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みたらい万華鏡 -重伝建20年-

9月8日投稿の記事の御手洗のイベントに行ってきたので、そのレポートを。

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全体的な印象としては自治体主催による本格的なものではなく、地元の有志によるイベントであるらしくささやかであり、またほほえましくなるようで、御手洗らしいイベントだと思った。
遊女屋の遺構である若胡子屋、附近はサイクリングスタイルの人、カメラを持った人、そして地元の人で賑やかだ。若胡子屋の館内では、なつかしの写真展として明治頃の最盛期頃からの貴重な写真が展示されていて思わず見入る。

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私が一番期待していたのがこの町を代表する町家「鞆田家住宅」の特別公開だ。町家の連続する一角や若胡子屋からは少し外れた位置にあり、通りを挟んで洋風の別棟を持つ。
外部から見えるのはこの母屋・別棟だけだが、実は奥行がとても深く離れや茶室、土蔵などを従え、さらには通りを隔てた洋風の外観のもと芝居小屋「乙女座」は、当家が私財を擲って建てたとのことである。幕末から明治にかけて廻船業を営み、金融業にも手を広げて大きく発展した旧家であった。
当住宅は現在でもお住まいのため、残念ながら内部を撮影することはできなかった。しかし細部にも凝った豪勢な造りには驚くばかりだ、公開見学は地元の方の詳しい解説により行われ、参加者一同どよめきが起る場面も多かった。密談時を想定した隠し階段、一方で中庭を望む優雅な茶室など、島の邸宅とは思えない(こう思うのは偏見ですね)豪勢なものだった。
案内された地元の方でさえ内部を詳細に見たことはないとのこと。お住まいのお宅だから当然だろうし、だからこそ我々が訪ねられるというのはとても貴重なことだ。案内を受けているうちに、撮影ができないことなどどうでも良くなってきた。

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実は町家公開をはじめとした催しは翌日も開催される予定だったが、台風の接近により中止となった。当日も当初は影響のある予報となっていたためか、今ひとつ人出が少ないようにも見受けられた。
ただ、このイベントは収益等は度外視したものであろうし、今回の重伝建20年イベントとしてに限らず毎年でも開催してほしいと強く思う。
観光客を呼び寄せるように傾倒したイベントでない限り、こうした催し、取組は大歓迎である。


※この記事は、郷愁小路「かわら版」Vol.12のレポートとほぼ同一内容です。

by mago_emon2 | 2014-10-15 23:55 | 現場レポート  

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