上下観光 住民盛り上げ

白壁の町並みが残る府中市上下町で、住民による観光振興の取り組みが活発化している。誘致に成功した外国人ツアーが継続的に訪れ、建造物の補修など江戸から昭和にかけての面影がある景観の形成も進む。一方で、市による観光振興の方向性は明確でなく、市のビジョンを求める声もある。
英国の旅行会社が企画したツアーは昨夏以降、8回訪れた。寺や旧商家の見学、剣道体験などがコースだ。「人はフレンドリーで景観もいい。日本に来た意味が上下にあった」と英国から7月に訪れた弁護士デービット・コフィーさん(50)。上下ガイド協会会員が付き添い、英会話ができる住民、小中学生もガイドに加わる。客にも好評で10月までに4回が予定される。
ツアーは、県と住民有志でつくる上下まちづくり協議会が旅行会社を招いたことがきっかけ。「外国人を呼び水に、日本人も増えれば」と協議会は活路を求める。
協議会は県や市の補助金を使い、なまこ壁や格子窓が残る町並みの景観整備にも力を入れる。2015年以降、地域のシンボルでもある教会、大正時代建設の芝居小屋などを改修。今後も明治時代の警察署跡や民家の外観の修繕などを進める計画だ。協議会は、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定を目標に挙げる。
住民を突き動かすのは危機感だ。町の人口はこの5年で600人減り、現在は約4600人。白壁の町並みを成す約800メートルの商店街約130軒のうち、空き家や空き店舗は11増えて32軒に。行事がなければ地区は閑散とする。長い伝統があった同町の矢野温泉の唯一の施設は、昨年末で休館した。
5月、協議会の呼び掛けで商工会や市など8団体で活性化連絡会が発足した。主催者が異なる行事も多く、足並みがそろっていなかった地域に連携を強める動きも出てきた。
住民主導で取り組みが進む中、「住民団体でできることには限界がある」と協議会の柿原延孝事務局長は言う。「市による地域振興のビジョンが見えない」との声も地域から漏れる。
市産業振興課は「上下町には他の地域にはない価値がある」と観光資源の豊かさを認める。「町並みをどう生かすか、市の方向性をはっきりさせないといけない」とするものの具体策は見えない。重伝建についても慎重な姿勢を示す。
どう地域振興につなげるか。市の手腕が問われる段階にきている。
【中国新聞 2017.08.20】

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上下の町並(昨年のイベント時の様子)

古くは石見銀山で産出される銀の輸送上重要な町として位置づけられ栄えた上下町。現在でも重厚な古い町並を残しており、またイベント開催なども活発に行われ、地元の方々の意識は高い。
ただ市との温度差を感じるとのこと。現在は府中市の一部ではあるが、このような記事を見ると合併による弊害がこんなところに現れているのではないかと、勘ぐりたくなる。
また取組自体も、余り観光色に染まったものにならないように願いたいところだ。重伝建地区を目指すなら尚更だ。
私が見る限りは、今の状況はかなり良い方向に持っていけていると言う印象ではある。やはり地元と市が足並を揃えるという部分が課題か。


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by mago_emon2 | 2017-08-23 23:03 | 古い町並 | Comments(0)  

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