宮島 重伝建選定へ作業大詰め

世界遺産の島・宮島(廿日市市)の中心部を国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定につなげる作業が大詰めを迎えている。市は月内に保存審議会を設置するなど2016年度内の選定を目指す。ただ地区内には空き家もあり、活用や保存には住民や専門家を含めた官民一丸の連携が不可欠。選定後の円滑なまちづくりへ、市は活動を支える民間団体づくりなど、制度を運用する枠組みの構築を急ぐべきだ。
厳島神社への往来でにぎわう表参道商店街から路地を入った町家通り一帯。都市住宅学会に所属する県内外の大学教授たちや、市の法定外目的税導入を検討する委員が昨秋からことしにかけ、相次ぎ視察した。同団体の有識者は江戸から昭和初期にかけての古民家が残る町並みに感心を示し「各年代の建物がまとまって残る地区は珍しい」「保存へ何らかの財源が必要」との認識を示した。
市が厳島神社の門前町として保存を目指す範囲は、町家通り一帯から大願寺、大聖院にかけての約18ヘクタール。
(中略)地区一帯のまちづくり団体は12団体に上る。空き家再生や移住者探し、改修のアイデアを出す建築士や工務店の集まりなど、各団体が目的ごとに特化し、まちづくりの役割が細分化されているのが特徴。カフェや雑貨、飲食、小規模デイサービス施設など、再生後の活用事例も多彩で、借り主は30~40代が目立つ。
廿日市市は16日に保存審議会を開く。保存計画の策定や保存地区の決定を経て、今秋の重伝建選定を見込む。同室は「歴史を踏まえた宮島らしい民間組織を設けたい」とする。
町家通り一帯でゲストハウスやギャラリーなど5軒の再生を手掛けた建築家で造形作家の福島俊をさん(64)=広島市佐伯区=は、「過疎化が進んで人影のまばらな重伝建もある中、宮島は観光地で生活感が残っているのが特徴」という。
古民家再生には「伝統を踏まえた上で、将来の景観づくりを話し合う場が必要。行政が主導して、窓口となる組織や技術者の育成を急ぐべきだ」と指摘している。
【中国新聞 2016.02.11】

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町家通り(2014.12撮影)

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大聖院門前(2014.12撮影)



宮島は厳島神社を中心に、港から続く土産物街、秋には紅葉谷公園、子供連れは神社の先にある水族館といったところが観光客の軸線だが、それに並行、あるいは一歩踏み込んだ位置にあるこれらの町並エリアはかつては静かなエリアであった。最近になって、町家通りでギャラリーや喫茶などが注目され、また有識者の視察なども行われ、ようやく注目されてきたという感がある。
重伝建地区となるに十分なものを備えているのはもちろんのこと、選定によりこれまでこの地区を訪ねていなかっただろう観光客層が訪れることによって、活性化にもつながると同時に観光客自身も探訪に深みを増すことになるだろう。
ぜひとも早期に実現してほしいものだ。

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by mago_emon2 | 2016-02-14 22:18 | 古い町並 | Comments(0)  

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