国登録文化財 選定目指せ(西条酒蔵通り)

東広島市西条地区の酒蔵通りにある築50年以上の酒造関係の建築物について、市教委と各酒造会社が国の登録有形文化財に選定されるよう手続きを進めている。市のシンボルである酒造などの景観の価値を再確認、地区全体で景観を守る意識を高める狙いもある。
対象は7社ある酒造会社の酒蔵、煙突、事務所など。5社の計約50件については昨年9月、登録に必要な文化庁の調査が終わった。
補足調査が済んだ会社ごとにに申請する。残る2社は年度内にも同様の調査を受ける。
登録されれば、修理や管理に関して国の技術的助言が受けられ、固定資産税の優遇措置もある。形状などを変える際は事前の届出が必要だが、内装だけの改修や小規模な場合は不要で、国重要文化財ほどの負担はかからない。
(中略)既に文化庁の調査を受けた賀茂泉酒造の前垣寿男社長(68)は、「酒造だけでなく地区全体で町の風情を残すという意識を共有することが必要」と力説する。
酒蔵通りでは13年に賀茂鶴酒造の吉富蔵、14年に賀茂輝酒造の酒蔵や煙突が解体されるなど、地域に親しまれてきた建造物が相次ぎ姿を消した。
【「中国新聞」2015.05.28】

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上から賀茂鶴酒造・賀茂泉酒造の所有する洋風の建物


酒蔵通りというくらいだから、白壁土蔵造りの酒蔵というのが西条の町並の一般的イメージだろう。
しかし各酒造会社の事務所などに使われている洋風の建物が意外と多い。町並景観の要素の一つとなっている。また山陽道沿いでもあったため、一般の町家建築もあるのだが、こちらはさすがにかなり数を減らしている。
酒蔵という主役のアクセントとなるこれら洋風の建物が着目され、登録文化財を目指しているというのは評価すべきことだ。土蔵と煙突だけを形式的に遺しても、やがては形骸化したものになろうし、事務所などの付属的な建物も伝統的であるならば、それらもあわせて残してしかも現役で使ってこそ価値が保たれるものだ。

前垣社長の発言には重みがある。山陽道の宿場町であった歴史は酒蔵の陰に隠れているが、そこももっと主張してよいのではと、私は常に思っている。

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by mago_emon2 | 2015-05-28 22:37 | 伝統的建造物 | Comments(0)  

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