カテゴリ:重伝建保存地区( 18 )

 

御手洗町並み魅力広がる


呉市豊町の御手洗地区に3月下旬、空き家を改築したゲストハウスと懐かしのおもちゃが並ぶ博物館が相次ぎオープンした。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の町並みに新たな魅力が加わった。

ゲストハウス「旅籠屋 醫(くすし)」は、地区内でカフェや画廊を経営する企業が開いた。10年前まで診療所だった築100年を超える建物を改築。内装は、赤土の壁と内部からのぞく竹をあえて見せるなど、「建物の物語を感じられる演出」に工夫を凝らした。
2階に2段ベッドを6台並べたドミトリー式で、2人用の個室1室も備える。1泊3456~8640円。同地区には常時利用できる宿泊施設がほとんどないという。井上明代表(38)は、「島で見る朝日や満月の美しさは、泊まって初めて実感できる」と話す。
「旅籠屋 醫」の南西約100メートルには、木造2階建ての町家を改装した「御手洗昭和館」が開館した。近くにある大東寺の関藤一暁住職(54)が20年にわたって集めたおもちやや文具約5千点を並べた。木製の野球盤や世界初の無線操縦カー、江戸期の泥メンコなどの逸品もある。
ショーケースには地元の商店などが使っていたものなどを利用した。関藤さんは「江戸期からの町並みを求めてくる人々の郷愁をさらに呼び起こしたい」と話す。一般300円、小中学生200円。火曜日休館。
地区には年間5万人が訪れる。呉広域商工会などは町並みを丸ごと博物館と見立てた「ミュージアム構想」を掲げ、インバウンド(訪日観光客)を含めた誘客に取り組んでいる。
【中国新聞 2017.04.15】
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ゲストハウスとして整備される旧医院の建物

保存地区の大崎下島御手洗地区は確かに宿泊できる施設がなく、ほとんどの探訪客は日中の短時間の滞在で地区を去ってしまう。
しかも現在は橋により陸続きになっているとはいえ、袋小路の奥にある御手洗地区にはそれなりの動機がないと足を向けることはない。
町並の魅力を多くの人に知って貰うには、ある程度の集客対策も必要になるだろう。そんな中でこの「御手洗昭和館」はある一定の吸引効果があるだろうし、町並景観に与える影響も少ないので好例といえるし、私も次回機会があれば訪ねたい。
ただ、ミュージアム構想のもとに半ばテーマパーク状になることは避けなければならない。そのあたりのバランスは非常に難しいものだが、絶好の素材があるわけだから、それを最大限に生かしたものにしてほしいものだ。


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by mago_emon2 | 2017-04-16 20:36 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

白壁レストラン半年ぶり

昨年10月の地震で大きな被害の出た倉吉市の白壁土蔵群で、国登録有形文化財の建物を利用したレストラン「白壁倶楽部」が約半年ぶりに営業を再開した。伝統的建造物群保存地区のシンボル施設の再建に、地元関係者は「復興への弾みに」と期待を寄せている。

白壁倶楽部は1908年建設の旧国立第三銀行倉吉支店を活用し、同市の社会福祉法人「和(なごみ)」が2011年3月、障害者が働く福祉サービス事業所として開設した。土蔵造り2階建てに50席を設け、障害者6人と職員5人で運営。地元の食材を使ったランチやディナー、レトロな店内が特徴で、観光客や住民たち年間約2万人の利用があった。
昨年10月21日に同市で震度6弱を観測した地震により、内外壁が大規模に崩落したため、近くに仮店舗を設けて営業していた。県と連携する日本財団から約2100万円の補助を受け、12月から壁の修復や耐震化を進めていた。八渡和仁施設長は「被災した住民の励みになれば」と話している。
【中国新聞 2017.04.04】
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旧国立第三銀行倉吉支店(2009年撮影)


この旧銀行の建物は、倉吉の古い町並の中心からはやや離れているため一般の探索客は、もしかすると訪ね損ねている方もあるかもしれない。しかし、その歴史もともかく独特の外観もとても貴重なもので、レストランとして活用されているのも最近知ったことなのだが地震に耐え営業を再開されたという報せは嬉しい。
なお、倉吉の古い町並というと、この記事にも書かれているように白壁土蔵群ばかりが注目されるのだが、これは商家の裏手に当たる部分であり、表の主屋のたたずまいに実際重厚な見ごたえがある。地震前の健全な姿を取り戻せる日が早くやってくることを祈るばかりだ。


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by mago_emon2 | 2017-04-05 23:19 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

「観光維新」の志士・・着物、レンタルに活路

「古地図がそのまま使えるまち」が萩の城下町の売り物。だが、かつて賑わった商店街は空き店舗だらけ。アーケードを抜けた辺りから広がる城下町も無人の古民家・廃屋が多く、名所旧跡の所在が思い出せない。
9月中旬、立寄った呉服店の店主が「まあ、お茶でも」と迎えてくれた。「商店街も寂れました」と語る一方、10月の週末には4千本の竹筒の灯籠で夜の城下町を彩る「竹灯路物語」や、着物で城下町を歩く「着物ウィーク」、その後も「萩ふるさとまつり」など催しが目白押しという。「変わったそばでも食べますか?」。温かいせいろは絶品だった。人情が厚く、宝の山だ。このまま衰退する街ではあるまい。
武家屋敷や豪商の旧家が残る城下町で、何度か立ち寄ったのが「キモノスタイルカフェ」。武家屋敷を改造した店で、向いは木戸孝允(桂小五郎)旧宅跡。岡田窯の新鋭作家、岡田泰さん(40)に特注した萩焼のカップでコーヒーを飲んでいる傍らには、店内で和服に着替え、観光に出かける女性グループやカップル、ちょんまげ頭に刀差しの侍に扮した男性の姿がある。ここを営むのがキモノレゾンデートル社長の関伸久さん(43)だ。
経歴が面白い。呉服店に生まれ、萩高を卒業後、「いずれUターンして起業したい」と、着物と縁の深い京都の大学だけを受験し、立命館大学経営学部へ進んだ。フランス留学の経験もある。フランスの友人が来日した際、土産に着物の婚礼衣装を贈ったが、後日、その友人宅を訪問すると、天井から着物が芸術品のように飾られていた。それが着物のレゾンデートル(仏語で「存在価値」)を再認識した瞬間という。
卒業後は大手銀行に就職し、「多くの中堅・零細企業の社長に会って徹底的に経営を学びました」。そして「不況時こそ企業のチャンス」と考えた。上司も理解してくれた。2008年9月のリーマン・ショックを機に、13年間勤務した銀行を09年2月に退社し、Uターンする。
読みは的中し、不況下だからこそ萩の観光地の真ん中に絶好の物件を見つけた。ビジネスの主軸は「プロ・アマの差が大きい呉服」に決めたが、商売の難しさは熟知している。そこで当時は珍しかった和風の高級カフェで、萩名物の夏ミカンジュースなどのメニューを萩焼の器で提供するカフェ事業で基盤を固めた。
(中略)本命の呉服は、婚礼では当たり前の「着物レンタル」。京都のようにリピーターが望めないへき地の城下町観光を、レンタル着物で楽しんでもらう「コト消費」ビジネスだ。料金も格安な4千円以下に設定し、並行して、送料無料(遠隔地を除く)の着物レンタル通販も始めた。
JR西日本は来年1月29日、山陰本線の新下関-仙崎(長門市)間で運行してきた「みすゞ潮彩」を廃止。「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」の一つとして、同9月から新下関ー萩駅間で新観光列車を走らせる予定だ。萩では2年後の明治維新150周年に向け、来年3月に毛利藩の藩校「明倫館」跡地を一大観光拠点にするなど幾つかの大型プロジェクトを胎動する。「その先をも見据えた面白いことを仕掛けたい」と語る関さんは、「観光維新」の志士だろう。
【日本経済新聞 2016.12.10】

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萩の町並 上:武家地区, 下:商家地区

萩を訪ねた観光客の感想として、「思ったより古い建物が少ない」というのが少なくないと聞く。実際は多くあるのだが、観光客が主に訪れるのは萩城城下町と称された菊屋家を中心とした一角、周辺の松陰神社などの史跡くらいなので、そのような印象になるのは無理ないだろう。
私は、萩の良さを感じるには、ツアーなどで訪ねるのではなく、個人でそして時間をかけることをお勧めしたいところだ。出来れば泊る方が良い。それでも時間がないというのであれば、例えばこの記事にある着物レンタルなどでその気になってみるのも一つあるかもしれない。
この関氏のような地域に根ざし、創意工夫の観光ビジネスは大いに価値あるもので、私は利用することがなさそうではあるが応援はしたいものだ。


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by mago_emon2 | 2016-12-11 17:08 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

御手洗丸ごと「博物館」に

呉広域商工会などは呉市豊町の御手洗地区で「ミュージアム構想」に取り組む。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されている街並み全体を博物館に見立てて活性化を目指す。初年度は外国人を含む専門家から助言を受け、先進地を視察する。

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構想には、江戸期から続く港町の建物や景観の活用、アピールの工夫、新たな投資を呼び込む仕組みづくりなどを盛り込む。
構想を練り上げる委員会は、同商工会や住民でつくる「重伝建を考える会」、市外の有識者、市の代表者たち26人でつくった。全国商工会連合会からの補助金329万円を構想の立案に充て、来年度以降に実際の取り組みを進める。
9月の会合は英国、米国出身の委員4人も出席。インバウンド(訪日外国人客)の拡大をテーマに話し合った。
「欧州や米国の観光客は旅の中で文化や歴史、建築学を学びたいと願う人が多い。御手洗にはそれが備わっている」「オーディオガイドを使って散策できるようにすればいい」などの意見が出た。酒蔵を結婚式場として、町家をゲストハウスとして活用する全国の先進例も学んだ。
同商工会の村尾征之会長は「地元が気付いていない視点を得られた。地域がにぎわう道を探りたい」と話していた。
【中国新聞 2016.09.10】

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今は本州からは橋により陸続きになっている御手洗地区。しかし何本もの橋を渡りその最奥にあること、そして町並景観とそれにはらんだ歴史性が濃密なことから、独特の探訪価値のあるところのように思える。
陸路の袋小路のようなところなので、ここに目的のある人しか訪ねてこないだろう。
そうした背景を持つこの町並には絶好の取組といえる。
ただ、自治体のこうした活動は宣言したは良いが具体化の段階で企画倒れになることも少なくない。そうしたことはないように願い期待したいものだ。


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by mago_emon2 | 2016-09-12 22:58 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

竹原の観光客 最多131万人

竹原市を2015年に訪れた観光客数は131万9千人で、過去最高を記録したことが11日、市のまとめでわかった。NHK連続テレビ小説「マッサン」やアニメ「たまゆら」、大久野島(忠海町)のウサギ人気で、14年から12万3千人(10.3%)増えた。
地域別では、江戸、明治期の姿を伝える家屋が立ち並ぶ町並み保存地区(本町)を訪れる観光客数が増えた。前年を11万人上回る54万4千人。市は「マッサンとたまゆらの舞台となった効果が大きい」とみる。
同地区には、マッサンの主人公のモデルでニッカヰスキー創業者の故竹鶴政孝の生家がある。たまゆらの若いファンが、作品に登場する場所を散策する姿も目立つ。
大久野島は25万4千人で、前年に比べ6万9千人増えた。島に生息するウサギの動画がインターネットで紹介され人気が高まった。特に、外国人観光客は前年の3倍の1万7千人に達した。半面、町並み保存地区を訪ねた外国人客は261人にとどまった。
市は島を訪れた外国人を対象に、15年11月から16年1月までアンケートを実施。回答した272人のうち、町並み保存地区について「知らなかった」が7割を占めた。市は観光関連の団体と連携し、認知度アップを目指す。
【中国新聞 2016.05.13】

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竹原の町並(竹鶴酒蔵付近)

重要伝統的建造物群保存地区に指定されている竹原の古い町並は、私が訪ねだした頃はとても静かなたたずまいだった。しかしここ数年、どうも足が向いにくい。探訪客が急増しているからだ。
記事の通り連続ドラマやアニメの影響だろう。竹鶴酒蔵は現役の造り酒屋で、現在でも格式ある堂々とした構えで営業を続けており、町並景観にも自ら大きく貢献している。
また私はアニメは詳しくないので実感が無いのだが、確かに以前は余り見なかった若い人がとても増えていると感じる。それらメディアの舞台となったことで、竹原は一躍有名な観光地のようになっている。
以前から団体客の訪れはあったが、増加の原因は圧倒的に個人客の増加である。以前より駐車場はかなり増えているものの、車を停めるのに苦労する事もある。
静かに町並散策が出来ていた頃を知っているので少し抵抗感はあるものの、こうして古い町並が広く知られるきっかけが出来たことは、素直に喜びたいところである。
一方で外国人への知名度がまだまだとのこと。言われてみると古い町並で外国人客を見ることはこれまでほとんど無かった。外国人用へのサイトや観光案内の偏りを実感する。これも良く見られる現象だ。
私が思うのは、話題に乗じての一過性のものではなく、これからも安定して竹原の町並の魅力が知られることを願いたいものだ。

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by mago_emon2 | 2016-05-14 21:43 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

御手洗の宝HPで発信

呉市豊町御手洗の住民グループ「重伝建を考える会」が、地元の歴史や人々の営みを伝えるホームページ(HP)を作っている。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)になっている地区の魅力を広めたいと、本年度中の完成を目指している。
生活と暮らし/行事/歴史-などの項目に分け、御手洗のイメージが湧くよう写真をメーンにして紹介する。レイアウトは市内のデザイナーに頼んだ。住民の絆の深さ、潮待ち港として栄えた歴史や伝統行事・・・。10年、20年先を見据え、残したい「地域の宝」を載せる。
写真は、昨年東京から家族で移り住んだ写真家宮川トムさん(34)の担当だ。今月上旬、考える会の女性会員でつくる「さくら部」の活動を取材した。住宅の軒先の格子窓や壁の竹筒にスイセンやトルコギキョウを生ける場面をカメラに収めた。
空き家の多い地区を明るくしようと2003年に始めた取り組みで、会員は毎日40軒余りを回る。古くなった花を自分たちが育てた花と取り替える。部長の鍵谷恒美さん(67)は「情報発信によってもてなしの文化も伝えたい」と喜ぶ。
考える会の尾藤良会長は「単なる観光情報サイトにしたくない。伝統と支える人を紹介し、移住希望者や御手洗ファンの参考になるHPにしたい」と意気込んでいる。
【中国新聞 2016.02.10】

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御手洗は瀬戸内の島にあってはその古い町並としての質量、歴史性ともにトップクラスだ。
重伝建地区となってからは伝統的建物が随分綺麗に整備されたが、それは華やかだった頃の姿を取り戻したということもできる。
その御手洗の魅力をネット発信する取組、重伝建地区を紹介する地元のサイトというのは意外と少ないもので、応援したいものだ。

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by mago_emon2 | 2016-02-10 23:47 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

マッサン経済効果7億円

NHK連続テレビ小説「マッサン」による竹原市への経済波及効果は7億円近くになったと、市観光協会がまとめた。飲食費と土産物の購入費を合わせた1人当たり消費額を5589円とはじき、地元宿泊者の割合や放映期間(2014年9月~15年3月)の観光客の伸びを踏まえて算出した。
ドラマは市が舞台の一つとなり、主人公のモデルでニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝(1894~1979年)の生家のある町並み保存地区(本町)などでロケもあった。竹原商工会議所が14年11月1日~3日と15年1月17,18日、同地区と近くの道の駅たけはら、JR竹原駅などでアンケートを実施。市外からの観光客936人から回答を得た。飲食費は平均2397円、土産代は同3182円。市内に宿泊した人は回答者の8.6%にあたる81人だった。
保存地区には、ともに市重要文化財の森川邸、松阪邸と、市歴史民俗資料館、光本邸の有料4施設があり、放映期間中は計8万7156人が入館した。前年同期より増えた人数5万5255人、アンケートではじいた1人あたり消費額、宿泊者の割合、宿泊費などから直接効果額を4億2500万円とした。
各種商品などの原材料費やイベントの人件費といった間接効果額は2億6700万円。合わせて6億9200万円を経済効果とした。
市全体の観光客数も伸びた。市産業振興課によると、13年の94万5061人から、ドラマ放映があった14年は119万3832人に増えた。15年は集計中だが、14年を超えているという。
【中国新聞 2016.01.21】

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竹原は古い町並としてかなり全国的な知名度が増したことだろう。
しかしわたし個人的には、観光客でごった返す竹原は少々違和感を覚える。自宅から1時間圏内にある町並だが、実際ここ数年探訪ペースが落ちている。
この記事を見て、以前の静かだった竹原を少々懐かしんでいる。

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by mago_emon2 | 2016-01-24 14:59 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

宮島「重伝建」へ条例案

世界遺産の島・宮島(廿日市市)の中心部を国の重要伝統的建造物郡保存地区(重伝建)選定につなげようと、市は8日、目的などを定めた保存条例案を市議会定例会で提案した。地区内の物件は約2割が空き家で、保存対策が急務。市は制度の枠組みづくりと並行して、定住促進や景観モデルといった、まちづくりの具体策を住民と連携して検討していく。

市が、「厳島神社門前町」として保存を目指す範囲は、町家通り一帯から大願寺、大聖院にかけての約18ヘクタール。江戸時代からの町家が点在し、宮島に特徴的な建築様式も残る。
市の計画では、選定後に地区内の建築物を増改築などする場合、伝統的建造物は往時の姿に、それ以外の建造物は調和した外観に持ち主が整備する。市は基準に応じた補助金を交付する。
市歴史まちなみ推進室によると、地区内の物件総数は約600件で、うち約130件が空き家となっている。住民からは「建て替える際の具体的なイメージがわからない」などの声もある。
福岡県八女市の八女福島地区では2002年の選定後、住民たちが複数のNPO法人を設立。伝統建築の設計や施工を地元の技術者が担い、空き家の持ち主と入居希望者をつなぐ役割も担う。
市は条例制定後、有識者や住民などでつくる保存審議会を設置する方針。同室は「制度を生かすためには民間も交えた保存会が必要。宮島ならではの活動を見いだしたい」とする。
【中国新聞 2015.09.09】

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町家通りの町並

観光で訪ねる人には余り知られていないだろうが、町家通りと呼ばれる土産物街の山手の筋には伝統的な町家建築や旅館建築があり、学生グループなどによる独自調査が続けられていた。また大聖院の門前地区には厳島神社の神職を務めた社家街が残るところだ。これらの地区はいずれも観光客の主な流れとは少し外れた位置にあることで、外向きにおもねるような感じにならず比較的そのままの形で保たれてきたのだろう。
単に古い家並が連なるだけでなく、歴史性に裏打ちされた町並であることからも、重伝建に相応しいものがある。今後の動向に注目したい。


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大聖院門前の社家町
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by mago_emon2 | 2015-09-11 23:09 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

竹原「町並み地区」 修理・保存が着々

竹原市は、本町の町並み保存地区や周辺で由緒ある建造物の修理・保存、基盤整備を進めている。国の歴史的風致維持向上事業の認定を受けての取り組みで、本年度は4年目。計画に盛り込んだ事業15件のうち既に3件を終え、本年度は藤井酒造の酒蔵交流館の保存修理など2件を実施する。

交流館ではしっくいの塗り替えが続く。江戸時代にできた木造2階建て、延べ2400平方メートルの蔵を展示や土産物屋の販売、主要銘柄「龍勢」の試飲が楽しめる施設にしている。ただ傷みは目立ち、一部土壁がむき出しになり、朽ちた柱もある。
5月に始まった修理は10月末に終わる。総事業費2700万円のうち約3分の1が国土交通省の補助金だ。歴史的風致維持向上事業の認定を受けたメリットはここにある。
(以後略)

・歴史的風致維持向上事業
国土交通省や文化庁、農林水産省が進める財政支援制度で、「歴史まちづくり法」に基く。景観保全計画を作成し認定されれば、計画の重点地域にある歴史的価値の高い建造物の修理や保存などに一定の補助金が交付される。竹原市は2012年6月、尾道市とともに県内で初めて認定された。

【中国新聞 2015.08.28】

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竹原の町並(記事の内容を表すものではありません)

この「歴史的風致維持向上事業」というものは知らなかった。自治体単位で認定を申請できるのならば、当面重伝建選定も適わない鞆などでも行ってみればと思う。
竹原の伝統的な建造物の質は非常に高いものがあり、重要伝統的建造物群保存地区とあわせてこのような事業はありがたいところだ。

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by mago_emon2 | 2015-08-28 22:52 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

稲荷山が重伝建に 国宝に旧富岡製糸場

文化審議会(宮田亮平会長)は17日、世界文化遺産の旧富岡製糸場(群馬県富岡市)を国宝に、昭和前期に建てられた名古屋市庁舎や愛知県庁舎(いずれも名古屋市)など9件を需要文化財に指定するよう下村博文文部科学相に答申した。
長野県千曲市の商家町を重要伝統的建造物群保存地区に選定することも求めた。

近く答申通り告示され、建造物分野の重要文化財は計2428件(うち国宝221件)、保存地区は109地区となる。
旧富岡製糸場は明治政府が1872年に建設した製糸工場で、今年6月に近代養蚕農家の原形「田島弥平旧宅」などとともに「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界文化遺産に登録された。答申は「世界の絹文化の発展に大きく貢献した施設で、文化史的に深い意義がある」と評価し、木骨れんが造りの繰糸所など3棟を対象とした。
隣接して立つ名古屋市庁舎(1933年完成)と愛知県庁舎(38年完成)は、タイルを張り巡らせた洋風建築に瓦屋根を載せた造りが共通の特徴で、意匠的に優れていると判断した。
インドの古代仏教建築に似た外観を持つ築地本願寺本堂(東京都中央区)、現存する道路可動橋で最古の長浜大橋(愛媛県大洲市)も重文に指定される。
千曲市の稲荷山地区は、江戸時代に宿場町、その後は商家町として栄えた一帯で、街道沿いに古い家屋や土蔵などが保存の良い状態で並んでいる。(後略)
【「中国新聞」2014.10.18】

※記事タイトルは掲載に際し変更しています

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稲荷山の町並

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築地本願寺本堂

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長浜大橋

重伝建地区は毎年1~3箇所は追加されている。近年はおやっというような場所が選定される事もあるが、この稲荷山は順当なところといえよう。土蔵そして町家は重厚で、その密度も濃く私の町並度も7と高評価を下していた。裏手の土蔵群も見ごたえがある。
築地本願寺本堂、長浜大橋と訪ねたことのあるところが新たに重要文化財となったことも嬉しい。
富岡製糸工場は、以前群馬県を訪ねたとき見学しようかどうか迷ったことがあり、結局古い町並の探訪を優先してパスしてしまったことが悔やまれる。今では落着いて見学することなど不可能だろう。

その他の重要文化財の答申内容(文化庁報道発表、PDF形式)
http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/2014101702.pdf

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by mago_emon2 | 2014-10-19 10:08 | 重伝建保存地区 | Comments(0)