旧住銀支店 見えぬ活用策(尾道市)

尾道市が、所有する旧住友銀行尾道支店(同市久保)の活用策に頭を悩ませている。文化財には未指定ながら、1904年築で市内に数少ない明治期の近代化遺産の一つ。住友銀行(現三井住友銀行)発祥の地を物語る舞台で、「商都尾道」の歴史には欠かせぬ建物といえる。ただ、保存・活用には改修コストが課題で、日本遺産ブランドを生かしたまちづくりを掲げる市の判断が注目される。
木造平屋約180平方メートル。外壁はモルタル仕上げで石造りを模している。巨大な半円形アーチが連続する外観が特徴。設計は住友本店臨時建築部(現・日建設計)で、市が建設予定の市役所新庁舎のデザイン会社の前身でもある。当時の技師長の野口孫市(1869~1915年)は、国重要文化財の大阪府立中之島図書館の設計者として知られる。
(中略)市は2012年3月に歴史的文化財を中心としたまちづくりを目指す歴史的風致維持向上計画を策定。旧住友銀行尾道支店は、保存に向けた整備を検討する建物となっている。尾道ユネスコ教会も「100歳を超える貴重な近代化遺産」とするなど、専門化の評価は高い。
同支店付近には1923年建築の旧尾道銀行本店が「おのみち歴史博物館」、明治期の木造倉庫が「おのみち映画資料館」として活用されている。
6月の市議会定例会では、市議が「日本遺産に認定された尾道にとって大きな観光、文化資源になるのではないか」と指摘。絵画などの展示施設に改修し一帯を文化ゾーンとするよう提案された。平谷祐宏市長も「歴史的な経緯もあり、保存と活用については今後の課題と考えている」と応じた。所管する市総務課は「文化財と、まちづくりを一体的に考えていきたい」としている。
【中国新聞 2015.08.16】

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旧住友銀行尾道支店(奥の建物)

この記事を読んで、正直どの建物だったかという思いだったが、私の撮影していた以前の画像を確認してあれかとようやく納得した。
それだけ建物としては、やや地味である。洋風建築でありながら、平屋建てであることもあるだろう。
しかし明治期の銀行建築というとその稀少価値は低いものではない。費用を投じても保存すべきだろう。
ただ建っているだけでは維持費だけが出て行くし、市民や興味ある訪問者のためにも何かに活用するのが望ましいだろう。
こうした建物の活用というと、ギャラリーなどの展示施設、イベントスペースなどの例が多く、喫茶店などの常駐店舗として利用される例は少ない。そのことだけでも保存するのは容易ではないといえる。
市の良い判断を待ちたい。

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by mago_emon2 | 2015-08-17 22:31 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

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