宮島「重伝建」へ条例案

世界遺産の島・宮島(廿日市市)の中心部を国の重要伝統的建造物郡保存地区(重伝建)選定につなげようと、市は8日、目的などを定めた保存条例案を市議会定例会で提案した。地区内の物件は約2割が空き家で、保存対策が急務。市は制度の枠組みづくりと並行して、定住促進や景観モデルといった、まちづくりの具体策を住民と連携して検討していく。

市が、「厳島神社門前町」として保存を目指す範囲は、町家通り一帯から大願寺、大聖院にかけての約18ヘクタール。江戸時代からの町家が点在し、宮島に特徴的な建築様式も残る。
市の計画では、選定後に地区内の建築物を増改築などする場合、伝統的建造物は往時の姿に、それ以外の建造物は調和した外観に持ち主が整備する。市は基準に応じた補助金を交付する。
市歴史まちなみ推進室によると、地区内の物件総数は約600件で、うち約130件が空き家となっている。住民からは「建て替える際の具体的なイメージがわからない」などの声もある。
福岡県八女市の八女福島地区では2002年の選定後、住民たちが複数のNPO法人を設立。伝統建築の設計や施工を地元の技術者が担い、空き家の持ち主と入居希望者をつなぐ役割も担う。
市は条例制定後、有識者や住民などでつくる保存審議会を設置する方針。同室は「制度を生かすためには民間も交えた保存会が必要。宮島ならではの活動を見いだしたい」とする。
【中国新聞 2015.09.09】

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町家通りの町並

観光で訪ねる人には余り知られていないだろうが、町家通りと呼ばれる土産物街の山手の筋には伝統的な町家建築や旅館建築があり、学生グループなどによる独自調査が続けられていた。また大聖院の門前地区には厳島神社の神職を務めた社家街が残るところだ。これらの地区はいずれも観光客の主な流れとは少し外れた位置にあることで、外向きにおもねるような感じにならず比較的そのままの形で保たれてきたのだろう。
単に古い家並が連なるだけでなく、歴史性に裏打ちされた町並であることからも、重伝建に相応しいものがある。今後の動向に注目したい。


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大聖院門前の社家町
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by mago_emon2 | 2015-09-11 23:09 | 重伝建保存地区 | Comments(0)  

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