は当面、ブールバール(駅前の幹線道)から賀茂泉酒蔵東側までの500メートルを整備する。区間の大半を占める幅約6メートルの道で、側溝にふたをかける。路肩にグレーのブロックを敷き車道と区別する。市都市計画課は「歩く部分が広がり、地域の人や観光客が歩きやすくなる」とする。
電線地中化を検討しているのは、ブールバールから東へ約200メートル。市が今月終えた試掘調査を踏まえ電力、通信事業者たちと協議して年内に判断する。
住民でつくる「酒蔵地区まちづくり協議会」が03年に一帯の美装化を市に提案していた。メイン通りの周辺で一部工事が終わった区間もある。
【中国新聞 2016.09.16】

d0328255_16564390.jpg

d0328255_16564593.jpg
西条の町並。旧山陽道沿いや酒蔵家周辺は散策客の姿も多い。

西条の町並はその構成の中心が造り酒屋、酒蔵であることで特殊性が高いといえる。普段から散策客が多く、特に毎年秋に行われる催しでは各酒蔵も公開され、多くの来場者がある。
ただ、景観的には酒蔵群があるから良しという雰囲気があるように感じられ、町並としての連続性の維持・確保や、この記事で触れるような美装化については余り積極的でないように見えた。
今回、市が具体的な計画を示したことで徐々に町並景観としても整えられると思うが、それにしても住民団体が市に提案してから13年も経っているとは、いかにも遅すぎである。
それから後一つは、電線を埋設するのは賛成だが、カラー舗装などを多用して人工的な色が濃くならないことを祈りたい。


[PR]

by mago_emon2 | 2016-09-17 17:07 | 古い町並 | Comments(0)  

酒都の景観守る新拠点

酒蔵会社7社が集まる東広島市西条の酒蔵地区に、古くて新しい建物が姿を現した。「ヒストリアガーデン」。江戸期の土蔵と明治期の家屋の外観はほぼ改修が終わり、酒都の風情に新たな彩りを加えている。

敷地は約300平方メートル。家屋と土蔵はかつて美容室などとして使われていた。観光客が行交う好立地だが、ここ10年は空き店舗の状態が続いていた。
地元の不動産管理会社が再生し、9月上旬の開業を目指す。新たなテナントと郷土史愛好家の活動拠点などを置く計画でいる。
改修工事の設計に当たった同市の1級建築士山田光代さん(38)は、「町になじむ外観を心掛けた」という。しっくいと杉板で壁面に白と黒をバランス良く取り入れた。出格子窓で西条らしさを演出した。
「古いものを生かしたかった。いいものに仕上がった」不動産管理会社の木村浩男社長(61)はそう喜ぶ。今後、外壁には酒造りに関わる人物のパネルなどを飾り、酒都の歴史を広めていく。
酒蔵地区では、以前から景観のルールづくりが課題となってきた。観光資源として風情ある町並みを残すべきだという意見がある一方、JR西条駅前の一等地にあるため、条例などで制限しにくくマンションやホテルが増えた。過去に景観基準を話し合う場も設けられたが、実現には至らなかった。

ガーデンの改修工事を担った地元建設会社の実森尊信社長(41)は、変る西条の町並みに危機感を持ってきた一人だ。酒蔵や蔵を象徴する煙突が減り、「町の個性が消えていく」と思っていた。
2年前には東広島市青年会議所(JC)の事業で、景観について考えるパンフレットを作った。「古里を見つめ直し、どう受け継ぐかを考えてほしい」と、市内各地の風景の写真を盛り込んだ。
ガーデン改修を通して「景観を守ることは町への愛着を守ること」と改めて感じた。「子どもたちのためにも酒の町の個性を守る。そんな意識を広げていきたい」と願っている。
【中国新聞 2016.08.03】

d0328255_11403687.jpg

酒蔵会社の事務所と煙突

西条の町並は造り酒屋群で形成されるという個性的で貴重なものである一方、特に表立った保存活動は行われずに駅前再開発等によって失われた風景も少なくない。町並の残存度の割に観光地的な雰囲気も濃く、そのバランスは決してよいとはいえない状態といえる。
町並全体としての拠点施設ができるのは画期的なことだ。出来れば、駅の西側に点在する旧山陽道界隈の伝統的な建物を含め、保存意識が高まることを願いたい。

[PR]

by mago_emon2 | 2016-08-07 11:41 | 古い町並 | Comments(0)  

白市の魅力 発信拠点に

東広島市は、高屋町に「白市交流会館」を開設した。観光客の休憩場所、地区に残る歴史的な町並みを保存する住民活動の拠点、と位置づけている。
地区の集会所のあった場所に新築した。木造平屋約155平方メートル。しっくい塗りの白壁、杉の腰板と格子、赤瓦が特徴だ。
国重要文化財の木原家住宅など江戸期の町家や家並みになじむ外観に仕上げた。開館時間は午前9時~午後5時。
玄関口の交流スペース約20平方メートルには、地区の歴史文化を紹介する写真やパネル20枚を展示。観光客の休憩所として、トイレとともに無料開放する。
多目的スペース約60平方メートルは、1時間400円でイベントや会議用に貸し出す。住民が1997年に発足させた白市景観形成委員会の活動拠点となる。
事業費は約6500万円。都市計画課は「まちづくり活動の活性化を図り白市の魅力を発信する場にしたい」とする。
【中国新聞 2016.06.20】

d0328255_21481920.jpg

白市の町並
d0328255_21475870.jpg

木原家住宅(重文)

白市地区は私が初めて訪ねた15年余り前は、重文木原家住宅は公開されていたものの、外部の者を案内するような看板類も一切無かった。徐々に市や地元の意識の高まりがあって、外来者用の駐車場や案内標識の設置が行われるようになった。
伝統的建造物が広範囲に残っているというほどではないが、質感の高い建物が残り素朴さも感じられる良い雰囲気の町並だ。
この施設が町並探訪に訪れた人の情報拠点となることを願いたい。

[PR]

by mago_emon2 | 2016-06-20 21:53 | 古い町並 | Comments(0)  

商店街まるごと道の駅(矢掛町)

岡山県矢掛町は23日、宿場町の風情を残す矢掛商店街と連携し、「道の駅」を整備する方針を明らかにした。新たに駐車場と簡易な観光案内所を設け、商店街で買い物や散策を楽しんでもらう。県によると既存商店街を取り込んだ「道の駅」は全国的にも珍しいという。
県や町によると、商店街と国道486号に挟まれた民有地4千平方メートルを用地買収し、大型バス10台を含む計50台の駐車場と、トイレや観光案内板を備えた施設を整備する。特産品販売や地産地消レストランなど、道の駅に欠かせない「地域振興機能」を、老舗和菓子店や雑貨店、飲食店が並ぶ東西約1キロの商店街が補う。国重要文化財の旧矢掛本陣・脇本陣などの歴史的町並みも活用する。
矢掛町は2013年から、商店街で空き家になった古民家を、特産品販売所や宿泊・温浴施設などとして再生してきた。「倉敷の奥座敷」としてにぎわいが生れている同町の知名度アップと団体旅行の受け入れ強化につなげようと、道の駅整備を決めた。
町は年内に整備構想をまとめ、県が地元説明会やハード整備を順次進めていく。18年度の完成と、登録申請を目指している。
【中国新聞 2016.05.24】
d0328255_21394083.jpg

矢掛の町並(旧脇本陣高草家付近)

旧山陽道時代には重要な宿場町であった矢掛の町。現在も大名行列の際の主要な宿とされた本陣・脇本陣がそのまま残される貴重なところで、重伝建地区に匹敵するものを保持している。
道の駅というと広い駐車場と地域の物産を販売する売店があるというのが基本で、温泉その他の付加価値を持つものも現れているが、あくまでその施設内で完結するものというのが一般常識だ。施設外の既存の市街地とは分断されたものだった。
この矢掛で計画される道の駅とはまだ記事の説明だけでは判然としない部分もあるが、古い町並の中にある商店、そして伝統的建造物も含み道の駅の施設の一部として位置づけ、開放するのだろうか。
車でふと訪れた客が、矢掛の古い町並の良さを見出して貰えるものなら、それはそれで嬉しいことだ。
今後計画が実現に向けて具体化するのを楽しみにしたいところだ。

[PR]

by mago_emon2 | 2016-05-24 21:50 | 古い町並 | Comments(0)  

赤瓦と海原 息のむ対比(江津市)

波子町の入り組んだ狭い路地を歩いていると、突然、青い海、白い雲と赤い屋根が織成す光景が飛び込んできた。学生時代、バックパックを背負って旅した地中海沿岸の古い町並みが頭に浮かび、思わず眼を細めた。
ただ、地中海が赤れんがの町並みならば、ここは県西部特産の石州瓦だ。JR波子駅周辺の住宅街は、住宅の約7割に輝きを放つ瓦がある。
近くの駐車場に車を止め、木漏れ日の遊歩道を5分ほど歩くと、石見大崎鼻灯台がある。冬には厳しい波が打ち寄せる山陰の海だが、晴れた日は驚くほど穏やかな表情を見せる。東西に延びる海岸線を眺めていると気持ちいい風が塩の香りを運んできてくれる。
「世界のどこに出しても恥ずかしくない景色」と同町の波子まちづくり活性化協議会の黒川光憲会長(67)。心の中で地中海と比べていた自分を恥じ、しばし、見渡す限りの大海原を楽しんだ。
【中国新聞 2016.05.03】

d0328255_20511113.jpg

波子の町並より

島根県は西部を中心に赤褐色の瓦が印象的な地域だ。私もこの波子を訪ねた際、石州瓦の密度の高さとその前面に広がる日本海岸の景色との調和が絶妙で、美しい集落であると思った。そして何より、その貴重さに地元が気付かれ、独自のまちづくり組織で活動されているのを見て頼もしさを感じた。
記事の筆者はかつて地中海を旅した折の光景とを重ね合わせているが、この独自の集落景観的魅力に改めて気付かされ、それを恥じている。石州瓦の家並はそれほどの価値あるものなのか、私も再認識する必要があるのではと思わせた。

[PR]

by mago_emon2 | 2016-05-03 21:00 | 古い町並 | Comments(0)