鞆港の雁木 大規模修復へ
県東部建設事務所によると、本年度は北側(46メートル)の復元を始める。長さ1.5メートル前後の石材約210個を取り外し、下部の状況を確認。土が抜けるのを防ぐシートを敷き、石材下の流出した砕石を補充、石材を築造当時の状態に敷き直す。
応急的な補修に使われてきたコンクリートは剥がし、なくなっている石材は、笠岡市の北木島産の石材で補う。工期は2017年7月までを見込む。続いて、隣り合う東側(68メートル)を復元する。工事に合わせて、市教委と県教委が細部の構造を確認し、発掘調査をする。
鞆港西側にある1818年築造の大雁木(42メートル)は1989年に修復を終えた。県は防災対策の一環で、雁木の背後に、台風や津波時に起こす起伏式ゲートを整備する方針だが、工事時期は未定としている。
鞆港の雁木は00年、常夜灯などとともに市と県が埋蔵文化財に位置付けた。市教委は、鞆港ほど連続して残っているのは全国で例がないとする。県東部建設事務所は「多くの人が注目している。文化財としての価値を守りながら安全な施設に復元し、後世に残したい」とする。
【中国新聞 2016.10.21】
雁木をはじめとした港の風景があることで、古い港町の町並の価値も高まるものだ。
by mago_emon2 | 2016-10-21 21:56 | 鞆の架橋計画と町並保存