「ポニョ」の港町、渋滞対策で広島県が新提案

アニメ映画の「崖の上のポニョ」の舞台イメージとして知られる広島県福山市鞆の浦地区。江戸時代の港町の景観が残り観光客に人気のエリアだが、道幅が狭く交通渋滞が多発する問題を抱える。広島県はこの地区で渋滞解消などを狙う様々な対策を検討してきたが、2014年12月7日、新たなプランを提案した。
新たなプランは、地元住民との協議会で提示。既存県道を部分的に拡幅して待避所としたり、電柱を地中化したりすることなどで車両通行の円滑化を狙う内容だ。15年度の取り組みとして提案した。12年に同県が示した、地区の山側にトンネルを掘削してバイパスを建設する方針については、具体的なプランの提案を先送りした。
この問題に対して県はもともと、同地区の港湾部を埋立てて道路橋を架設する計画を提示。しかし、「景観を破壊する」と住民の一部が反対し、訴訟に発展した。結局、県はこの案を撤回し、その後に示したのがトンネル案。だがトンネル案にも、住民の一部から反対の声が上がっていた。
12月7日の協議会で県が示したプランには、渋滞解消策に加えて、高潮対策として既存護岸を増築する計画の案も盛り込まれている。
鞆の浦に面している護岸について、04年の台風で高さ不足のために越流が生じた箇所があることを指摘して、増築を提案した。優先度が特に高いとした箇所は、観光名所となっている鞆港の常夜灯付近の西地区とその東側の道越地区で、延長は約300m程度だ。常夜灯より西側の江之浦元町地区から焚場地区までの延長約300mについても、高さ不足を理由として、幅3mの管理道路が付いた護岸の整備を提案した。
県は、これらの渋滞対策や高潮対策を15年度予算案に計上することを目指し、今後も住民に対する説明と意見交換に努める考えだ。
【「日経コンストラクション」 2015.01.12号】

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常夜灯付近(満潮時の様子)

この記事で驚いたのが「護岸の増築」という新しい提案だ。
確かに常夜灯付近は江戸時代からの「雁木」と呼ばれる階段状の船着場がそのまま残っており、満潮時にはその多くが水没する。高潮の折には越流してしまうこともあるのだろう。
ただ増築といっても埋立地などの港湾部で行われているコンクリート擁壁による護岸では景観が台無しである。港の景観と常夜灯、古い建物の間を遮断してしまうことになる。これはある意味、架橋よりも景観に与える影響が大きい。
ついつい架橋問題ばかりに眼が向いていたが、確かに常夜灯付近は護岸と呼べるものがない。探訪や観光で一時的に訪ねるだけだったこともあり、高潮や越流被害を受けるという点については、私は思いもしなかった。
何卒提案が通らないでほしいと思うが、住んでいる方々にとってはまた話は別。高潮被害に遭っては元も子もないのである。東日本大震災を契機に、未曾有の災害の想定というのも現実として考えなくてはいけない情勢になってきている。
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by mago_emon2 | 2015-01-14 21:55 | 鞆の架橋計画と町並保存 | Comments(0)  

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